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第3章 (1)アカリside
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しおりを挟む「っ……えと。と、年上で……。
わ、私が困ってた時。た、助けて……くれて」
私は差し障りがないように、自分なりに言葉を選んで話す。
みんなは「うん!うん!」と興味津々。
「……すごく、優しくて。
か、格好良くて……。でも、可愛いところも……あって」
初めは照れてしまったけど……。
ヴァロンの事を話し出すと、私の頭の中には彼の姿が思い浮かんだ。
「彼の言葉は、魔法みたいで……。一瞬で、私を幸せな気持ちにしてくれて……」
思い出すだけで、私の胸はときめく。
いつの間にか私は笑顔になって彼の事を話していた。
「傍にいるだけで、いつもドキドキさせてくれる……。
王子様みたいに、素敵な人なんですっ」
そう私が言うと、みんなは再びキャーッ!っと歓声を上げる。
「え~っ!そんな素敵な人なんですか?」
「今度連れて来て下さいよ~!」
みんな声を揃えて「見たい!見たい!」と私にせがむ。
私はつい夢中になって話してしまったと、ハッと気付いて赤面。
「っ……あ、あのっ。
私っ……用事があるので、この辺で!
お、お疲れ様でしたぁ~っ!」
ペコッと頭を下げると「えーっ!!」と言うみんなを振り切り、私はその場から逃げ出す様に駆け出した。
ひゃあ~っ!!
つい、しゃべり過ぎちゃったよ~っ。
は、恥ずかしいっ……~~!!
真っ赤な顔を押さえながら控え室の扉を出ると……。
ドンッ……!!
と、人にぶつかり私は自分の鞄の中身をぶちまけてしまった。
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