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最終章 (4)夢の言葉は魔法の呪文
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しおりを挟む「なぁ。手付金、貰っていい?」
「!……っ。……う、うん」
手付金。
また、意味が分かってしまった。
意地悪だ、と思いつつも、私は結局彼の言葉に従ってしまうのだ。
ヴァロンの首に手を回すと、そっと震える唇を重ねる。
その瞬間ーー。
私の恋は、永遠に変わった。
緊張で、いっぱいいっぱいで……。
頭が真っ白な上に一瞬すぎて、キスの感想なんて浮かばない私に、自分の唇をペロリと舌で舐めた彼がまた毒を吐く。
「……。
お前、キス下手くそ」
「なッ……!」
させておいて酷い!
ムッと頬を膨らまして拗ねる私。
……けど、やっぱり。
「ま、いいや。
これから俺が教えてやる。色々、な?」
「っ~~……」
顔を少し傾けて、目を細めて色っぽい表情で笑うヴァロンを見たら……。もう怒れない。
なんてズルい男なんだ!
自分とは正反対に余裕しゃくしゃくな彼は、この直後、私をひと時夢の世界から現実に戻すーー。
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