夢の言葉と陽だまりの天使(下)【続編③】

☆リサーナ☆

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第15章 (1)ヴァロンside

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「依頼内容を達成、契約期間は本日で終了です。
……迎えに来ましたよ、ヴァロン」

「っ……シュ、ウ」

まさかと思いつつも、優しい声と、横目で親友の姿を確認したら……。
スッと、動揺していたザワつきが消えていく。


「ヴァロン様を放して下さい」

「いくら依頼人でも、配達人の扱いには限度があります。
ボク達調査員はそれを見守り、時には罰する事も出来るんですよ?」

冷静になって気付いたら、レナとレイが俺の胸倉を掴んでいるアランの両脇に立って、奴に向かって拳銃を突き付けていた。


「……どうやって侵入した」

「侵入なんて人聞きが悪いですね。
”依頼人の夢を叶えたら、配達人を回収に上がる場合がある”と契約書に記載されています。
それに、ちゃんと正面から入ってきましたから何も破損はしていません」

アランの問い掛けに、シュウが本気で笑っていない笑みを浮かべて答えると……。
奴はゆっくり俺の胸倉を放した。


「……さて、ここから先は私の仕事です。
ヴァロン、君はもう行きなさい。
待っている人が、いるでしょう?」

解放された俺を見て、シュウが言う。


「そうですよ!ヴァロン様!」

「これ、この辺りで一番近い港から出てる船のチケットです。早く行って下さい!」

レナとレイも船のチケットを渡しながら、呆然としている俺の背中を押す様に微笑んでくれた。
懐かしい雰囲気に、暖かい鼓動が帰ってくる。


……そうだ。
俺には、待っててくれてる人がいる。
その為に、今日まで真っ直ぐ走ってきたんだ。

愛おしい家族を思い浮かべて表情を緩ませる俺を、シュウがフワッと抱き締めて背中をポンポンッと叩く。


「よく頑張りましたね、ヴァロン。
任務、本当にお疲れ様でした」

いつもと変わらないその言葉に、強張っていた身体の力が抜けて、目が覚めたようにスッキリした。
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