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第8章(3)紫夕side
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しおりを挟むいつの間にか親父の恋、と言うより、雪のお袋さんの恋と言う目線に変わっていて……。彼女を、応援したくなっていた。
そして、二人が喧嘩して一ヶ月後ーー。
【奇跡が起きて、夢のような一日になった。
三月さんが会いに来てくれた。
「あれからずっと考えてた」って。
「自分でも、何でアンタに会いに来たり、プレゼントしてやりたくなったのか分からなかった」って。
そして、言ってくれた。
「アンタの笑顔がずっと見たかった。任務中も、ずっと忘れられなかった。
オレがサクラを好きだ、って言ったら……。これ、受け取ってくれるか?
また、会いに来てもいいか?」……って。
嬉しくて嬉しくてまた泣いちゃったら、また三月さんは慌てて困ってた。
でも、その後。今回は頭を撫でるんじゃなくて、抱き締めてくれた。
驚く私に「あ!ごめん、痛かったか?!」って、すごくすごく、力加減してくてくれてるのが分かって……。そんな三月さんを、ものすごく「可愛い」って、思ったの。
私も、三月さんが大好き。
そう伝えたら、三月さん顔を真っ赤にして、鼻血出しちゃって……。笑っちゃった。
この一ヶ月の寂しさが、嘘みたいになくなる。
三月さんが居るだけで、何もない部屋が明るくなる。
このまま時間が止まってほしい、って思う位楽しくて、幸せ。
ずっと、三月さんと一緒に居たい。】
鼻血ーー……。
せっかくの感動的な展開にも関わらず、見覚えのある状況に思わず俺は苦笑いした。
今まで自分は親父よりもお袋に似てるつもりだったが、どうやら違ったらしい。それに、親父の気持ちにめちゃくちゃ共感出来る。
きっと上目遣いの可愛い表情で「大好き」って言われたのだろう。さすが、雪のお袋さんだ、と思った。
そして、気持ちが通じ合った二人は、将来の事について話し合う事になるのだ。
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