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千里4
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「じゃあお相子か、そうなれば、君だってそう変わらんだろう」
「まあいいわ、此処から隣の書斎を抜けて庭に出られる方法を教えときますから少し歩きましょう」
此処から庭に出る方法を教えると、美紗和は廊下に出て隣の書庫兼書斎の部屋に入った。でかい机が正面窓側に鎮座して、その周りは全て書棚になっていた。此処が我が家の図書館だと言って、草履を履いて片隅の小さなドアを開けた。家屋に沿って外側に張り出した縁が在り、そこから下の庭に出て驚いた。まだ奥にも庭が広がっていて、この建物だけが池に面した庭に突き出ていた。この庭の造りは平安時代の寝殿造りを真似たけれど、流石にあんなに広い庭は無理なので、片方だけ真似た造りにしてあった。だから来客が庭を観賞しながら茶を嗜むように、一階の茶室が庭に突き出て作られていた。その二階は付け足しだと言われて、じゃあ僕は付け足しの部屋にいるんですか、と居候の身分もわきまえずに言ってしまった。これには変な顔をされると思いきや、其れもそうねと同情されてしまった。
「でもあの部屋が一番見晴らしが良くて台風が来れば真っ先に飛ばされそうになるところだから、反対側には廊下でなく板敷きの縁側になっているのよ」
「そう言われても障子しかなかった」
「あらっ、その障子を開ければ縁側でアルミサッシの窓がありそこから池と庭が続いているのが見えるのよ」
そうか、とまだ見ていない奥の庭へ行きかけると、そこから離れに繋がっているから、と反対方向の今朝、典子さんに先導された庭を眺めていると、やっと探したぞと裕介がやって来てくれた。
「まあいいわ、此処から隣の書斎を抜けて庭に出られる方法を教えときますから少し歩きましょう」
此処から庭に出る方法を教えると、美紗和は廊下に出て隣の書庫兼書斎の部屋に入った。でかい机が正面窓側に鎮座して、その周りは全て書棚になっていた。此処が我が家の図書館だと言って、草履を履いて片隅の小さなドアを開けた。家屋に沿って外側に張り出した縁が在り、そこから下の庭に出て驚いた。まだ奥にも庭が広がっていて、この建物だけが池に面した庭に突き出ていた。この庭の造りは平安時代の寝殿造りを真似たけれど、流石にあんなに広い庭は無理なので、片方だけ真似た造りにしてあった。だから来客が庭を観賞しながら茶を嗜むように、一階の茶室が庭に突き出て作られていた。その二階は付け足しだと言われて、じゃあ僕は付け足しの部屋にいるんですか、と居候の身分もわきまえずに言ってしまった。これには変な顔をされると思いきや、其れもそうねと同情されてしまった。
「でもあの部屋が一番見晴らしが良くて台風が来れば真っ先に飛ばされそうになるところだから、反対側には廊下でなく板敷きの縁側になっているのよ」
「そう言われても障子しかなかった」
「あらっ、その障子を開ければ縁側でアルミサッシの窓がありそこから池と庭が続いているのが見えるのよ」
そうか、とまだ見ていない奥の庭へ行きかけると、そこから離れに繋がっているから、と反対方向の今朝、典子さんに先導された庭を眺めていると、やっと探したぞと裕介がやって来てくれた。
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