赤頭巾ちゃん

mare

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7 おばあちゃんの隠し部屋2

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私はここで死ぬのかな……?
ぼんやりそんなことを考えた。
首を絞められ苦しいが、夢心地のせいか遠い世界のようでそんなに恐怖はない。

最後にオオカミさんに会いたかったな。
優しい笑顔を思い出す。


「それ以上は、死んでしまいます。」
不意に聞き覚えのある声が聞こえる。

そう言われハッとなり男は、掴んでいた手を離す。

「グッ!ゲホッ!ゲホッ!!!」

止まっていた空気が一気に入り込んだせいでむせ込む。

「ゲホッ……」

「あぁ、すまない。赤頭巾…お前が裏切ったのかと思ったんだが…。そんな事はありえない。ずっとずっと見守っていたのだから…」

見守っ?
今は、そんな言葉は、どうでもいい。
その前に止めに入った声…あれは、オオカミさん?

声があった方にどうにか目を向ける。
寝台の横に膝まづいている人がいた。
また、この人も全身を布で覆われていて男か女かどちらか分からない。

でも、さっきの声は…布で声がくぐもっていたけど……オオカミさん。だよね?

「いつの間にいたのだ。まぁ、殺さずに済んだから良かったが。ほら、下がれ!」

「申し訳ありません。オババ様から先に果実酒を飲んでから事をいたして頂くようにと…。」

男は、分かった分かったと軽く返事をし、受け取った果実酒を一息に飲み干し杯を渡すと邪魔だと追い払う。

軽く頭を下げ立ち上がりそのまま後ろへスっと下がっていく。

待って!ねぇ!オオカミさんよね?
お願い!置いていかないで!!

その人に必死で手を伸ばしているが、実際は目を向けているだけ。
顎を捕まれ男の方に目線が戻る。
ゆっくりゆっくりと男の顔が落ちてくる。

一一一!!!!!


ドサッ…

男は、赤頭巾の上落ちたまま動かない。

「ちっ、やっと寝たわね」
ため息混じりの苛立った女の人の声が聞こえた。

なに?

「早くとがしてよ。コイツ!」

他に誰かいるのか、命令通り上にのしかかっていた男がどかされ、ゆっくりと抱き起こされた。
布を被った姿の人が2人

「……遅くなってごめんね。赤頭巾」

抱き起こしてくれている人が布を取って顔を見せた。

オオカミさん!

声は出ないが嬉しさがこみあげてくる。

「まだ、薬が効いているからこれ飲んで」
「んっ…」

オオカミさんの口から運ばれた液体を飲むと次第に意識が遠のいて行った。
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