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神様が原因か!
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「はぁ~ぁ」
「アリスお嬢様、何かご不満がおありですか?」
「うん……実はね……」
朝から重いため息をしたのには訳がある。私は昨夜夢を見たのだ。それも、神様と話している夢だった。
『すまんのう、わしの手違いで死なせてしまった……お詫びにと思って……』
「は?」
そう言った神様は私の目の前で土下座した。
あとの事はご想像にお任せしよう…だって…こんなのあるある話でしょ?
「えー!神様と夢の中で会った上に話をしたぁ!アリスお嬢様、本当に前世の記憶があって転生したんですね!」
「信じてなかったの?……はぁ~あ」
どうやらミリナは私の話を半信半疑で聞いていたようだ。
(それにしても……)
「……暇なんだなぁ…」
分かっていてはいたけど、お嬢様とかそう言う貴族の家の子は何もしない代わりに勉学や剣術、マナーなどする。お嬢様は勉学とマナー、坊っちゃまは勉学と剣術……前世の私は仕事仕事ばかりで毎日が忙しかった。だから、今の生活は私にとって退屈でしかない。
(スマホもパソコンもインターネットも無いし……ゲームも無い(泣))
「……ねぇ、ミリナ。町へ行ってもいい?」
「駄目ですお嬢様。旦那様と奥様は決してアリスお嬢様を外に出すなと言われておりますので。私は怒られたくないしクビになりたくないです。」
(ですよねー)
「……じゃあさ、町ってどんな所なの?」
私は街に行ったことがないから不思議と気になった。
「……そうですねぇ……強いていえば賑やかで楽しいところですよ」
ミリナそう言うと何故か寂しげに私の事を見た。
どうしたのだろうか…
「ふーん……いつか行ってみたいなぁ…」
私は知らないふりをした。これ以上、言わない方がいいと思ったから。
(申し訳ございませんアリスお嬢様。)
ミリナはそう思った。
私はそんなミリナに気付かず明日の暇つぶしは何にしようかと考えた。
私は転生をして一つ、分かったことがある。それは、私が前世でやっていた、『ドキドキ.。.♡*゜私の運命の人はだあれ?』の乙女ゲームの中だという事だ。
(どこまでファンタジーなんだよ……)
「……ミリナ……私、そろそろ婚約の話……きてる?」
私は何となく、そう思った。貴族の家は小さい頃から婚約者を親に決められる。言わゆる政略結婚っていうやつ。
わたしの今の歳を考えるともうそろそろだと予想できる。
「……はい。昨日、タルチカ様が仰っておりました。」
「……相手は?」
「……王様の一人息子、ウィーン・アルバ様でございます。」
食事をしながら私は聞いていたが……ミリナ……お前、今なんて言った?
「もう一回、名前を教えてくれる?」
「はい。お相手はウィーン・アルバ様です」
(おぅ……これはbattoendo!)
ウィーン・アルバは乙女ゲームの攻略者の一人……
元気で子供っぽい所がある。優しいし正義感が強い。でも心は親のせいで無理することが多く、本当のことが言えない。ウィーン・アルバはそんな悩みがあり嘘をつくことによって日々胸を苦しめる。そんな中ヒロインがウィーン・アルバの本当のことを知りアルバを助けようとする。そして、助けられたアルバはヒロインに本格的に恋に落ちアタックし始めた。だが、ヒロインは自分のことを友達だと勘違いされていて振り向いてくれない。その上ライバルも次々と現れる。諦めかけたアルバにやっと振り向いたヒロインはアルバに告白し二人は結ばれる。その後は色々あり結果結婚して幸せに暮らした。めでたしめでたし。
まず、今の私に言えることは一つ
「……あははは……リア充爆発しろ…」
「お、お嬢様?」
「?あ、あー。……そうね。その方と会えるのはいつ?」
「今日です」
「はい?」
「……お伝えするのを忘れてしまって申し訳ございません。今日です」
「今日……ですって!?いつ頃来られるの!?」
私は焦った。今日って……なんでもっと早く伝えてくれないの!なんも策をねってない!
以前の私はアルバくん推しで攻略者の中で一番好きなキャラクターだった。でも今は
(アルバくんが邪魔でしかない!今の私はアルバくんになんもときめかないし、私の人生、楽に生きる計画に邪魔でしかない!)
「た……多分そろそろ来るかと……」
「ミ……ミリナのバガァァァ!」
「申し訳ございませんっ!」
私はミリナを呪うしかない。どうしよう……マジでヤバす。
こうなったら、会ってから考えるしかない!
「……はぁ。お父様は私とそのお方との結婚をどう言っていましたか?」
「えっと……“私の愛しの可愛い娘を例え王様の息子だからといって渡す訳にはいかない!まだ9歳なのだから!”と。言っていました。」
「さすがお父様よく分かっていらっしゃる。」
私は食事を終わらせ着替えをした。
(アルバくんを生で見るのは嬉しいけれども!)
「あー!もう!転生するなら村人の方が良かった!」
今の私は叫ぶ以外何も出来ない。
それから数分後、ウィーン・アルバは我がフォレット家の家に足を踏み入れる。
「アリスお嬢様、何かご不満がおありですか?」
「うん……実はね……」
朝から重いため息をしたのには訳がある。私は昨夜夢を見たのだ。それも、神様と話している夢だった。
『すまんのう、わしの手違いで死なせてしまった……お詫びにと思って……』
「は?」
そう言った神様は私の目の前で土下座した。
あとの事はご想像にお任せしよう…だって…こんなのあるある話でしょ?
「えー!神様と夢の中で会った上に話をしたぁ!アリスお嬢様、本当に前世の記憶があって転生したんですね!」
「信じてなかったの?……はぁ~あ」
どうやらミリナは私の話を半信半疑で聞いていたようだ。
(それにしても……)
「……暇なんだなぁ…」
分かっていてはいたけど、お嬢様とかそう言う貴族の家の子は何もしない代わりに勉学や剣術、マナーなどする。お嬢様は勉学とマナー、坊っちゃまは勉学と剣術……前世の私は仕事仕事ばかりで毎日が忙しかった。だから、今の生活は私にとって退屈でしかない。
(スマホもパソコンもインターネットも無いし……ゲームも無い(泣))
「……ねぇ、ミリナ。町へ行ってもいい?」
「駄目ですお嬢様。旦那様と奥様は決してアリスお嬢様を外に出すなと言われておりますので。私は怒られたくないしクビになりたくないです。」
(ですよねー)
「……じゃあさ、町ってどんな所なの?」
私は街に行ったことがないから不思議と気になった。
「……そうですねぇ……強いていえば賑やかで楽しいところですよ」
ミリナそう言うと何故か寂しげに私の事を見た。
どうしたのだろうか…
「ふーん……いつか行ってみたいなぁ…」
私は知らないふりをした。これ以上、言わない方がいいと思ったから。
(申し訳ございませんアリスお嬢様。)
ミリナはそう思った。
私はそんなミリナに気付かず明日の暇つぶしは何にしようかと考えた。
私は転生をして一つ、分かったことがある。それは、私が前世でやっていた、『ドキドキ.。.♡*゜私の運命の人はだあれ?』の乙女ゲームの中だという事だ。
(どこまでファンタジーなんだよ……)
「……ミリナ……私、そろそろ婚約の話……きてる?」
私は何となく、そう思った。貴族の家は小さい頃から婚約者を親に決められる。言わゆる政略結婚っていうやつ。
わたしの今の歳を考えるともうそろそろだと予想できる。
「……はい。昨日、タルチカ様が仰っておりました。」
「……相手は?」
「……王様の一人息子、ウィーン・アルバ様でございます。」
食事をしながら私は聞いていたが……ミリナ……お前、今なんて言った?
「もう一回、名前を教えてくれる?」
「はい。お相手はウィーン・アルバ様です」
(おぅ……これはbattoendo!)
ウィーン・アルバは乙女ゲームの攻略者の一人……
元気で子供っぽい所がある。優しいし正義感が強い。でも心は親のせいで無理することが多く、本当のことが言えない。ウィーン・アルバはそんな悩みがあり嘘をつくことによって日々胸を苦しめる。そんな中ヒロインがウィーン・アルバの本当のことを知りアルバを助けようとする。そして、助けられたアルバはヒロインに本格的に恋に落ちアタックし始めた。だが、ヒロインは自分のことを友達だと勘違いされていて振り向いてくれない。その上ライバルも次々と現れる。諦めかけたアルバにやっと振り向いたヒロインはアルバに告白し二人は結ばれる。その後は色々あり結果結婚して幸せに暮らした。めでたしめでたし。
まず、今の私に言えることは一つ
「……あははは……リア充爆発しろ…」
「お、お嬢様?」
「?あ、あー。……そうね。その方と会えるのはいつ?」
「今日です」
「はい?」
「……お伝えするのを忘れてしまって申し訳ございません。今日です」
「今日……ですって!?いつ頃来られるの!?」
私は焦った。今日って……なんでもっと早く伝えてくれないの!なんも策をねってない!
以前の私はアルバくん推しで攻略者の中で一番好きなキャラクターだった。でも今は
(アルバくんが邪魔でしかない!今の私はアルバくんになんもときめかないし、私の人生、楽に生きる計画に邪魔でしかない!)
「た……多分そろそろ来るかと……」
「ミ……ミリナのバガァァァ!」
「申し訳ございませんっ!」
私はミリナを呪うしかない。どうしよう……マジでヤバす。
こうなったら、会ってから考えるしかない!
「……はぁ。お父様は私とそのお方との結婚をどう言っていましたか?」
「えっと……“私の愛しの可愛い娘を例え王様の息子だからといって渡す訳にはいかない!まだ9歳なのだから!”と。言っていました。」
「さすがお父様よく分かっていらっしゃる。」
私は食事を終わらせ着替えをした。
(アルバくんを生で見るのは嬉しいけれども!)
「あー!もう!転生するなら村人の方が良かった!」
今の私は叫ぶ以外何も出来ない。
それから数分後、ウィーン・アルバは我がフォレット家の家に足を踏み入れる。
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