スノウ

☆リサーナ☆

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第7章(4)紫夕side

7-4-6

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並ぶ二人を見て、悔しいがお似合いだ、と感じてしまう自分が居る。だからこそ、焦る。
こう言う時、「行ってらっしゃい」と笑って流して送り出すのが大人な対応だと頭では分かりつつも、やはり俺はゆきの事になるとついついムキになってしまっていた。

……
…………そんなこんなで。
風磨ふうまのおかげもあり、何とか今日のところは茶々ちゃちゃが引き下がってくれたが、本当にこれからだ大変だ。
風磨ふうまも言っていた。
ゆき君、なんか雰囲気変わったな」って。言われて気付いたが、最近髪を切ってやってなかったからか伸びた分、また妙な色気が出ている気もした。
帰ったらマリィに散髪頼むか、と考えながら横顔を見つめていると、ある店の前でゆきが足を止めて座り込んだ。

「……ん?どうした?ゆき

俺も隣に座って、ゆきが見ている商品を一緒に眺める。そこには、シルバーのアクセサリーがたくさん並んでいた。

ゆき、こういうの好きなのか?」

「ううん。母さんが、好きだった。
昔、こういうイヤリング……してた気がする」

そう言ってゆきが手に取って見ていたのは、三日月をモチーフにしたイヤリングだった。想い出に浸っているのか、そのゆきの横顔も瞳も綺麗で、思わず微笑んでしまう。
だから、つい言った。

ゆき、なんか買おうか?」

「え?」

「せっかくだから、お揃いで何か買おうぜ」

「……ぷっ、お揃い、って。何か紫夕しゆう似合わない」

「っ、おま……!人がせっかく柄にもねぇ事言ってやったのにな~っ」

余程ツボに入ったのか、ゆきは身体を震わせて笑いを必死に堪えられていないが堪えていた。
でも、そんな姿にさえ見てて嬉しくなり幸せを感じる俺は、きっと重症どころかもう重体だ。

ったく、コンニャロ~!

こうなったら、もうとことん笑かせてやろうと思って、俺はめちゃくちゃベタに指輪を選んで、笑いを堪えて俯いていたゆきの左手の薬指にはめてやった。ゆきがさっき見ていた三日月シリーズのペアリング。
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