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攻略者 ウィーン・アルバとご対面
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突然ですが皆さん、私は転生して約三日しか経ってないのですが早くも攻略者の一人…ウィーン・アルバとご対面しました。
「お前が俺の未来の妻か!」
うん、シナリオ通り、アルバってやっぱり大型犬みたいだ。金髪なのか、何故か彼の周りがキラキラ見える。
(ま、眩しい。)
「初めましてウィーン・アルバ様。私はアリス・フォレットです。よろしくお願い致します。」
(お願いしたくないー)
と、思ったので私は正直に思ったことを口にする。
「…と、言いたいところですが……アルバ様、単刀直入に言います。」
「?」
アルバは首を傾げた。
まず、私の一つの作戦は、アルバに予想もしない言葉を言うつもりだ。
「私はアルバ様との結婚はお断りします。」
「…え!?」
(ふふふっ……予想通りだ)
私はそのまま作戦を実行する。
「…そ、それは、どういうことだ?」
(戸惑ってる、戸惑ってる!)
「私とアルバ様は今、初めてお会いになりました。会ってすぐに結婚なんて言われても私は納得致しません。」
「と、言うと?」
お、王子様…勘が良いですね~。そうです、まだ言いたいことがあるのですよ!
「…私は好きな人と結婚したいのです。アルバ様もいつか好きな人が現れます。私はその方と結婚して欲しいし幸せになって欲しいと願っているのです。」
「…つまり、そなたは俺の事を好きではないと?」
「はい。大変申し訳ございません」
私は立って頭を下げた。
すると、アルバは固まってしまった。
(?なるべく分かりやすく教えたんだけど……。思考が追いついてないのかな?)
「………だ」
小さい声でアルバは何かを言った。
「?あの、なんて?」
声が小さすぎて私はアルバが言っていた言葉が聞こえなかった。
アルバはゆっくりと頭を上げて作り笑顔で私に言った。
「それは出来ない。俺とアリスは結婚しないとだめだ。絶対に。」
と。私は少しだけビックリしたが、わかっていた。
(きっと、王様の命令なんだろうなあ)
アルバはなんと言われようと、父の命令は絶対と思っている。だから、私との結婚は絶対にやらないと駄目……
まぁ、父の期待を裏切りたくない一心なんだろう。
(あ~ぁ……本当に……)
「本当に、アルバ様って空っぽで可哀想なんだなぁ。もっと周りを見たらいいのに……」
「っ!」
「あ……」
心の声が口に漏れてしまった。これはやばい。
「あの……えっ……と……」
アルバは椅子から立って私の所まで近づいてくる。私は段々と近づくアルバに近づかないように後ずさりする。だが
ドン…
逃げ道がもうなかった。
私は壁の方まで追い詰められてしまった。
(あ~、これは終わった。絶対に処刑になる……)
「…何故、俺の顔を見てそう言った。」
「……」
アルバの顔を見ると今にでも泣きそうな顔をしていた。
(まだ、子供だから耐えられないのか)
本来のアルバは心が強く、何を言われようと動じなかった。
そんなアルバだけど、まだ子供だから、ちょっと私は言いすぎたと思った。
「……はぁ……初めてあった時もそうです。アルバ様は作り笑いをします。自分の感情で笑っているのではなく心を殺して無理に笑っている……それって王様のことでしょ?アルバ様の父に期待を裏切りたくない一心で」
「…………っ」
とても苦しそうな顔をした。何故そんなに父に執着するのか私は知らない。
だから、私は不本意ながらアルバを抱きしめて頭を撫でた。
「……無理……しなくていいんですよ。貴方は貴方らしいことをしていいんです。無理に王様みたいにならなくていいんです。貴方がやりたいことをやっていい。まだ、私達は9歳の子供なのですから。貴方らしいペースで進んでいいんですよ」
「っ!……うぅ……グス」
等々アルバは泣いてしまった。本当は寂しかったんだと思う。
私も……前世ではそうだったから何となく分かる。
それからしばらくアルバは泣いた。その後からは…
・泣き止んだと思ったらいつの間にか寝ていた。
・ソファまで一生懸命運んで寝かせたらそっと出ていこうと思った。
・だが、ドレスの裾を掴まれてしまっていたため仕方なく膝枕をした。
「はぁ、今日は最悪な日だ。」
結局、結婚の話はどうなったのだろう。思いっきり話がズレてしまって結果なんてものはない。
(まぁ、なんと言おうが何度も断るけどな!)
「……それにしても、本当に急に伝えられたもんだからあまり考えなかったけど……」
(なんで、アルバは私の所に来たの?なんで私の家と結婚話が?)
私は主人公でも、悪役令嬢でもない…それにシナリオでアルバは悪役令嬢の人と婚約話がきているはず。
「??あれー?おかしーなぁー?」
なんか、色々と違うような。
「ん…ん~。ここは」
「あ、お目覚めですか?アルバ様……」
バッ!
アルバは勢いよく私の膝から起き上がった。
「あ……その。悪い……」
アルバは顔を真っ赤にした。そんなに恥ずかしいことだったかな?あー、まぁ。うん。男女だし当たり前か。
「……いえいえ。お気になさらずに。」
コンコン。
ガチャ。
「アリスお嬢様、ウィーン・アルバ様。そろそろ時間でございます。」
私のメイドが迎えに来たらしい。グットタイミング!
「と、言うことで。そろそろ帰りましょうか。あ、あと。お父様がお忙しくてお会いに出来ず申し訳ございません」
本当ならお父様が私の部屋に来るはずだったが、急な仕事が入り一緒にいられなかった。
最後の別れの際……
『oh……私の可愛い娘よ!たとえ王様の一人息子だとしても絶対に結婚をOKにしては駄目だからな!』
『お父様、大丈夫でございます。私は、まだ子供。了承しません』
『流石、私の娘だ!』
と、いい抱きついた。
(……本当にキモイ父親だ。でも、まぁ愛情が深いだけでも嬉しいけどさ)
私は昼のことを思い出す。……昔の事だと思おう。
「……なぁ、俺、お前のことアリスって呼んでもいいか?」
突然、アルバはそう言った。呼び捨てでもいいかって事かな?
(あ、私と友達になりたいのかなぁ。……え~。やだな。色々面倒くさそう。……でも、呼び捨てぐらいで友達と考えるのも変か。うん。いっか)
「……アルバ様のご自由に」
「っ!分かった!」
超絶スマイル…………
世の中の女性全員が見たら死んでるだろうな。私には効かないからな!
「あ、あと。アリスも俺の事をアルバって呼んでいいから!タメ口でもいいよ!」
「いえ、流石に王様の一人息子ですので」
「呼んで!」
アルバはそう言って私と顔を近づける。
「っ!」
すぐに離れてよかった。
「……はぁ。分かりましたよ。アルバ。さっさと帰ってください。」
「はは!うん!じゃね!アリス!」
アルバはそう言って手を振って執事のいる所まで走っていった。
(本当に、大型犬みたいだな……尻尾と耳が見えるよ)
そう言えばさっきのスマイル……
「自然の笑顔。出来るじゃん。そっちの方がいいね」
「……アリスお嬢様。何かアルバ様とありました?」
「?いいや?何も?あ、でも結婚をお断りしたわ」
「えー!!」
メイドのミリナは大声を出してまで驚いていた。別にいいじゃん。
「で!アルバ様はなんと?」
「ん~微妙な返答。ダメかOKのどちらかだと中間?かな?」
「……まだ決まってないことですね。良かったぁ」
なぜに喜ぶ?
アリスは知らない。
ゲームのシナリオ(運命)は大きく変わってしまったのを……
「お前が俺の未来の妻か!」
うん、シナリオ通り、アルバってやっぱり大型犬みたいだ。金髪なのか、何故か彼の周りがキラキラ見える。
(ま、眩しい。)
「初めましてウィーン・アルバ様。私はアリス・フォレットです。よろしくお願い致します。」
(お願いしたくないー)
と、思ったので私は正直に思ったことを口にする。
「…と、言いたいところですが……アルバ様、単刀直入に言います。」
「?」
アルバは首を傾げた。
まず、私の一つの作戦は、アルバに予想もしない言葉を言うつもりだ。
「私はアルバ様との結婚はお断りします。」
「…え!?」
(ふふふっ……予想通りだ)
私はそのまま作戦を実行する。
「…そ、それは、どういうことだ?」
(戸惑ってる、戸惑ってる!)
「私とアルバ様は今、初めてお会いになりました。会ってすぐに結婚なんて言われても私は納得致しません。」
「と、言うと?」
お、王子様…勘が良いですね~。そうです、まだ言いたいことがあるのですよ!
「…私は好きな人と結婚したいのです。アルバ様もいつか好きな人が現れます。私はその方と結婚して欲しいし幸せになって欲しいと願っているのです。」
「…つまり、そなたは俺の事を好きではないと?」
「はい。大変申し訳ございません」
私は立って頭を下げた。
すると、アルバは固まってしまった。
(?なるべく分かりやすく教えたんだけど……。思考が追いついてないのかな?)
「………だ」
小さい声でアルバは何かを言った。
「?あの、なんて?」
声が小さすぎて私はアルバが言っていた言葉が聞こえなかった。
アルバはゆっくりと頭を上げて作り笑顔で私に言った。
「それは出来ない。俺とアリスは結婚しないとだめだ。絶対に。」
と。私は少しだけビックリしたが、わかっていた。
(きっと、王様の命令なんだろうなあ)
アルバはなんと言われようと、父の命令は絶対と思っている。だから、私との結婚は絶対にやらないと駄目……
まぁ、父の期待を裏切りたくない一心なんだろう。
(あ~ぁ……本当に……)
「本当に、アルバ様って空っぽで可哀想なんだなぁ。もっと周りを見たらいいのに……」
「っ!」
「あ……」
心の声が口に漏れてしまった。これはやばい。
「あの……えっ……と……」
アルバは椅子から立って私の所まで近づいてくる。私は段々と近づくアルバに近づかないように後ずさりする。だが
ドン…
逃げ道がもうなかった。
私は壁の方まで追い詰められてしまった。
(あ~、これは終わった。絶対に処刑になる……)
「…何故、俺の顔を見てそう言った。」
「……」
アルバの顔を見ると今にでも泣きそうな顔をしていた。
(まだ、子供だから耐えられないのか)
本来のアルバは心が強く、何を言われようと動じなかった。
そんなアルバだけど、まだ子供だから、ちょっと私は言いすぎたと思った。
「……はぁ……初めてあった時もそうです。アルバ様は作り笑いをします。自分の感情で笑っているのではなく心を殺して無理に笑っている……それって王様のことでしょ?アルバ様の父に期待を裏切りたくない一心で」
「…………っ」
とても苦しそうな顔をした。何故そんなに父に執着するのか私は知らない。
だから、私は不本意ながらアルバを抱きしめて頭を撫でた。
「……無理……しなくていいんですよ。貴方は貴方らしいことをしていいんです。無理に王様みたいにならなくていいんです。貴方がやりたいことをやっていい。まだ、私達は9歳の子供なのですから。貴方らしいペースで進んでいいんですよ」
「っ!……うぅ……グス」
等々アルバは泣いてしまった。本当は寂しかったんだと思う。
私も……前世ではそうだったから何となく分かる。
それからしばらくアルバは泣いた。その後からは…
・泣き止んだと思ったらいつの間にか寝ていた。
・ソファまで一生懸命運んで寝かせたらそっと出ていこうと思った。
・だが、ドレスの裾を掴まれてしまっていたため仕方なく膝枕をした。
「はぁ、今日は最悪な日だ。」
結局、結婚の話はどうなったのだろう。思いっきり話がズレてしまって結果なんてものはない。
(まぁ、なんと言おうが何度も断るけどな!)
「……それにしても、本当に急に伝えられたもんだからあまり考えなかったけど……」
(なんで、アルバは私の所に来たの?なんで私の家と結婚話が?)
私は主人公でも、悪役令嬢でもない…それにシナリオでアルバは悪役令嬢の人と婚約話がきているはず。
「??あれー?おかしーなぁー?」
なんか、色々と違うような。
「ん…ん~。ここは」
「あ、お目覚めですか?アルバ様……」
バッ!
アルバは勢いよく私の膝から起き上がった。
「あ……その。悪い……」
アルバは顔を真っ赤にした。そんなに恥ずかしいことだったかな?あー、まぁ。うん。男女だし当たり前か。
「……いえいえ。お気になさらずに。」
コンコン。
ガチャ。
「アリスお嬢様、ウィーン・アルバ様。そろそろ時間でございます。」
私のメイドが迎えに来たらしい。グットタイミング!
「と、言うことで。そろそろ帰りましょうか。あ、あと。お父様がお忙しくてお会いに出来ず申し訳ございません」
本当ならお父様が私の部屋に来るはずだったが、急な仕事が入り一緒にいられなかった。
最後の別れの際……
『oh……私の可愛い娘よ!たとえ王様の一人息子だとしても絶対に結婚をOKにしては駄目だからな!』
『お父様、大丈夫でございます。私は、まだ子供。了承しません』
『流石、私の娘だ!』
と、いい抱きついた。
(……本当にキモイ父親だ。でも、まぁ愛情が深いだけでも嬉しいけどさ)
私は昼のことを思い出す。……昔の事だと思おう。
「……なぁ、俺、お前のことアリスって呼んでもいいか?」
突然、アルバはそう言った。呼び捨てでもいいかって事かな?
(あ、私と友達になりたいのかなぁ。……え~。やだな。色々面倒くさそう。……でも、呼び捨てぐらいで友達と考えるのも変か。うん。いっか)
「……アルバ様のご自由に」
「っ!分かった!」
超絶スマイル…………
世の中の女性全員が見たら死んでるだろうな。私には効かないからな!
「あ、あと。アリスも俺の事をアルバって呼んでいいから!タメ口でもいいよ!」
「いえ、流石に王様の一人息子ですので」
「呼んで!」
アルバはそう言って私と顔を近づける。
「っ!」
すぐに離れてよかった。
「……はぁ。分かりましたよ。アルバ。さっさと帰ってください。」
「はは!うん!じゃね!アリス!」
アルバはそう言って手を振って執事のいる所まで走っていった。
(本当に、大型犬みたいだな……尻尾と耳が見えるよ)
そう言えばさっきのスマイル……
「自然の笑顔。出来るじゃん。そっちの方がいいね」
「……アリスお嬢様。何かアルバ様とありました?」
「?いいや?何も?あ、でも結婚をお断りしたわ」
「えー!!」
メイドのミリナは大声を出してまで驚いていた。別にいいじゃん。
「で!アルバ様はなんと?」
「ん~微妙な返答。ダメかOKのどちらかだと中間?かな?」
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