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最終章 (3)夢の言葉は魔法の呪文

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「……つまり。
この金を受け取らなかったら、依頼完了にはならない。
そして俺は今回、契約時に手付け金も受け取ってない。
報酬金を受け取る前の仕事キャンセルは、有りだったよな?シュウ!」

大広間全体に響く、場の空気を一気に変えるその台詞は、ワザとらしいくらいに丁寧な説明。

そして。
そう口にしたヴァロンは、みんなの前で不敵な笑みを浮かべていた。


「なっ……な、何を言っとるんだ!」

「有りですね。
契約書にもちゃんと書いてありますし、問題ありません」

ヴァロンの言葉に慌てるアルバート様を抑え込むように、シュウさんが冷静に答える。


「……なら。
この契約はなしだ。俺は降りる」

札束をカートに戻し、腕組みをしてつーんとそっぽを向くヴァロン。

そこにすかさず補足を入れるシュウさん。


「あ、でもヴァロン。
依頼主様が、アルバート様が賠償金を請求した場合は自腹ですからね?」

「うっせぇな~。分かってるよ」

もはや完全に二人の世界が創られていて、私を含めたこの場全員が、茫然。
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