33 / 138
第2章(3)ランside
3-2
しおりを挟むけど、特に事前に何にするか決めていなかった私は宛もなくショッピングモール内を彷徨っていた。
誰に当たっても良くて、出来ればみんなが喜んでくれるものーー……。
そう思った時。私はふと、自分が身に着けていた"ある物"に目を止めた。そして、ピンッときた。
!……これだ!これしかない!!
すると、これまで悩んでいたのが嘘のように私の心は決まった。
案内板でお店の場所を確認すると、私はそのプレゼントがある所へ向かって走り出した。
……
…………。
そして、暫くして……。
「ありがとうございました~!」と頭を下げる店員さんに見送られて店を出ると、私はリュックサックにプレゼントをしまい、ポケ電をすぐに確認する。
あちゃ~。
やっぱり、そうだよね……。
予感的中で苦笑い。
メール3件、着信5回。全てライからだ。
プレゼントを買うまでに少々時間がかかり、別行動をしてから間もなく2時間が経過。ライはすでにプレゼントを買い終えて待っているのだろう。
すっかり待たせちゃったなぁ。
えっと……。『お待たせ~、今私も買い終わったよ!何処にいる~?』
ついついポケ電を確認せず放置して、プレゼントの事に集中してしまっていた。
申し訳ない気持ちでライにメールを打ち、とりあえず返事が来たらすぐに移動出来るように階段の方へ移動する。
我ながら、良いプレゼントが用意出来たなぁ~。
予定よりも予算も選ぶ時間もかかったが、大満足のプレゼントが用意出来て、私の心はホクホクだった。
明日が楽しみで、きっと今年の中で1番楽しい日になる筈だった。
……けど。
この時、すでに私達の絆を壊そうとする魔の手が忍び寄って来ていた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
お父さん!義父を介護しに行ったら押し倒されてしまったけど・・・
マッキーの世界
大衆娯楽
今年で64歳になる義父が体調を崩したので、実家へ介護に行くことになりました。
「お父さん、大丈夫ですか?」
「自分ではちょっと起きれそうにないんだ」
「じゃあ私が
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
義妹と一緒になり邪魔者扱いしてきた婚約者は…私の家出により、罰を受ける事になりました。
coco
恋愛
可愛い義妹と一緒になり、私を邪魔者扱いする婚約者。
耐えきれなくなった私は、ついに家出を決意するが…?
お父様の相手をしなさいよ・・・亡き夫の姉の指示を受け入れる私が学ぶしきたりとは・・・
マッキーの世界
大衆娯楽
「あなた、この家にいたいなら、お父様の相手をしてみなさいよ」
義姉にそう言われてしまい、困っている。
「義父と寝るだなんて、そんなことは
辺境にいる婚約者が浮気をしているという噂を聞きました。それならば確かめに行くまでです!
四折 柊
恋愛
公爵令嬢ディアンヌの婚約者はジラール辺境伯子息ケヴィンだ。もうすぐ結婚するはずだったが隣国の挙兵で結婚を延期にすることになってしまった。戦争も終わり近々彼が王都に来るはずだったのに来ない。連絡も途絶えた挙句に、彼が子爵令嬢と恋仲になっているという浮気疑惑が耳に入る。信じている、信じているけど……会いに行って確かめることにした。そして辺境伯邸で目にしたのはケヴィンが自分とは真逆の可憐な子爵令嬢を抱き上げている所だった。「ケヴィンの馬鹿ーー!!」ショックを受けたディアンヌはその場から逃げ出した。気が強そうで本当は弱い女の子のお話。全3話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる