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140:婚約発表と新学期
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翌日、いよいよ私とカマルの婚約発表の式典が開かれた。
城の大広間は大勢のトパゾセリアの人々で賑わっていた。
とはいえ、今集まっているのは国内貴族が中心のようだ。
「わあ、すごい」
モジモジしながら広間を観察し、私は目を瞬かせる。
何故モジモジしているのかと言えば、トパゾセリアの女性の正装は布地が少ないからだ。私の衣装はまだ布地が多い方だが、それでも普段着ている服と比べると肌の露出が多い。
男性陣の衣装も胸がはだけていたりおへそが丸出しだったりする。
カマルの父である国王が挨拶し、神官長のトール先生も挨拶させられている。
しかし、カマルの素晴らしさを延々と語り続ける彼は途中で退場させられてしまった。
概ねいつも通りだ。学園行事でもトール先生は度々暴走する。
そして、いよいよ私がカマルの婚約者として発表された。
カマルの恩人であり魔力過多、トール先生の生徒でハリールさんの養女という肩書きだった。
集まった人々は、私のことを好意的に考えてくれているようで、エメランディアの魔法学園で感じたような、冷たい値踏みの視線は飛んでこなかった。
私を支えるように立つカマルは、訪れた客たしに二人の仲のよさをアピールしている。
(恥ずかしいけれど、これも皆のため!)
笑顔でカマルに応じ、私も仲良しな婚約者ぶりを披露した。不思議な気分だ。
(私、トパゾセリアの人になるんだな)
そう思うと感慨深かった。
※
なんとか式典をこなし冬期休暇が終わる。
三学期が始まった。
エメランディアのヨーカー魔法学園へ戻った私は、さっそく寮の皆に取り囲まれる。
魔法都市新聞を手にしたノアが楽しそうに口を開く。
「アメリー、カマル、新聞に載っていたぞ! 婚約発表したんだってな!」
「そうそう、トパゾセリアの服ってかわいいね!」
ミスティも身を乗り出して言った。
「これで、エメランディアの貴族……アメリーに……言い寄れない。少なくとも、表向きは……」
ハイネもよくやったとばかりに微笑んでいる。彼女の横ではノアが頷いていた。
仲良しのクラスメイトたちだが、次の学年で本校への編入をすると彼らとは離ればなれになってしまう。
けれど、私は決めたのだ。トパゾセリアで魔法学校の先生になると。
いい先生になって、カマルの夢を叶える手伝いをしたいと。
(そのためには学ばなければ)
どんな環境であろうと自分がしっかりしていればやっていける。
それも一つの意見だし正しいと思う。
環境を変えたとしてもまた新しい難題が出てくるかもしれないし、自分自身で頑張らなければどこへ行っても同じ。
しかし、私の場合はそう言っていられず、場所を移した方がいいように思う。
自分は養父の権力に縋る半端者で国内の貴族たちの権力にあらがえない。
トパゾセリアの皆は私を守ってくれるだろうけれど、それだと周囲に迷惑をかける度合いが半端ない。意地を張ってもよいことはないのだ。
それに本校で真面目に教師育成プログラムを勉強すれば魔法学校教師の資格を取れ、どこの国でも働けるようになる。
やはり、私は本校へ行こうと思った。
城の大広間は大勢のトパゾセリアの人々で賑わっていた。
とはいえ、今集まっているのは国内貴族が中心のようだ。
「わあ、すごい」
モジモジしながら広間を観察し、私は目を瞬かせる。
何故モジモジしているのかと言えば、トパゾセリアの女性の正装は布地が少ないからだ。私の衣装はまだ布地が多い方だが、それでも普段着ている服と比べると肌の露出が多い。
男性陣の衣装も胸がはだけていたりおへそが丸出しだったりする。
カマルの父である国王が挨拶し、神官長のトール先生も挨拶させられている。
しかし、カマルの素晴らしさを延々と語り続ける彼は途中で退場させられてしまった。
概ねいつも通りだ。学園行事でもトール先生は度々暴走する。
そして、いよいよ私がカマルの婚約者として発表された。
カマルの恩人であり魔力過多、トール先生の生徒でハリールさんの養女という肩書きだった。
集まった人々は、私のことを好意的に考えてくれているようで、エメランディアの魔法学園で感じたような、冷たい値踏みの視線は飛んでこなかった。
私を支えるように立つカマルは、訪れた客たしに二人の仲のよさをアピールしている。
(恥ずかしいけれど、これも皆のため!)
笑顔でカマルに応じ、私も仲良しな婚約者ぶりを披露した。不思議な気分だ。
(私、トパゾセリアの人になるんだな)
そう思うと感慨深かった。
※
なんとか式典をこなし冬期休暇が終わる。
三学期が始まった。
エメランディアのヨーカー魔法学園へ戻った私は、さっそく寮の皆に取り囲まれる。
魔法都市新聞を手にしたノアが楽しそうに口を開く。
「アメリー、カマル、新聞に載っていたぞ! 婚約発表したんだってな!」
「そうそう、トパゾセリアの服ってかわいいね!」
ミスティも身を乗り出して言った。
「これで、エメランディアの貴族……アメリーに……言い寄れない。少なくとも、表向きは……」
ハイネもよくやったとばかりに微笑んでいる。彼女の横ではノアが頷いていた。
仲良しのクラスメイトたちだが、次の学年で本校への編入をすると彼らとは離ればなれになってしまう。
けれど、私は決めたのだ。トパゾセリアで魔法学校の先生になると。
いい先生になって、カマルの夢を叶える手伝いをしたいと。
(そのためには学ばなければ)
どんな環境であろうと自分がしっかりしていればやっていける。
それも一つの意見だし正しいと思う。
環境を変えたとしてもまた新しい難題が出てくるかもしれないし、自分自身で頑張らなければどこへ行っても同じ。
しかし、私の場合はそう言っていられず、場所を移した方がいいように思う。
自分は養父の権力に縋る半端者で国内の貴族たちの権力にあらがえない。
トパゾセリアの皆は私を守ってくれるだろうけれど、それだと周囲に迷惑をかける度合いが半端ない。意地を張ってもよいことはないのだ。
それに本校で真面目に教師育成プログラムを勉強すれば魔法学校教師の資格を取れ、どこの国でも働けるようになる。
やはり、私は本校へ行こうと思った。
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