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第4章 (1)アカリside
1-3
しおりを挟む夕方、モニカは愛する旦那様の元へ帰って行った。
その夜ーー。
モニカを見送って自宅に戻った私は、お風呂に入りいつも以上に髪や身体を丁寧に洗う。
ヴァロンが今夜帰ってくるかは分からないけど、モニカに「常に準備は万端に!」と言われたので私は言われた通りに必死だった。
お風呂から上がり、脱衣所で今日買った下着を身に付けてみる。
や、やっぱり……恥ずかしい~~っ。
全身鏡に映る自分を直視できない。
パッと背を向けて、ワンピースタイプの寝巻きをさっさと着ると髪の毛をタオルで拭きながらソファーの所へ行き腰をかけた。
「もうすぐ20時、か……」
時計を見つめて時間を確認すると、私はテーブルの上に置いてある雑誌を手に取った。
それは今日モニカとの買い物の際に買った、『ドリーム・キャッチ』と言う夢の配達人の事が色々書かれた雑誌。
お仕事の事とか、出来事とか。あと人気投票だったり独占取材とかだったり……。
前から買ってみたかったんだけど、ヴァロンが一緒の時は何故か彼が嫌がって買わせてくれなかった。
噂で聞いた話。
今回はヴァロンの事がたくさん書いてあるみたいなんだよね!
絶対に欲しくて内緒で買ってきてしまった。
ワクワクしながら表紙をめくると……。
「!……ッ、かっこ、いい~~っ!」
目に飛び込んできたのは、1ページを丸々と使ったヴァロンの写真。
彼が自分から撮らせる訳はないから、おそらく記者が隠し撮りしたんだ。
煉瓦で作られた花壇に腰をかけた横姿のヴァロンは、雨上がりの空をとても美しい表情で見上げていた。
降り注ぐ光を浴びて、雨に濡れて天を仰ぐその姿は……。まるで、天に恋をしているみたい。
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