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第8章 (1)たくさんのありがとう
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しおりを挟む「アカリは……。
本当にそれでいいの?」
モニカが、不満そうな口調で言った。
その時。
上手く答えられない私の足元に「みゃ~っ」と、白い猫が擦り寄ってくる。
「……リディア」
私は白猫を抱き上げて、胸に抱き締めた。
バロンが私の召使いの任を離れる時にくれた、白猫。
この別荘に迷い込んで来たリディアを、彼はずっと世話をしていたらしい。
私が寂しくないように。
自分の代わりに、傍に置いてほしいと渡された白猫。
「……。
傍にいたら、触れたくなるもの」
”リディア”がこの白猫の名前だと分かった時、どれだけホッとしたか……。
ヤキモチを妬く資格なんて自分にはないと分かりながら、どれだけモヤモヤしたか。
「……私は。
充分、我が儘を言ってるわ」
私は窓に近付くと、カーテンを少しズラして外を……。
ーーううん。
外で警備をしている、バロンを見つめた。
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