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第7章 (4)父を求めて-後半-
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しおりを挟む「っ……私にとって、貴方はッ……。
ヴァロンより格好良いもんっ!!」
もう迷いなんてない。
とっくに想いは真っ直ぐ、貴方に向かって走り出していた。
今ならハッキリ答える事が出来る、あの時のバロンの問い掛けに。
……伝えたい。
「……バロン。わ、私……ね」
呼吸を整えて、ごくっと唾を飲み込むと、私はゆっくり顔を上げてバロンを見つめた。
……すると。
私の瞳に映ったのは、今までに見た事がない。真っ赤な顔をした、バロン。
「……バ、バロン?
ど、したの?やっぱりまだ具合悪い?」
初めて見る彼の様子に、私の緊張は吹っ飛ぶ。
だって、今目の前にいる彼は、いつもの落ち着いた”男性”ではなく、戸惑った子供のよう。
「っ……ちょ。
ちょっと、待ってッ……」
バロンはそう言って、私をグイッと自分から離すと、考え込むように口元に手を当てた。
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