44 / 81
四十四話 一年二学期 七
しおりを挟む
放課後。
いつも通り部室に行き、退屈な時間を過ごす、俺達。
ポストには特に依頼もなく、スマホをいじりながら時間を潰す。
お隣のミス研も暇なようで、金田さんはこっちに来て灰村に勝負を挑んでいる。
すっかり仲良しになったな…
「退屈だな…」
俺は独り言のようにと呟いた。
「依頼がないって事は平和って事でしょ。いい事じゃん」
パチッと将棋の駒を置きながら灰村は俺へと言ってくる。
「まぁ、そうなんだけどさ。でもなんかしたく無い?」
「別に…私はすでに金田さんの相手してるし」
パチッと再び駒を動かす灰村。
「はい、王手」
「ちょ、ちょっと待って!!」
「待ては聞かない。私の勝ち」
「だああああ、また負けたああああ!!」
金田さんは頭を掻きむしりながら悔しそうにしている。これで何連敗してんだろう。
「決めた」
部室に来てからずっと雑誌を読み黙っていた快斗が突然声を出し、灰村の方を見た。
「灰村さん!!好きだ!!付き合って下さい!!」
快斗の唐突の告白。
「無理。死ね」
灰村の優しさのかけらも無い口撃。
「快斗ぉ。いい加減諦めなよ」
金田さんも呆れながら快斗に言う。俺も金田さんの意見に賛成だ。快斗はイケメンだし、余計な事言わなければモテるだろうし、灰村一人にこだわる必要もないだろ。
「そこをなんとか!!お試しでもいいから!!」
いつもは直ぐに引き下がるのに今日は粘ってきた。
「……そんなに私と付き合いたいの?」
「はい!!付き合いたいです!!」
灰村は顎に手を当て、少し考えてる様子。どうしたんだろ?
「私が別れたいっていったら別れてくれる?」
「も、もちろん!!言わせないように努力する!!」
「そう…じゃあ…付き合ってあげる」
快斗の気持ちが遂に届いた瞬間だ。
おめでとう快斗。
「やったあああ!!」
「跡野くん」
「はい!?」
「私達。別れましょ」
「ちきしょう!!そんな事だと思ってたよー!!」
「私と数秒だけでも恋人になれたんだから満足したでしょ。二度と告白してくんなよ」
快斗を一瞬だけ喜ばせておいて、一気に落とす…なんて性格が悪いんだ君は。
「快斗、灰村はそういう女だ。諦めて他の女子に行った方がいいよ」
「えー。灰村さん以上な女子なんていないって」
そこまで言いますか。凄いな快斗は。
「今年中に彼女が欲しい」
「なんで?」
「そこは秘密で」
「あっそう。じゃあ灰村以外と付き合うしか無いんじゃ…」
「灰村さんがよかったんだけど」
「私に執着するのは勝手だけど、そこからストーカーになったら、私、君を社会的に抹殺するから」
「そんな事しないって!!俺は女子の嫌がる事はしない男だよ」
胸を叩き、自信満々に立つ快斗。
灰村に何回も告白して、灰村に迷惑をかけていると言う自覚はないのだろうか?
灰村はため息を吐いた後、窓に視線を向け、会話を終わらせた。
会話も終わった頃、扉がコンコンとなるとガラガラと開いた。
「どうも。ここが探偵部の部室ね」
ドアの前に立っているのは新聞部で二年生の夢沼華蓮先輩だ。
「なにかようですか?」
俺は廊下で立っている夢沼先輩を歓迎する事もなく、話かける。
「あはは。すっかり嫌われたようだね。文化祭で君に言った事覚えてる?」
文化祭で夢沼先輩で言われた事…
「取材でしたっけ?」
「そ。灰村に跡野。後は間宮くんにね」
「なんで孝一にだけくん呼びなんですかー!!」
引っ掛ったのはそこかい快斗よ。
「まぁ、興味が出て来たからかな。間宮くんに」
興味…だと!?
夢沼先輩は二年で一番の美人さんと灰村が言っていた。その先輩が俺に興味が出て来ただと。
「君、かなり強いんでしょ?この間の文化祭。君と同じ苗字の間宮って女の子が、アームレスリング大会で優勝したんだけど。妹さんかな?」
薫の事か…確かにあいつ、優勝したって、言ってたな。
「まぁ、妹ですね。それがなにか?」
「その妹さんが私と同じ学年。腕力だけなら学校一の熊田を倒したんだけど、その時に妹さんが、兄さんを倒すのは私だ的な事言ってたらしいのよね。だから私は妹さんが倒したいって言ってた君はかなり強いと思ってるの」
熊田…先輩?だれだ。
俺は灰村に視線を送り、情報を求めた。
灰村も俺の視線の意味を理解し、情報を話し始める。
「熊田 圧。二年六組で部活は手芸部に所属している。そこの先輩の言う通り、学校一の腕力を持っているわね。六組は体育祭、二年の中で四位と決して順位は高く無いけど、綱引きでは圧倒的な強さを見せていたわね」
へぇ、そんな人いたんだ。
絡むことはなさそうだけど、覚えておこう。
「さすが、灰村ね。まぁ、その熊田を倒した君の妹。その妹が倒したい間宮孝一くんはもっと強いと言うわけ。だから興味出てきた。私、強い人って好きなのよね」
…だからか。文化祭終わってからやけに力仕事の依頼が多かったのは。
全部薫のせいか。
「ちょ、ちょっといいスか。えっ?なに、孝一ってそんなにつえーの?」
「快斗知らないんだっけ。間宮はねぇ、強いんだよ。なんか、お父さんがありとあらゆる武道やってて全てのチャンピオンだったんだってさ。てか、妹も強いとかあんたんち格闘一家なの?」
「俺は、そこまで格闘技に入れ込んでないよ。薫は夢中でやってるけど」
「へぇ、すげーんだな。さすがは俺の親友」
親友らしい行動を一度も見せたこと無いのに、よく言うな。
そう心に思うだけで決して口には出さない。
それより、夢沼先輩は俺に興味を持ったって事を言う為だけに来たのか?
「先輩さ、そんな事言う為だけにここに来たわけ?」
俺が聞くより先に灰村が質問した。
なぜか、不機嫌になっている気がするが。
「ふふ。そう怒んないでよ。確かに用件は別にある。君達、探偵部に依頼があるのよね」
夢沼先輩は不適な笑みを浮かべ、俺達に依頼を話し始めた。
いつも通り部室に行き、退屈な時間を過ごす、俺達。
ポストには特に依頼もなく、スマホをいじりながら時間を潰す。
お隣のミス研も暇なようで、金田さんはこっちに来て灰村に勝負を挑んでいる。
すっかり仲良しになったな…
「退屈だな…」
俺は独り言のようにと呟いた。
「依頼がないって事は平和って事でしょ。いい事じゃん」
パチッと将棋の駒を置きながら灰村は俺へと言ってくる。
「まぁ、そうなんだけどさ。でもなんかしたく無い?」
「別に…私はすでに金田さんの相手してるし」
パチッと再び駒を動かす灰村。
「はい、王手」
「ちょ、ちょっと待って!!」
「待ては聞かない。私の勝ち」
「だああああ、また負けたああああ!!」
金田さんは頭を掻きむしりながら悔しそうにしている。これで何連敗してんだろう。
「決めた」
部室に来てからずっと雑誌を読み黙っていた快斗が突然声を出し、灰村の方を見た。
「灰村さん!!好きだ!!付き合って下さい!!」
快斗の唐突の告白。
「無理。死ね」
灰村の優しさのかけらも無い口撃。
「快斗ぉ。いい加減諦めなよ」
金田さんも呆れながら快斗に言う。俺も金田さんの意見に賛成だ。快斗はイケメンだし、余計な事言わなければモテるだろうし、灰村一人にこだわる必要もないだろ。
「そこをなんとか!!お試しでもいいから!!」
いつもは直ぐに引き下がるのに今日は粘ってきた。
「……そんなに私と付き合いたいの?」
「はい!!付き合いたいです!!」
灰村は顎に手を当て、少し考えてる様子。どうしたんだろ?
