スノウ

第１章（１）紫夕side

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「まあ、口で説明するより見た方が早い。
おい、現場の様子をモニターに映せ」

橘たちばなが命令すると、助手達は「はい！」と返事をして目の前に広がっているパネルを操作する。
すると、研究室の巨大なモニターに訓練施設の映像が映った。

そこに映し出されたのは……。
人間離れした身のこなしで、訓練用に捕獲された魔物を何の躊躇もなく魔器マギで斬り裂く、雪ゆきの姿だった。

「おおっ……！！素晴らしいッ！！
それに、何て美しいんだ！彼は守護神ガーディアンの……いや、この世界の希望だよっ！！」

普段から気にくわねぇ橘たちばなの言葉にすら、俺はもう反応出来なかった。
ただただ、魔器マギを振り回して殺戮さつりくする雪ゆきから、目が離せなかった。


それ、は、半分哀しみ。
自分が望んではいなかった方向へ進んでいく姿に、涙が出そうな位……哀しかった。

そして、後の半分は……。

……
…………。