112 / 144
第6章(3)ツバサside
3-3
しおりを挟む「こちらの準備は整いました。
瞬空、ミライ。そちらの準備はいかがですか?」
その問い掛けに、ミライさん片手を上げて「問題ありません」と答えた。
しかし、一方の瞬空さんは、戦場を囲む壁ギリギリまで歩んで来て最高責任者に近付くと、頭を下げながら言った。
「一つ、最高責任者にお願いがございます」
その言葉に、みんなが瞬空さんに注目した。
最高責任者が「何ですか?」と問い掛けると、瞬空さんがゆっくりと口を開く。
「この勝負、私がミライ殿に勝ったら……。最高責任者に大事なお話がございます。
聞いて、頂けますでしょうか?」
大事な話ーー。
俺には、その大事な話、の深い意味は分からなかった。
けど、瞬空さんがそう言った瞬間、ミライさんがチラッと視線を流して微かに笑った。そして、その視線の先に居たのはノゾミさん。
そのノゾミさんも、今まで見た事がない、驚いたような表情を浮かべていた。
何も知らない俺には、それが何を意味しているのか分からずにいた。
だから、気付けなかった。
大事な親友が、複雑な心境を抱えている事にも……、……。
「……分かりました。いいでしょう」
「ありがとうございます」
最高責任者の言葉を聞いた瞬空さんはお礼を述べるともう一礼して、再び戦場の中央へと戻って行った。
強い想いを、感じるーー。
前回、俺と手を合わせてくれた際よりも、遥かに強い想いで瞬空さんが今回の下剋上に挑んでいる事が分かって……ほんの少し、悔しくなった。
俺では、瞬空さんをここまで本気にさせる事が出来なかった。
それは、俺がまだ瞬空さんやミライさんには遠く及ばないと言う証だから……。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
姉らぶるっ!!
藍染惣右介兵衛
青春
俺には二人の容姿端麗な姉がいる。
自慢そうに聞こえただろうか?
それは少しばかり誤解だ。
この二人の姉、どちらも重大な欠陥があるのだ……
次女の青山花穂は高校二年で生徒会長。
外見上はすべて完璧に見える花穂姉ちゃん……
「花穂姉ちゃん! 下着でウロウロするのやめろよなっ!」
「んじゃ、裸ならいいってことねっ!」
▼物語概要
【恋愛感情欠落、解離性健忘というトラウマを抱えながら、姉やヒロインに囲まれて成長していく話です】
47万字以上の大長編になります。(2020年11月現在)
【※不健全ラブコメの注意事項】
この作品は通常のラブコメより下品下劣この上なく、ドン引き、ドシモ、変態、マニアック、陰謀と陰毛渦巻くご都合主義のオンパレードです。
それをウリにして、ギャグなどをミックスした作品です。一話(1部分)1800~3000字と短く、四コマ漫画感覚で手軽に読めます。
全編47万字前後となります。読みごたえも初期より増し、ガッツリ読みたい方にもお勧めです。
また、執筆・原作・草案者が男性と女性両方なので、主人公が男にもかかわらず、男性目線からややずれている部分があります。
【元々、小説家になろうで連載していたものを大幅改訂して連載します】
【なろう版から一部、ストーリー展開と主要キャラの名前が変更になりました】
【2017年4月、本幕が完結しました】
序幕・本幕であらかたの謎が解け、メインヒロインが確定します。
【2018年1月、真幕を開始しました】
ここから読み始めると盛大なネタバレになります(汗)
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる