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第11章 (4)スズカside

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【その夜/アランの部屋】

「お、お呼びでしょうか?アラン様」

食事が終わり、これからマオ様との時間だと胸を弾ませた時だった。
使用人長からアラン様がお呼びだと伝えられ、私は緊張に包まれながら部屋を訪れた。
アラン様と二人の空間に、息が詰まりそうになる。

椅子に座ってワインの入ったグラスを片手に、アラン様は横目でチラリと私を見つめて口を開いた。


「……マオがここに来て半年。
まだ、お前は奴に抱かれていない様だな……」

「っ……」

突然のアラン様のお言葉に、私は動揺を隠し切れず真っ赤になった。
するとその反応を見たアラン様はワインを飲み干し、グラスを机に置くと椅子から立ち上がり私に歩み寄ってくる。


「……私は、しっかり”持て成せ”と命じた筈だ」

「!ッ……」

側に来たアラン様は、ガッと私の顎を持ち冷たい瞳で顔を近付けて間近で見つめてきた。
身体が、ガタガタ震える。


「……フッ。
やはり処女に、マオの相手は難しかったか」

そう言われたかと思うと、恐怖で力の入らない私をアラン様はあっという間に机の上に組み敷いた。
その衝撃でグラスが床に落ち、ガシャン!と音を立てて割れる。


「!っ……ア、アラン……さまっ?」

「仕方ない。
私が手解きをしてやる……」

ニヤリと上がる口角。
それなのに笑っていない冷たい視線で見降ろされて、ゾクッと背筋が凍る。


っ……い、いやッ。

何とか振り解こうとする私を、アラン様は簡単に片手で押さえ付けて……。
もう片手を私のスカートの中に忍ばせ、太ももをなぞっていく。
震え上がる身体。


「!っ……ゃ、やめっ……」

「私に逆らえばどうなるか……。
分かってるのか?小娘」

「!ッ……っ」

威圧感のこもった声で耳元に囁かれた瞬間、家族の姿が頭に浮かんで私はギュッと目を閉じた。
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