「私が別れたいっていったら別れてくれる?」
「も、もちろん!!言わせないように努力する!!」
「そう…じゃあ…付き合ってあげる」
快斗の気持ちが遂に届いた瞬間だ。
おめでとう快斗。
「やったあああ!!」
「跡野くん」
「はい!?」
「私達。別れましょ」
「ちきしょう!!そんな事だと思ってたよー!!」
「私と数秒だけでも恋人になれたんだから満足したでしょ。二度と告白してくんなよ」
快斗を一瞬だけ喜ばせておいて、一気に落とす…なんて性格が悪いんだ君は。
「快斗、灰村はそういう女だ。諦めて他の女子に行った方がいいよ」
「えー。灰村さん以上な女子なんていないって」
そこまで言いますか。凄いな快斗は。
「今年中に彼女が欲しい」
「なんで?」
「そこは秘密で」
「あっそう。じゃあ灰村以外と付き合うしか無いんじゃ…」
「灰村さんがよかったんだけど」
「私に執着するのは勝手だけど、そこからストーカーになったら、私、君を社会的に抹殺するから」
「そんな事しないって!!俺は女子の嫌がる事はしない男だよ」
胸を叩き、自信満々に立つ快斗。
灰村に何回も告白して、灰村に迷惑をかけていると言う自覚はないのだろうか?
灰村はため息を吐いた後、窓に視線を向け、会話を終わらせた。
会話も終わった頃、扉がコンコンとなるとガラガラと開いた。
「どうも。ここが探偵部の部室ね」
ドアの前に立っているのは新聞部で二年生の夢沼華蓮先輩だ。
「なにかようですか?」
俺は廊下で立っている夢沼先輩を歓迎する事もなく、話かける。
「あはは。すっかり嫌われたようだね。文化祭で君に言った事覚えてる?」
文化祭で夢沼先輩で言われた事…
「取材でしたっけ?」
「そ。灰村に跡野。後は間宮くんにね」
「なんで孝一にだけくん呼びなんですかー!!」
引っ掛ったのはそこかい快斗よ。
「まぁ、興味が出て来たからかな。間宮くんに」
興味…だと!?
夢沼先輩は二年で一番の美人さんと灰村が言っていた。その先輩が俺に興味が出て来ただと。
「君、かなり強いんでしょ?この間の文化祭。君と同じ苗字の間宮って女の子が、アームレスリング大会で優勝したんだけど。妹さんかな?」
薫の事か…確かにあいつ、優勝したって、言ってたな。
「まぁ、妹ですね。それがなにか?」
「その妹さんが私と同じ学年。腕力だけなら学校一の熊田を倒したんだけど、その時に妹さんが、兄さんを倒すのは私だ的な事言ってたらしいのよね。だから私は妹さんが倒したいって言ってた君はかなり強いと思ってるの」
熊田…先輩?だれだ。
俺は灰村に視線を送り、情報を求めた。
灰村も俺の視線の意味を理解し、情報を話し始める。
「熊田 圧。二年六組で部活は手芸部に所属している。そこの先輩の言う通り、学校一の腕力を持っているわね。六組は体育祭、二年の中で四位と決して順位は高く無いけど、綱引きでは圧倒的な強さを見せていたわね」
へぇ、そんな人いたんだ。
絡むことはなさそうだけど、覚えておこう。
「さすが、灰村ね。まぁ、その熊田を倒した君の妹。その妹が倒したい間宮孝一くんはもっと強いと言うわけ。だから興味出てきた。私、強い人って好きなのよね」
…だからか。文化祭終わってからやけに力仕事の依頼が多かったのは。
全部薫のせいか。
「ちょ、ちょっといいスか。えっ?なに、孝一ってそんなにつえーの?」
「快斗知らないんだっけ。間宮はねぇ、強いんだよ。なんか、お父さんがありとあらゆる武道やってて全てのチャンピオンだったんだってさ。てか、妹も強いとかあんたんち格闘一家なの?」
「俺は、そこまで格闘技に入れ込んでないよ。薫は夢中でやってるけど」
「へぇ、すげーんだな。さすがは俺の親友」
親友らしい行動を一度も見せたこと無いのに、よく言うな。
そう心に思うだけで決して口には出さない。
それより、夢沼先輩は俺に興味を持ったって事を言う為だけに来たのか?
