スノウ

☆リサーナ☆

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番外編④三月side

④-2-2

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「あれから中庭に来ないから心配してた」

「……え?」

「体調でも悪いのか?」

身体があんま丈夫じゃない、って聞いてたし、さっき窓ガラス越しに見た浮かない表情。元気がないように見えたから、オレはそう尋ねただけだった。……けど。

「!っ、へ?……へっ?!ど、どうしたんだよっ??!」

サクラの瞳があっという間に潤んできて、ポロポロと大粒の涙が溢れ落ちて、オレはドキッと言うか正直ギクッとした。

オレが、泣かせたーー……?

以前会った時はあんなに微笑ってくれてたサクラの突然の涙に、オレの胸は痛いくらいに締め付けられる。不意を突かれて、どうしよう、って気持ちでいっぱいになって……。この場から逃げ出したくなったオレは震える脚を一歩後ろに退げようした。
でもそんなオレに、まるで幼い子供が泣きじゃくるようにサクラが言った。

「っ、ごめん……な、さい。う、嬉しく……てっ」

っ、嬉し……い?

信じられない言葉に、オレの脚は心と共に止まる。

「だって、今までっ……。そんな風に、私を想ってくれた人……いなくてッ」

っーー……やべ。何だ?この気持ち……。

痛かった胸が、今度はキュッと包み込まれたような優しい疼きに変わる。
目の前でサクラは泣いているのに、思わずオレは思っちまったんだ。

ああ、綺麗だなーー……。

今まで少女にしか見えなかったのに、サクラが一気に女性に思えた気もした。
だが、それを認めたら普通に接する事が出来ない、って思ったからか、オレは咄嗟に紫季しき紫夕しゆうを思い浮かべて、同じようにサクラに接していた。

「な、泣くな。泣くな!」

そう言いながら頭をポンポンッてして、兄のような、父親のような面して微笑った。そしたら、顔上げたサクラも、涙を拭いながら微笑み返してくれて……オレはホッとしていた。

……
…………それから。
本部に戻って来た時はほぼ毎回と言っていいくらいに、オレはサクラに会いに行った。
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