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第2章(1)雪side
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***
訓練施設に着いて、紫夕が居そうな場所に向かう。
紫夕の行動パターン。仕事が終わって、夕方会議に行く時はその前に自販機で珈琲を飲むから……。そう、休憩所で一腹するのが好きだ。
「休憩は休憩!」って、一服を邪魔されるのが嫌いでよく通信機を切ってるから、多分そう。
そう思って、休憩所に向かって足を進めると、ちょうど開いた扉から紫夕の横姿が見えた。
良かった、見つかった。
「……紫夕」
「ーーあ~っ!今日は楽しかった!
久々に、紫夕さんと二人っきりだったし~!」
オレの声は小さくて、別の声にかき消された。
それは高い、大きな声。
この声は、杏華だ。
そう言えば、今日は杏華と仕事だった。
……でも、何か変。
杏華は、紫夕をいつも「隊長」って呼ぶのに……。
オレがそう思い出した瞬間だった。
「ねっ?今夜は私の部屋に来ない?
久々に、朝まで一緒にいたいなぁ~」
……
…………その言葉の直後。
自販機の影から紫夕の正面に現れた杏華が……。紫夕の首に両手を回して、キスした。
……、……一瞬、分からなくなった。
でも、その後に思い出した。
紫夕のベッドの下にある女の人が裸で写ってる本は、胸が大きい女の人ばっかり。その女の人と杏華はすごく似てる。
そして、杏華の言葉が木霊した。
「ねっ?今夜は私の部屋に来ない?
久々に、朝まで一緒にいたいなぁ~」
……そっか。
紫夕、杏華とエッチな事するんだ。
紫夕は、杏華が好き、なんだ。
紫夕の大切は、杏華なんだーー。
オレは、心の中で呟いた。
そしたら急に、寒くなった気がして帰りたかったけど……。伝言を言わなきゃと思って、オレは歩み寄った。
「っ……あのな、杏華!話がーー……。……ッ、雪っ?」
杏華の両肩を掴んで離した紫夕が、オレに気付いて驚いていた。
訓練施設に着いて、紫夕が居そうな場所に向かう。
紫夕の行動パターン。仕事が終わって、夕方会議に行く時はその前に自販機で珈琲を飲むから……。そう、休憩所で一腹するのが好きだ。
「休憩は休憩!」って、一服を邪魔されるのが嫌いでよく通信機を切ってるから、多分そう。
そう思って、休憩所に向かって足を進めると、ちょうど開いた扉から紫夕の横姿が見えた。
良かった、見つかった。
「……紫夕」
「ーーあ~っ!今日は楽しかった!
久々に、紫夕さんと二人っきりだったし~!」
オレの声は小さくて、別の声にかき消された。
それは高い、大きな声。
この声は、杏華だ。
そう言えば、今日は杏華と仕事だった。
……でも、何か変。
杏華は、紫夕をいつも「隊長」って呼ぶのに……。
オレがそう思い出した瞬間だった。
「ねっ?今夜は私の部屋に来ない?
久々に、朝まで一緒にいたいなぁ~」
……
…………その言葉の直後。
自販機の影から紫夕の正面に現れた杏華が……。紫夕の首に両手を回して、キスした。
……、……一瞬、分からなくなった。
でも、その後に思い出した。
紫夕のベッドの下にある女の人が裸で写ってる本は、胸が大きい女の人ばっかり。その女の人と杏華はすごく似てる。
そして、杏華の言葉が木霊した。
「ねっ?今夜は私の部屋に来ない?
久々に、朝まで一緒にいたいなぁ~」
……そっか。
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紫夕の大切は、杏華なんだーー。
オレは、心の中で呟いた。
そしたら急に、寒くなった気がして帰りたかったけど……。伝言を言わなきゃと思って、オレは歩み寄った。
「っ……あのな、杏華!話がーー……。……ッ、雪っ?」
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