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第17章 (2)ヴァロンside
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しおりを挟む「!っ……きゃあッ」
「!っ……ちょ!ヴァロンッ?!
君、何やってるんですかッ……!!」
その様子にシュウは慌てて駆け寄ってくると、俺の肩をバシンッと叩いて説教を始める。
「嬉しいのは分かりますが、相手は年頃の女の子なんですよっ?
もう少し違う扱いがあるでしょう!!」
「あ?……何で?」
怒られる意味が分からなくて、俺は顔だけシュウに向けて首を傾げる。
ユイは俺の娘。
俺にとっては、ヒナタと一緒だった。
何がいけないんだと言う様な表情の俺に、シュウは溜め息を吐いて囁く。
「……ユイちゃんが困ってますよ」
困ってる。
そう言われて、ユイに視線を戻した瞬間……。
その表情を見て鈍い俺もさすがに悟る。
「っ~~……」
俺に高い高いされたユイは、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして瞳を潤ませていた。
……。
咄嗟とはいえ、とんでもない事をやってしまった。
ユイは俺の娘だけど……。
彼女にとって俺は産まれてこの方、父親という存在ではなかったのだ。
今日で顔を合わせるのはまだ二度目。
他人と言われても、おかしくない存在だろう。
……。
つまり……。
今の俺はいきなり女の子に触れた、ただの変態も同然。
「っ……わ、わりぃ!」
ハッと我に帰ると、俺は慌ててユイを下に降ろして深く頭を下げた。
会いに来てくれたのに……。
せっかく会いに来てくれたのに、こんな一瞬で嫌われてしまったのではないかと不安になる。
「ご、ごめんっ……な?
そ、その……つい、嬉しくて……」
娘に”パパ嫌い”って言われて傷付く父親という生き物の気持ちを、初めて身近に感じた。
”キモい”とか言われたら、絶対に立ち直れない。
タラタラと汗をかきながら、下げた頭をなかなか上げられずにいると……。くすくすと可愛らしい笑い声が俺の耳に届き、服の袖をくいくいっと引かれた。
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