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第1章 追放、そして始まり
第4話 Dスキル使ってみます
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「く…」
「うおぉぉぉ! 何が起きるんだ!?」
「すごーい! あかるーい!!」
「うっ…眩しいわ…」
あまりの光に目を強く瞑る。
数秒目を閉じ、光が収まって来たのを見計らい目を開ける。
「「「「…」」」」
そこには何も変わっていない洞窟だった。
「何も変わっていないんだが…?」
そう呟いた瞬間、またボードが現れる。
【ダンジョン主、アノムの半径2メートル以内がダンジョンと化しました】
「はぁ?」
少し怒気混じりに疑問の声を上げる。
俺の周りがダンジョン? 何を言ってるんだ? 意味が分からない。
「どうしたんだ?」
ガギルが恐る恐る背後から声をかけてくる。
「あ、あぁ。悪い。ボードに俺の周りがダンジョンになったって書いてあって…」
「アノムの周りが?」
ガギルは顎に手をやり、少し考える。
エンペルとルイエは、ガギルの顔を覗き込む。
「アノム、少し動いてくれないか?」
「ん? あぁ」
俺はガギルの言う通り、洞窟の中、洞窟の外と動き回った。
これで何かが分かるのか気になったが、こういう考える事、研究系は俺達の中ではガギルが専門だ。
俺は何分かガギルの言う通りに動いた。
そして動き回った結果。
「これは、アノム自体がダンジョンになったのではないか?」
「……はぁ?」
「今動き回った時、ついて回ったが、アノムの周りの地面が普通の地面よりも温かく感じたんだ」
「ま、まさか…」
「あぁ。このダンジョンはダンジョン主、アノムに付いて移動するダンジョンだって事だ」
ガギルは淡々とそう告げた。
あまりの出来事に静寂になっている中、ルイエが唐突に言う。
「でも、今のままじゃただの床暖房ね」
まぁ、間違いではないが…節操ないな。
「ルイエ、これは凄い大発見なんだぞ。まずこのDスキルという物がダンジョンにある事事態が凄い。それに加えて移動するダンジョンと来たら
「アノムの近くに居ればいつでも快適で良いわ」
「でもー、折角ダンジョンになったんだから他の事もしてみようよー」
ガギルの話を聞かず、2人の女子の話が盛り上がりを見せる。
エンペルの意見に少し魅力を感じるけど…。
「…今はまだ魔王城や人里から近過ぎる。後はまた今度やろう」
「まずは安全が先か」
「うーん、それもそうかー」
「床暖房が動くなら私も行くしかないわね」
そんな理由でついて来るのはやめて欲しいのだが…ダンジョンが俺に付いてまわる事で、今のところ何か不利益がある訳じゃない。
増してや床暖房代わりになるのは、火をわざわざ付けなくても良くなる。
このメリットがあるだけでも儲け物と言った所だろうか。
だが…。
「命大事に、人間を襲わない。それが俺達、パーティーのルールなんだ。なるべく遠くへ行く事は最優先事項だから、移動する。そこを忘れんなよー」
俺はそう言って、皆んなと洞窟から離れた。
今はまだ小さな火種。
それが世界に影響を与える火になるのは、いつの日になるのか…。
それは、世界が彼等に与える試練次第。
「うおぉぉぉ! 何が起きるんだ!?」
「すごーい! あかるーい!!」
「うっ…眩しいわ…」
あまりの光に目を強く瞑る。
数秒目を閉じ、光が収まって来たのを見計らい目を開ける。
「「「「…」」」」
そこには何も変わっていない洞窟だった。
「何も変わっていないんだが…?」
そう呟いた瞬間、またボードが現れる。
【ダンジョン主、アノムの半径2メートル以内がダンジョンと化しました】
「はぁ?」
少し怒気混じりに疑問の声を上げる。
俺の周りがダンジョン? 何を言ってるんだ? 意味が分からない。
「どうしたんだ?」
ガギルが恐る恐る背後から声をかけてくる。
「あ、あぁ。悪い。ボードに俺の周りがダンジョンになったって書いてあって…」
「アノムの周りが?」
ガギルは顎に手をやり、少し考える。
エンペルとルイエは、ガギルの顔を覗き込む。
「アノム、少し動いてくれないか?」
「ん? あぁ」
俺はガギルの言う通り、洞窟の中、洞窟の外と動き回った。
これで何かが分かるのか気になったが、こういう考える事、研究系は俺達の中ではガギルが専門だ。
俺は何分かガギルの言う通りに動いた。
そして動き回った結果。
「これは、アノム自体がダンジョンになったのではないか?」
「……はぁ?」
「今動き回った時、ついて回ったが、アノムの周りの地面が普通の地面よりも温かく感じたんだ」
「ま、まさか…」
「あぁ。このダンジョンはダンジョン主、アノムに付いて移動するダンジョンだって事だ」
ガギルは淡々とそう告げた。
あまりの出来事に静寂になっている中、ルイエが唐突に言う。
「でも、今のままじゃただの床暖房ね」
まぁ、間違いではないが…節操ないな。
「ルイエ、これは凄い大発見なんだぞ。まずこのDスキルという物がダンジョンにある事事態が凄い。それに加えて移動するダンジョンと来たら
「アノムの近くに居ればいつでも快適で良いわ」
「でもー、折角ダンジョンになったんだから他の事もしてみようよー」
ガギルの話を聞かず、2人の女子の話が盛り上がりを見せる。
エンペルの意見に少し魅力を感じるけど…。
「…今はまだ魔王城や人里から近過ぎる。後はまた今度やろう」
「まずは安全が先か」
「うーん、それもそうかー」
「床暖房が動くなら私も行くしかないわね」
そんな理由でついて来るのはやめて欲しいのだが…ダンジョンが俺に付いてまわる事で、今のところ何か不利益がある訳じゃない。
増してや床暖房代わりになるのは、火をわざわざ付けなくても良くなる。
このメリットがあるだけでも儲け物と言った所だろうか。
だが…。
「命大事に、人間を襲わない。それが俺達、パーティーのルールなんだ。なるべく遠くへ行く事は最優先事項だから、移動する。そこを忘れんなよー」
俺はそう言って、皆んなと洞窟から離れた。
今はまだ小さな火種。
それが世界に影響を与える火になるのは、いつの日になるのか…。
それは、世界が彼等に与える試練次第。
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