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第9章 (3)最後の想い出
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しおりを挟む「たくさん色んな事を教えてくれてありがとう。
どんな時も、見捨てないでくれてありがとう。
貴方との思い出は、私の宝物です」
バロンが私にくれた笑顔、返そう。
私は今まで、たくさん泣いちゃったよね?
落ち込んだり、怒ったり……。
貴方をたくさん困らせた。
その度に、明るく、暖かく、包んでくれた。
だから……。
「……私の最後の我が儘を、聞いて下さい」
今度は私が、バロンに笑顔を贈りたい。
そんな想いを込めて、顔を上げた私はこれまでの人生で1番の笑顔を作った。
「明日が終わったら……。
貴方は、本当の姿に戻って自由に羽ばたいて下さい!
それが、私のバロンへの……。最後のお願い」
ーー上手く、笑えてるかな?
涙よりも、私の笑顔をバロンに覚えていてほしい。
それが例え、偽りの仮面であっても……。
私との日々が、想い出が、少しでも彼の中で輝いていてほしくて……。精一杯、頑張った。
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