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第16章 (2)アカリside
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しおりを挟む「あの人達……。あ、俺の両親さ。
多分、愛し合ってたんだよね」
私の質問に応え様と、ヴァロンは少ない記憶を思い返すようにしながら教えてくれた。
「父さんが来る時は、微笑ってたんだ……母さん。俺がどんなに頑張っても、あんな顔してくれないのに……。悔し、かった……」
そう言葉を紡ぐヴァロンの表情は、儚げで、切なくて……。でも、綺麗で……。
きっと子供の時、ずっと両親の事をそんな風に見つめていたんだと……思った。
「……ま、仕方ないよな。
愛し合ってたのに二人が結ばれなかったのは、きっと俺のせいだから……」
「っ……」
「俺がこの容姿じゃなかったら……。
二人に似てたら、もしかしたらずっと一緒に居られた……そんな未来があったのかもね」
「っ……ヴァロンは、ッ……このままでいいんだよっ!」
せっかく私の為にヴァロンは話してくれているのに……。私は耐え切れなくなって叫んだ。
「ヴァロンは、そのままでいいの……ッ。
見た目も、中身もッ……今のままでいいっ!」
上手く伝えられているか分からない。
私にはヴァロンの様に素敵な魔法の言葉は言えないけど、精一杯の気持ちを伝えたかった。
……けれど。
大事な時に、突然私が叫んでビックリしたヒナタが「ふぇ~ん!」と、大きな声で泣き出してしまった。
「!……あ、っ……ご、ごめんね。
ヒナタ……ッ、泣かないで……っ」
必死にあやそうと抱きながら揺らしたり、背中をポンポンッと叩いて慰めるが、なかなか泣き止んでくれない。
その内に、なんだか私まで涙が溢れてきてしまって……。色んな意味で情けなくて俯いた。
私の気持ちに応えてヴァロンは話してくれてるのに、辛くて苦しかったのは彼の方なのに……。
何で私が泣いてるんだろう。
ヒナタを抱き締めて涙を流す私。
何とか涙を止め様と片手で拭っていると、泣いている私達をフワッと大きな腕が包む様に抱き締めてくれた。
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