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第7章(2)雪side
7-2-2
しおりを挟む「同じだよ。
むしろ、俺からしたら雪の方のが立派だ」
「っ、……」
「ちっこい頃にこんなに傷を負わされて、それでも、歯を食いしばって……耐えてきたんだろ?」
優しい言葉が心に沁みて、痛いけど、何だか過去を暖かく包んでくれる気がした。
あんな過去、あっていい筈じゃない。戻りたくもない。……けど。
「この傷跡はお前が頑張って生きてきた証。
俺は、尊敬するし……何より愛おしく思うよ」
紫夕がそう言ってくれるだけで、
あの時、頑張って生きていて良かった、って……。今、心から思えるんだ。
「ありがとうな?生きててくれて」
「っ……」
「俺と出会ってくれて、ありがとう」
「っ、紫夕……!」
その言葉だけで、傷跡の恥ずかしさなんてあっという間に消えていった。
嬉しくて、幸せで、オレはまた泣きながら紫夕に抱きついてしまう。そしたら、背中を優しくポンポンッてしてくれたり、頭を撫でてくれる紫夕。
けど、オレの涙が止まりかけたとほぼ同時に、言った。
「っ……あのさ。
雰囲気壊して、めちゃくちゃわりぃんだけど……そ、そろそろ、抱いてもいいか?」
「!……あ、ッ」
ギュッと抱き締められた瞬間に腹部に当たる紫夕の、大きく固くなったモノ。
オレに、興奮してくれてるんだーー……。
それを実感して、何だかすごく胸が疼いて嬉しくなった。そしたら、無性に、オレはある衝動に駆られた。
我慢に苦しそうにしてる紫夕の唇に口付けて、オレはそっとズボン上からそれに触って言った。
「オレが……口で、してもいい?」
「っ、……へ?」
「……したい。紫夕に、してあげたい」
「っ……雪」
無理矢理させられた、昔とは違う。
今なら以前に紫夕が言ってくれた「雪だから、好きだからエッチな事がしたい」って気持ちが分かるんだ。
オレも好きな人だから、紫夕にだから、したい。紫夕がオレに触れてくれたみたいに、したいと思った。
紫夕は少し困った表情をして黙ってたけど、触れているモノがオレの手の中で動いて、「もっと触れてほしい」と言っているように感じた。
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