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第1章 (1)ヴァロンside

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【6月10日の朝/自宅】

「……ロン!……ヴァロン!
……。ーーねぇ!ヴァロンッ……!!」

「!!……、っ……アカリ?」

アカリに呼び掛けられながら肩を揺すられて、俺はハッとソファーの上で目を覚ました。


「通信機、鳴ってたけど……。起きなくても大丈夫なの?」

そう言って、心配そうに俺の顔を覗き込むアカリ。
俺は顔にかかった長い前髪をかき上げながら、今の状況を思い出す。

……そうだ。
深夜に仕事から帰宅して……。とても疲れていて、そのままソファーに倒れ込むようにして眠ってしまったんだ。


「……悪い。
起こしてくれてありがと。助かった」

俺が微笑むと、アカリもようやく安心したように笑顔を見せる。
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