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第一章
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「ただいまー」
「おかえり」
「あれ、早いね!」
「ああ、5限休講だった」
家に帰るとすでに愛しい旦那様が帰宅していた。そう、すでにお気づきかとは思いますが、永井恭くんは私の旦那様なのです!
むぎゅうううう。私は迎えてくれた愛しい人へ思いっきり抱きつく。
「おい、璃子。苦しい…」
「だってだって、恭ちゃんに会えたの嬉しいんだもん!!」
「会えたって…今朝も会っただろ?それに、おまえ3限の経済の授業にも来てただろ」
「え、ばれた…?」
「小野に聞いて後ろ見たら、わざとらしく机に突っ伏してる璃子を見つけたよ」
「ごめんなさい…。でも、友達が恭ちゃんのこと有名人って言ってて、結婚してるって知られたらなんか大変なことになりそうで…。やっぱりしばらくは結婚してるのナイショでもいい?」
そう、高校の時すでに人気者だった恭ちゃんの彼女になった時、私は恭ちゃんファンの女の子たちに目の敵にされてしまい、居心地の悪い思いをした。その時は付き合って少しで恭ちゃんが卒業したおかげでだんだんと普通の生活に戻れたけど、2つ違いの私と恭ちゃんは大学では2年一緒に通うことになる。だから念のために、入学したときから結婚していることはもちろん、知り合いだということも周囲に隠していた。(といっても、広いキャンパスで学部も違うともなると、そもそも会おうと思わない限り会えないから隠すようなマネはしたことないんだけど)
「…俺と結婚してるのは隠しててもいいけど、彼氏はいるってことにしとけよ?」
「ハイ…」
恭ちゃんは心配するけど、私を狙う男の子なんているはずもなく、この彼氏がいるという設定は活かされたことがない。我ながら虚しいけど…。
でも、でも、私にはこんなステキな旦那様がいるからいいの!
「ねぇ恭ちゃん、お帰りのチューは?」
「はいはい…」
恭ちゃんはちょっと呆れながらもちゅっとキスを落としてくれる。ああ、幸せ…!
***
ご飯を食べて、お風呂に入って、ソファでテレビを観てると、恭ちゃんが隣に座ってきて私の肩に頭をコテンと乗せてきた。
「恭ちゃんからくっついてくるなんて珍しい!どうしたの?」
「………」
「おーい、恭ちゃん?」
「………」
黙ってたかと思うと恭ちゃんは急に私にキスをしてきた。しかもいきなり深いやつ!
「んんん…ん、は…ぁ」
食べられちゃいそう…。歯列をなぞり、舌を絡め取り、はむはむと甘噛みされる。
口の端から唾液があふれると、それを追って私の顎の方までぺろぺろ舐めて、唇まで戻ってくると今度は唇を食んで弄ぶ。
官能的なキスにうっとりしてると「ベッド行く?」と耳元で囁かれる。恭ちゃんは声もイケメンだ。私はそれだけでお腹の下の方がきゅんとなってしまう。
こくりと頷いて私たちはベッドへ向かった。
「やっ、あ、あ、あ、恭ちゃん、はげし…!」
私の中を恭ちゃんが激しく突き上げる。今日はいつもと違う。なんで?そう聞きたいけど、口からは喘ぎ声しか出てこない。
ああ、気持ちいい。恭ちゃんのキレイな顔が快感で歪んで、色っぽい。いつもクールで汗一滴かかなさそうな顔してるのに、私の中で気持ち良くなって、玉のような汗をかいていると思うとたまらない。
「くっ…、璃子、締めすぎ。もうちょっと緩めてくれないとすぐいっちゃいそ…」
「あ、あ、無理!わかんないっ!」
「ったく!」
「や、あ、いっちゃ……あ、ああああ!」
「く、っ………」
さらに抽送を激しくされ、同時に蜜口の上にある粒をぐいぐいと押しつぶされて私はあっけなく達した。恭ちゃんも同時に達したらしく、皮膜越しに熱いものを感じた。
避妊具の後始末をしてから私の横にドサっと倒れこむ恭ちゃんに「今日なにかあった?その…あの…、いつもより激しくなかった?」と問いかける。
「……小野が久しぶりにおまえに会って、可愛くなったって言ってた」
「へ?」
「もう小野と2人で話すな」
「え、いや、それ絶対お世辞だし!……もしかして恭ちゃん、ヤキモチ?!」
「……だったら悪い?」
「悪くない!!っていうか、すっっっごく嬉しい!」
恭ちゃんがヤキモチ妬いてくれるなんてうれしすぎて、横になってる恭ちゃんにがばっと抱きつく。
「重い、苦しい…」と言いながらも恭ちゃんは抱き締め返してくれて、じわっとあふれてくる幸せを噛み締めた。
「おかえり」
「あれ、早いね!」
「ああ、5限休講だった」
家に帰るとすでに愛しい旦那様が帰宅していた。そう、すでにお気づきかとは思いますが、永井恭くんは私の旦那様なのです!
