スノウ

☆リサーナ☆

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番外編②雪side

②-3-1

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【番外編ー雪sideー後編】

「……っ、ん~~!
あ~疲れた!結局呼び出しと子供ガキの稽古で、貴重な療養期間が1日潰れちまったな」

夕方。
医療施設からの帰路を一緒に歩いていると、紫夕しゆうが伸びをしながら言った。
でも、その表情を見れば分かる。ちっとも嫌そうじゃなくて、リハビリ生活だった時よりも"充実した"って顔をしてる。

やっぱり、そういう表情かおのが紫夕しゆうだ、って感じがするーー。

「お疲れ様。
夕飯、何がいい?紫夕しゆうが食べたい物作るよ?」

「へ?……何言ってんだよ、ゆきだって疲れてんだろ?買って帰るか、寮の食堂でいいぜ?」

大好きな横顔を見上げながらオレが尋ねると、少し驚いた顔でこっちを向いた紫夕しゆうが言う。でも、オレは首を横に振った。

「ううん、大丈夫。作りたい」

「でも……」

「いいの、オレが作りたいの。だから、作らせて?」

手を握って笑顔でオレがそう言うと、紫夕しゆうも嬉しそうに微笑って手も強く握り返してくれる。

この笑顔を、もっと見たいーー。

たくさん色んな事を考えてしまう。
けど、離れようとか、離れたいとはちっとも思わない。むしろ、傍に居たいんだ。

オレは、紫夕しゆうと一緒に居たいんだーー。

そんな想いを胸に微笑んで居ると、紫夕しゆうが口を開いて夕飯のリクエストをしてくれる。そしてオレには、そのリクエストが何なのかすぐ分かる。

「うん!なら今夜は~……肉だな!」
「お肉、でしょ?」

オレが同時に言うと、紫夕しゆうは「あはははっ」って笑ってくれた。繋いでる手、少し触れ合っている身体に伝わってくるその振動が、くすぐったくて愛おしい。

好き。
大好きだよ、紫夕しゆう

「なら、今日はハンバーグ作るね」

「お、いいね~!
ゆきが作るハンバーグ、ソースがめちゃくちゃ美味いもんな!あれ、何入れてんだ?」

「秘密~!」

「っ、お前……たまに意地悪だよな。
……けど。ま、いっか!ゆきがずっと作ってくれんだもんなっ!」

「ーー……うんっ!」

作るよ。
紫夕しゆうが飽きるまで、作りたいーー……。

それが、オレに出来る数少ない事。
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