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攻略者 またもや登場!アルバート・バク
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「お初にお目にかかります。今日からアリスお嬢様の護衛けん執事を務めさせていただきます、アルバート・バクと申します」
まさかとは思っていたけど、そのまさかだとは思わなかった。
乙女ゲームの攻略者の一人…アルバート・バク。悪役令嬢の執事だ。バクは丁度この歳に悪役令嬢の執事に務め始めた…はず、だけど。
「初めまして。知っての通り、私はアリス・フォレットと言います。これからよろしくお願いします。」
(何故、私のところにいるの!?)
一応礼儀として私はお辞儀をした。
説明しよう。アルバート・バク……
そのものは、優しくて頭が良く運動神経も抜群。(まぁ、執事だし当然だけど)女の子にもモテモテだ。まぁ、アルバと同じ完璧人間という事。
ゲームのシナリオだと
ヒロインとは図書館で会い、一目惚れし、しかも同じ学園に通っていた。そして、ストーカーをするようになる。それに気づかないヒロイン。
『あ、あの…俺と…紅茶でも飲みながら本のことについて語り…ませんか?』
『え……いいですよ』
とやっと、バクは言葉を交わしその上デートの誘いをした。ヒロインは無自覚だけど……
それからというもの、学園の放課後ではいつもの様に図書室で会い本のことについて語るようになる。そして、ある事がきっかけでヒロインはバクに惹かれ始める。
(…きっかけって言っても……バクの食いしん坊顔を見て…っていう……ロマンチックの欠片もなかったやつだけど……)
とりあえず…あまり考えないで置こう。だって今の私は……ゲームの中にいる。だから……
リア充爆発しろ……と言って祝えないんだもん。あ。別にリア充になりたい訳では無いけどさ。なんかムカつくんだよね。自慢してて。
「……え~っと…バク?……聞いてます?」
「あ…申し訳ありません。読んだことの無い本ばかり置かれておりまして…つい、見入ってしまいました。これからは注意します」
「えっ!?いや、怒ってないし、読みたいなら私に言ってくれればいくらでも読んでいいよ!」
「本当ですか!?ありがとうございます!アリスお嬢様!」
そう行ってバクは目を輝かせる。
そう言えば……バクって確か、昔から本が好きだったんだっけ?…あー…そうだ。本が好きになったきっかけって、悪令嬢でもヒロインでもなく…他の誰かだったな。……
?待てよ……他の誰かだった?
(え)
私はバッとバクの方に目を向けた。
「アリスお嬢様!ここにある本棚!全部面白そうです!読んでいいですか!?」
「え、え~。いいわよ。好きに読んでいいからね。」
「ありがとうございます!!」
興奮が、お染まらないバク……。
そのきっかけって、私じゃないことを祈ろう。
バクと会ってから数日が経つ。
(……初めて会った時からずっと顔を見ないんだけど。……どうしたのかな?)
私は心配した。
でも、大丈夫だろう。執事というのだから相当鍛えているはず。殺されそうになっても…簡単には死なない!漫画で見た時そうだったんだー。あれ……黒〇事ってやつ!
「ん~。今日はアルバは忙しくて遊びに来ないから…暇だなぁ…本でも読も!」
私はそう言って図書室へ向かう。
図書室へいくと毎度思う。
『こんだけの本…読み終わるのかな?と言うか広い…迷うよ絶対』
実際は迷わなかった。デモ、読み終わるわけない……あんだけの量を。読み終わるやつは絶対に天才だ。
「…は?」
入ってすぐに私は間抜けた声を出す。
(……何……この山。)
あの綺麗だった図書室がいつの間にか本が重ねてあり山になった上に本がどこかしらと落ちている。
(……っ!)
「嘘っ!まさかっ!」
私は察した。犯人はもしかして…と思い、図書室の中で本を踏まないように、走った。
そして、走って一分経つ頃、犯人が見つかった。
「バク!」
「っ!!アリスお嬢様?どうなさったのですか?」
「…『どうなさったのですか?』じゃぁありません!こっちは数日、顔を見ないから心配してたのに!もしかして……あれからずっと本を読んでいたの?」
「…数日?もうそんなに時間が経ったのですか!?」
あぁ……ダメだこいつ。本に近ずけさせないようにしないと。
本中毒になるよ。
「はぁ、そうです。その様子からだと……食事もとっていませんね……バク!来なさい!」
「はっ……はい!」
バクは勢いよく立ち上がり、私の後について行った。
(……クビ……に、なるのかな……俺……)
自業自得だっつーの!
「…アリスお嬢様の……部屋?」
「そうですわ。少し待っていなさい。」
私はそう言って、キッチンの方に向かった。
「アリスお嬢様?今日は何か御用で?」
「新しく来た執事のバクが本に夢中になって数日間何も食べていないの。だから、何か私が作ろうかと」
「っ!アリスお嬢様が!?い、いけません!アリスお嬢様の身に怪我でもしたら!」
「大丈夫よ。ね、フォクシーさん!お願い!」
どうだ!上目づかいからの可愛い顔で泣く!これでは断れないだろう!
「うぐっ……わ、分かりました。」
勝ったわ!まぁ、それは置いといて。何を作ろうかしら。
「ん~。あっ!あれにしよう!」
(続く)
まさかとは思っていたけど、そのまさかだとは思わなかった。
乙女ゲームの攻略者の一人…アルバート・バク。悪役令嬢の執事だ。バクは丁度この歳に悪役令嬢の執事に務め始めた…はず、だけど。
「初めまして。知っての通り、私はアリス・フォレットと言います。これからよろしくお願いします。」
(何故、私のところにいるの!?)
一応礼儀として私はお辞儀をした。
説明しよう。アルバート・バク……
そのものは、優しくて頭が良く運動神経も抜群。(まぁ、執事だし当然だけど)女の子にもモテモテだ。まぁ、アルバと同じ完璧人間という事。
ゲームのシナリオだと
ヒロインとは図書館で会い、一目惚れし、しかも同じ学園に通っていた。そして、ストーカーをするようになる。それに気づかないヒロイン。
『あ、あの…俺と…紅茶でも飲みながら本のことについて語り…ませんか?』
『え……いいですよ』
とやっと、バクは言葉を交わしその上デートの誘いをした。ヒロインは無自覚だけど……
それからというもの、学園の放課後ではいつもの様に図書室で会い本のことについて語るようになる。そして、ある事がきっかけでヒロインはバクに惹かれ始める。
(…きっかけって言っても……バクの食いしん坊顔を見て…っていう……ロマンチックの欠片もなかったやつだけど……)
とりあえず…あまり考えないで置こう。だって今の私は……ゲームの中にいる。だから……
リア充爆発しろ……と言って祝えないんだもん。あ。別にリア充になりたい訳では無いけどさ。なんかムカつくんだよね。自慢してて。
「……え~っと…バク?……聞いてます?」
「あ…申し訳ありません。読んだことの無い本ばかり置かれておりまして…つい、見入ってしまいました。これからは注意します」
「えっ!?いや、怒ってないし、読みたいなら私に言ってくれればいくらでも読んでいいよ!」
「本当ですか!?ありがとうございます!アリスお嬢様!」
そう行ってバクは目を輝かせる。
そう言えば……バクって確か、昔から本が好きだったんだっけ?…あー…そうだ。本が好きになったきっかけって、悪令嬢でもヒロインでもなく…他の誰かだったな。……
?待てよ……他の誰かだった?
(え)
私はバッとバクの方に目を向けた。
「アリスお嬢様!ここにある本棚!全部面白そうです!読んでいいですか!?」
「え、え~。いいわよ。好きに読んでいいからね。」
「ありがとうございます!!」
興奮が、お染まらないバク……。
そのきっかけって、私じゃないことを祈ろう。
バクと会ってから数日が経つ。
(……初めて会った時からずっと顔を見ないんだけど。……どうしたのかな?)
私は心配した。
でも、大丈夫だろう。執事というのだから相当鍛えているはず。殺されそうになっても…簡単には死なない!漫画で見た時そうだったんだー。あれ……黒〇事ってやつ!
「ん~。今日はアルバは忙しくて遊びに来ないから…暇だなぁ…本でも読も!」
私はそう言って図書室へ向かう。
図書室へいくと毎度思う。
『こんだけの本…読み終わるのかな?と言うか広い…迷うよ絶対』
実際は迷わなかった。デモ、読み終わるわけない……あんだけの量を。読み終わるやつは絶対に天才だ。
「…は?」
入ってすぐに私は間抜けた声を出す。
(……何……この山。)
あの綺麗だった図書室がいつの間にか本が重ねてあり山になった上に本がどこかしらと落ちている。
(……っ!)
「嘘っ!まさかっ!」
私は察した。犯人はもしかして…と思い、図書室の中で本を踏まないように、走った。
そして、走って一分経つ頃、犯人が見つかった。
「バク!」
「っ!!アリスお嬢様?どうなさったのですか?」
「…『どうなさったのですか?』じゃぁありません!こっちは数日、顔を見ないから心配してたのに!もしかして……あれからずっと本を読んでいたの?」
「…数日?もうそんなに時間が経ったのですか!?」
あぁ……ダメだこいつ。本に近ずけさせないようにしないと。
本中毒になるよ。
「はぁ、そうです。その様子からだと……食事もとっていませんね……バク!来なさい!」
「はっ……はい!」
バクは勢いよく立ち上がり、私の後について行った。
(……クビ……に、なるのかな……俺……)
自業自得だっつーの!
「…アリスお嬢様の……部屋?」
「そうですわ。少し待っていなさい。」
私はそう言って、キッチンの方に向かった。
「アリスお嬢様?今日は何か御用で?」
「新しく来た執事のバクが本に夢中になって数日間何も食べていないの。だから、何か私が作ろうかと」
「っ!アリスお嬢様が!?い、いけません!アリスお嬢様の身に怪我でもしたら!」
「大丈夫よ。ね、フォクシーさん!お願い!」
どうだ!上目づかいからの可愛い顔で泣く!これでは断れないだろう!
「うぐっ……わ、分かりました。」
勝ったわ!まぁ、それは置いといて。何を作ろうかしら。
「ん~。あっ!あれにしよう!」
(続く)
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