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第7章(4)紫夕side
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しおりを挟む並ぶ二人を見て、悔しいがお似合いだ、と感じてしまう自分が居る。だからこそ、焦る。
こう言う時、「行ってらっしゃい」と笑って流して送り出すのが大人な対応だと頭では分かりつつも、やはり俺は雪の事になるとついついムキになってしまっていた。
……
…………そんなこんなで。
風磨のおかげもあり、何とか今日のところは茶々が引き下がってくれたが、本当にこれからだ大変だ。
風磨も言っていた。
「雪君、なんか雰囲気変わったな」って。言われて気付いたが、最近髪を切ってやってなかったからか伸びた分、また妙な色気が出ている気もした。
帰ったらマリィに散髪頼むか、と考えながら横顔を見つめていると、ある店の前で雪が足を止めて座り込んだ。
「……ん?どうした?雪」
俺も隣に座って、雪が見ている商品を一緒に眺める。そこには、シルバーのアクセサリーがたくさん並んでいた。
「雪、こういうの好きなのか?」
「ううん。母さんが、好きだった。
昔、こういうイヤリング……してた気がする」
そう言って雪が手に取って見ていたのは、三日月をモチーフにしたイヤリングだった。想い出に浸っているのか、その雪の横顔も瞳も綺麗で、思わず微笑んでしまう。
だから、つい言った。
「雪、なんか買おうか?」
「え?」
「せっかくだから、お揃いで何か買おうぜ」
「……ぷっ、お揃い、って。何か紫夕似合わない」
「っ、おま……!人がせっかく柄にもねぇ事言ってやったのにな~っ」
余程ツボに入ったのか、雪は身体を震わせて笑いを必死に堪えられていないが堪えていた。
でも、そんな姿にさえ見てて嬉しくなり幸せを感じる俺は、きっと重症どころかもう重体だ。
ったく、コンニャロ~!
こうなったら、もうとことん笑かせてやろうと思って、俺はめちゃくちゃベタに指輪を選んで、笑いを堪えて俯いていた雪の左手の薬指にはめてやった。雪がさっき見ていた三日月シリーズのペアリング。
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