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第8章 (4)たくさんのありがとう

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「?……何か入ってるの?」

疑問を抱きながら手を突っ込んでポケットを探ると、左ポケットに何やら箱のような物が入っていた。

掴んで取り出すと……。
それは以前バロンに預けた、お母さんの形見の宝石箱。


「部品の交換に時間がかかって、ずっと渡せなくてすみません。
でも、ちゃんと直りましたから」

「!……オルゴール?
本当に、直してくれたの?……ありがとう」

何よりも嬉しいクリスマスプレゼントを貰った気がして、自分の手の中に戻ってきた宝物をギュッと大切に両手で包み込んだ。


どんな音が流れるんだろう?

ドキドキしながら、宝石箱の蓋をそっと開ける。

……すると。
壊れていた時とは全く違う素敵な音色。
なんて曲かわからないけど、とても可愛らしくて優しいメロディーが流れた。
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