むぎゅうううう。私は迎えてくれた愛しい人へ思いっきり抱きつく。
「おい、璃子。苦しい…」
「だってだって、恭ちゃんに会えたの嬉しいんだもん!!」
「会えたって…今朝も会っただろ?それに、おまえ3限の経済の授業にも来てただろ」
「え、ばれた…?」
「小野に聞いて後ろ見たら、わざとらしく机に突っ伏してる璃子を見つけたよ」
「ごめんなさい…。でも、友達が恭ちゃんのこと有名人って言ってて、結婚してるって知られたらなんか大変なことになりそうで…。やっぱりしばらくは結婚してるのナイショでもいい?」
そう、高校の時すでに人気者だった恭ちゃんの彼女になった時、私は恭ちゃんファンの女の子たちに目の敵にされてしまい、居心地の悪い思いをした。その時は付き合って少しで恭ちゃんが卒業したおかげでだんだんと普通の生活に戻れたけど、2つ違いの私と恭ちゃんは大学では2年一緒に通うことになる。だから念のために、入学したときから結婚していることはもちろん、知り合いだということも周囲に隠していた。(といっても、広いキャンパスで学部も違うともなると、そもそも会おうと思わない限り会えないから隠すようなマネはしたことないんだけど)
「…俺と結婚してるのは隠しててもいいけど、彼氏はいるってことにしとけよ?」
「ハイ…」
恭ちゃんは心配するけど、私を狙う男の子なんているはずもなく、この彼氏がいるという設定は活かされたことがない。我ながら虚しいけど…。
でも、でも、私にはこんなステキな旦那様がいるからいいの!
「ねぇ恭ちゃん、お帰りのチューは?」
「はいはい…」
恭ちゃんはちょっと呆れながらもちゅっとキスを落としてくれる。ああ、幸せ…!
***
ご飯を食べて、お風呂に入って、ソファでテレビを観てると、恭ちゃんが隣に座ってきて私の肩に頭をコテンと乗せてきた。
「恭ちゃんからくっついてくるなんて珍しい!どうしたの?」
「………」
「おーい、恭ちゃん?」
「………」
黙ってたかと思うと恭ちゃんは急に私にキスをしてきた。しかもいきなり深いやつ!
「んんん…ん、は…ぁ」
食べられちゃいそう…。歯列をなぞり、舌を絡め取り、はむはむと甘噛みされる。
口の端から唾液があふれると、それを追って私の顎の方までぺろぺろ舐めて、唇まで戻ってくると今度は唇を食んで弄ぶ。
官能的なキスにうっとりしてると「ベッド行く?」と耳元で囁かれる。恭ちゃんは声もイケメンだ。私はそれだけでお腹の下の方がきゅんとなってしまう。
こくりと頷いて私たちはベッドへ向かった。
「やっ、あ、あ、あ、恭ちゃん、はげし…!」
私の中を恭ちゃんが激しく突き上げる。今日はいつもと違う。なんで?そう聞きたいけど、口からは喘ぎ声しか出てこない。
ああ、気持ちいい。恭ちゃんのキレイな顔が快感で歪んで、色っぽい。いつもクールで汗一滴かかなさそうな顔してるのに、私の中で気持ち良くなって、玉のような汗をかいていると思うとたまらない。
「くっ…、璃子、締めすぎ。もうちょっと緩めてくれないとすぐいっちゃいそ…」
「あ、あ、無理!わかんないっ!」
「ったく!」
「や、あ、いっちゃ……あ、ああああ!」
「く、っ………」
さらに抽送を激しくされ、同時に蜜口の上にある粒をぐいぐいと押しつぶされて私はあっけなく達した。恭ちゃんも同時に達したらしく、皮膜越しに熱いものを感じた。
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「へ?」
「もう小野と2人で話すな」
「え、いや、それ絶対お世辞だし!……もしかして恭ちゃん、ヤキモチ?!」
「……だったら悪い?」
「悪くない!!っていうか、すっっっごく嬉しい!」
恭ちゃんがヤキモチ妬いてくれるなんてうれしすぎて、横になってる恭ちゃんにがばっと抱きつく。
「重い、苦しい…」と言いながらも恭ちゃんは抱き締め返してくれて、じわっとあふれてくる幸せを噛み締めた。
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