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第12章 (3)モニカside
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しおりを挟む耳を疑った。
せっかくアカリに会えるのに、一緒に過ごす事が出来るのに……。
ヴァロンはそれを断った。
中で、アルバート様もなんとかヴァロンを説得しようと声を上げている。
でも、ヴァロンの返答は……。
「休暇を頂けるのでしたら、他にやる事があります。
仕事を1日でも早く終わらせる。
今、私にはその事しか頭にありませんから」
冷静な口調で、ハッキリと、そう言った。
……。
なんで?っ……なんでよ?
ヴァロンは、アカリに……会いたくないの?
そんな想いが込み上げて……。
なんだか、悔しいような悲しい気持ちになる。
さすがにヴァロンに文句を言ってやりたくて、私が部屋に乗り込もうとドアノブに手を伸ばしかけると……。
その手をパシッとアカリに掴まれた。
「!っ……。アカリ?」
ハッとしてアカリを見ると、彼女は俯いたまま私の手を引いて足早に歩き出す。
「アカリ?
っ……ねぇ、アカリ?」
「……」
私の呼び掛けに返事もせず、アカリは黙ったままで歩みを止めない。
私はアルバート様の部屋を気にして後ろを振り返りながらも、アカリの手を振り払う事も出来なくて……。
階段を上がり、自分の部屋に戻る廊下を歩く彼女と一緒に歩いていた。
……
…………。
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