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第一章
風華の心の中には
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それはまだ私が小学生三年生だった頃。
毎日近所に住む子供六人が一つの班になって登下校をしていた。
ひとつ下の風華はどこかとがっている子だった。
どこがとがっているのかはいまいち説明できないのだけれど、近づきすぎると傷つけられるんじゃないかと、そう感じさせる子だった。
私はそんな風華が苦手でこちらから話かけることはなかった。
いつも登下校の時、風華は私の後ろを歩いていた。
なにが嫌なことがあるのか知らないが、毎日毎日右、左、右、左と私が歩くたびに靴の後ろを踏んできた。
そのたびに私は足の痛みを感じて怒りを抱くのだが、なぜか風華にはなにも言わなかった。
今思うと私の知らない風華をとりまくなにかが彼女に理不尽さを教え、風華の心に不満を募らせていたのかもしれない。
その風華の抱えた不満が勝手に私に向けられて、風華に意地悪な行為をさせたのだろう。
それは私が大人になってから感じたことで、小学生の私には風華の心の内まで量り知るよしもなかった。
毎日近所に住む子供六人が一つの班になって登下校をしていた。
ひとつ下の風華はどこかとがっている子だった。
どこがとがっているのかはいまいち説明できないのだけれど、近づきすぎると傷つけられるんじゃないかと、そう感じさせる子だった。
私はそんな風華が苦手でこちらから話かけることはなかった。
いつも登下校の時、風華は私の後ろを歩いていた。
なにが嫌なことがあるのか知らないが、毎日毎日右、左、右、左と私が歩くたびに靴の後ろを踏んできた。
そのたびに私は足の痛みを感じて怒りを抱くのだが、なぜか風華にはなにも言わなかった。
今思うと私の知らない風華をとりまくなにかが彼女に理不尽さを教え、風華の心に不満を募らせていたのかもしれない。
その風華の抱えた不満が勝手に私に向けられて、風華に意地悪な行為をさせたのだろう。
それは私が大人になってから感じたことで、小学生の私には風華の心の内まで量り知るよしもなかった。
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