スノウ

第２章（２）雪side

2-2-5

「っ、ふ……はぁ、っ……はぁ、ッ！」

息が、上手く吸えない。
吸おうとすればする程、吸えなくて……。頭の中が、真っ白に……なって、いく。

し、ゆう……っ。
紫夕しゆう、っ……助け、…………ッ。

途切れそうな意識の中で、オレの頭の中に浮かんだのは……。母さんじゃなくて、紫夕しゆうの笑顔だった。

……
ーー…………ドガッ！！！

何かが、壁に叩き付けられる音がした。
そしたら、オレに触れていた者の気配が消えてて……声が、聞こえる。

「ッ、この変体野郎がッ！！
雪ゆきに触るんじゃねぇーーーッ！！！！！」

ボヤける横目に見えたのは、オレが1番会いたかった人だった。