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第17章 (4)シュウside
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しおりを挟む「そうですよね?シュウ様!!」
出会った時に震えて泣いていた双子の姉弟が、こんなにも強くなって、輝く笑顔で私を見つめていた。
その姿はまさしく、ヴァロンの美しい心が救った輝き。
そんな彼がもし本当に殺人を犯しているとしたら、それは……。そうしなければいけない、深い理由があったのだろう。
「ええ、そうですね」
振り返っている二人に笑顔で頷き返しながら、次期マスターとしての目線でヴァロンの事を一瞬でも考えてしまった自分を恥じる。
正式にマスターになったら、私がヴァロンに関われる事はほとんどなくなるだろう。
全ての配達人を平等にみて、個人的な感情は封じなくてはならなくなる。
……でも、それまでは。
その日が来るまでは、ヴァロンを1番に想っていたい。
「ご忠告は、有り難く受け取っておきます。
……しかし、貴方様との契約はすでに終了。ヴァロンは約束を果たしたのですから、今後一切彼やアカリさんの生活に関与しない事。アルバート様との友好関係の存続を守って頂きます」
先程とは変わって冷めた表情のアラン様に向かってそう告げると、私は深々と頭を下げた。
正直、アラン様が何故ヴァロンを目の敵にするのか……。私には分からなかった。
でも、ただの妬みや強請りではない気がする。
「シュウ様、帰りましょう」
「……ええ」
そんな違和感を感じながらも、これ以上の長居は無用と思い、私は頭を上げると部屋の扉を開けて待っているレナ達の元へ足を進めた。
隠れ家に戻り、早急にこの件について調べようと私の頭の中はその事でいっぱいで……。
……。
でも、その時……。
私の耳に確かに聞こえた。
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