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第8章 (3)たくさんのありがとう
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しおりを挟む私はずっと……。
モニカを、羨ましいと思っていた。
お金持ちで、大切にされていて、素直に我が儘を言える彼女に、私の気持ちなんて分からないと思ってた。
……でも、ようやく気付く。
何も分かっていないのは、私の方だった。
自分の気持ちばっかりで、普通に接しようとしてくれたバロンを避けて……。
モニカの言葉や気持ちにも、耳を塞いで……。
「これでいい」って、勝手に決めつけながら、何度も後悔して……。
なんて、馬鹿なんだろう。
「……行きなさい、アカリ」
自らの過ちに気付きながらも立ち止まったままの私の背中を、モニカは強引に押すと大広間の扉を開けて外に出した。
「クリスマスはね。
大切な人と過ごすのが、一番幸せなのよ?」
「っ……モニカ。
でも、今日は……モニカと」
散々迷惑をかけた上に、せっかく一緒に楽しもうと誘ってくれた友達を置いて行くなんて……。
そんな事は出来ないと、私は振り返ってモニカを見た。
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