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第14章 (2)シュウside

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でも、一体何の為にそこまでヴァロンの事を……。

ついつい色々と気になる事があり難しい表情をしていると「みゃ~っ」と鳴き声が聞こえ、机の上に白猫が跳び乗ってきた。


「!……リディア」

ヴァロンとアカリさんが港街の自宅を留守にする間、我が家で預かっている白猫。
私を見上げるその水色の瞳は、本当に名前の由来となっている人物のリディアと重なって見える。


「……大丈夫。
ヴァロンは私が守りますよ」

そっと頭を撫でてやると、猫リディアは私の手にスリスリと顔をすり寄せてきた。


”シュウ、ヴァロンをよろしくね!
絶対にあの子を、見捨てないでやって?”

ヴァロンとリディアが対立した時……。
それを心配しながらも、何も出来なかった私に彼女が言った最後の言葉。
私とリディアの、約束。

何があっても守る。


……
…………。

二ヶ月後。
予想通りヴァロンが依頼を達成したと、私の元に調査員の連絡が届く。

しかし……。
嬉しい筈の報せに、何処か不安を感じた私は……。気が付いたらアラン様の屋敷へと向かっていた。

……。

思い過ごしであればいいと、思っていた。

けど、悪い予感は当たる。
ヴァロンとアラン様の戦いは、この時まだ始まったばかりで……。
本当の戦いは、むしろこれからだった。

ヴァロンにとってアラン様と出会ってしまった事は、避けられない宿命だったのかも知れない。


逃れられない運命ならば、立ち向かうしか道がないのなら……。
”幸せだ”と微笑む君がもういなくなってしまわないように、私は守りたい。
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