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第13章 (2)ヴァロン(マオ)side
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しおりを挟む「素直にキサラギの実力を認めていれば、契約の話を考えてやったものを……。
私と同じ視線で分かり合えると思っていたのに、残念だ」
「待って下さい」
その場を去ろうとしたロイス様の手を掴み、俺は引き止めるとゆっくり視線を合わせた。
「……レースは。勝負は終わってません」
俺は、この勝負に負ける訳にはいかない。
半端な気持ちで挑んでいる訳じゃない。
「最後まで、一緒に観てもらえませんか?」
約束を果たす為に。
依頼を完了させる為の、大事な勝負。
この勝負に負ける事は、俺の人生の全てに繋がる。
「……仕方ない。
約束は約束だ。レースは最後まで観よう」
俺が深く頭を下げると、ロイス様はそう言ってもう一度席に着いてくれた。
運命の、レースが始まる。
……
…………。
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