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第4章(3)ライside
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しおりを挟む将来の夢は、夢の配達人を補佐する調査員になる事!
それ以外になりたい職業なんてある?
って、問いただしたくなる位、僕と姉さんにはこの職業しかなかった。
幼い頃に両親が話してくれた、伝説の夢の配達人と呼ばれたお祖父ちゃんの話。
引き受けた仕事を何でも熟して、たくさんの人の夢を叶えたって武勇伝は、どんな戦隊もののテレビやアニメ、大冒険をする絵本よりも胸を弾ませてくれて、祖父ちゃんは僕等にとってヒーローで憧れだった。
残念ながら僕等が産まれた時には引退していたからその活躍を生で見る事は出来なかったけど、祖父ちゃんの現役時代を傍で支えた父さんの話を聞きながら、その光景を想像しているだけで楽しかったなぁ~。
だからツバサは、僕と姉さんにとって夢だった。
同じ歳の叔父さん、って僕等の家族は少し複雑なものかも知れなかったけど、産まれた時からほぼずっと一緒に育ったから、どちらかと言うと姉弟みたいな関係。
一緒に遊んで、勉強して、時には喧嘩もしたけど僕等はとても仲が良かった。
『おおきくなったら、ゆめのはいたつにんになる~!』
いつだったか、僕等の両親とツバサのお母さんのアカリさんがまた祖父ちゃんの武勇伝を話している最中にツバサが言った。
祖父ちゃんにそっくりなツバサが夢の配達人になるって言ってくれた事、どれだけ嬉しかったかきっと本人は知らないだろうな。
夢の配達人になったツバサを、調査員になった僕と姉さんが補佐するーー。
その夢が叶う、って昔は信じて疑わなかったし、ツバサは必ず白金バッジになると思ってた。
自惚れとかひいき目じゃなくて、彼の日々の頑張りや努力を知っていたからだ。
元々の素質や才能もあると思うけど、ツバサは勉強も運動も人一倍頑張っていたし、元夢の配達人だったシオンさんや今も現役白金バッジのミライさんを師匠に、毎日毎日厳しい訓練を熟していた。
13歳で夢の配達人としてデビューして、あっという間に銀バッジ、そして金バッジ……。16歳になる前に、金バッジでトップになって最年少で白金バッジに王手をかけたツバサ。
月日にしたらあっという間だったけど、勿論そこに行くまでの道のりも簡単ではなく、たくさん悩んだり、危険な目に遭ったり、怪我をして苦しい想いを重ねて辿り着いた。
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