「先輩さ、そんな事言う為だけにここに来たわけ?」
俺が聞くより先に灰村が質問した。
なぜか、不機嫌になっている気がするが。
「ふふ。そう怒んないでよ。確かに用件は別にある。君達、探偵部に依頼があるのよね」
夢沼先輩は不適な笑みを浮かべ、俺達に依頼を話し始めた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います
きんもくせい
恋愛
リルベール侯爵家に嫁いできた子爵令嬢、ナタリーは、最初は純朴そうな少女だった。積極的に雑事をこなし、兄と仲睦まじく話す彼女は、徐々に家族に受け入れられ、気に入られていく。しかし、主人公のソフィアに対しては冷たく、嫌がらせばかりをしてくる。初めは些細なものだったが、それらのいじめは日々悪化していき、痺れを切らしたソフィアは、両家の食事会で……
10/1追記
※本作品が中途半端な状態で完結表記になっているのは、本編自体が完結しているためです。
ありがたいことに、ソフィアのその後を見たいと言うお声をいただいたので、番外編という形で作品完結後も連載を続けさせて頂いております。紛らわしいことになってしまい申し訳ございません。
また、日々の感想や応援などの反応をくださったり、この作品に目を通してくれる皆様方、本当にありがとうございます。これからも作品を宜しくお願い致します。
きんもくせい
11/9追記
何一つ完結しておらず中途半端だとのご指摘を頂きましたので、連載表記に戻させていただきます。
紛らわしいことをしてしまい申し訳ありませんでした。
今後も自分のペースではありますが更新を続けていきますので、どうぞ宜しくお願い致します。
きんもくせい
今さらなんだというのでしょう
キムラましゅろう
恋愛
王宮で文官として新たに働く事になったシングルマザーのウェンディ。
彼女は三年前に別れた男の子供を生み、母子二人で慎ましくも幸せに暮らしていた。
そのウェンディの前にかつての恋人、デニス=ベイカーが直属の上官として現れた。
そのデニスこそ、愛娘シュシュの遺伝子上の父親で……。
家の為に政略結婚している筈のデニスにだけはシュシュの存在を知られるわけにはいかないウェンディ。
しかし早々にシュシュの存在がバレて……?
よくあるシークレットベイビーもののお話ですが、シリアスなロマンス小説とはほど遠い事をご承知おき下さいませ。
完全ご都合主義、ノーリアリティノークオリティのお話です。
誤字脱字も大変多い作品となります。菩薩の如き広いお心でお読みいただきますと嬉しゅうございます。
性行為の描写はありませんが、それを連想させるワードや、妊娠出産に纏わるワードやエピソードが出てきます。
地雷の方はご自衛ください。
小説家になろうさんでも投稿します。
立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。
妹に婚約者を奪われ、屋敷から追放されました。でもそれが、私を虐げていた人たちの破滅の始まりでした
水上
恋愛
「ソフィア、悪いがお前との婚約は破棄させてもらう」
子爵令嬢である私、ソフィア・ベルモントは、婚約者である子爵令息のジェイソン・フロストに婚約破棄を言い渡された。
彼の隣には、私の妹であるシルビアがいる。
彼女はジェイソンの腕に体を寄せ、勝ち誇ったような表情でこちらを見ている。
こんなこと、許されることではない。
そう思ったけれど、すでに両親は了承していた。
完全に、シルビアの味方なのだ。
しかも……。
「お前はもう用済みだ。この屋敷から出て行け」
私はお父様から追放を宣言された。
必死に食い下がるも、お父様のビンタによって、私の言葉はかき消された。
「いつまで床に這いつくばっているのよ、見苦しい」
お母様は冷たい言葉を私にかけてきた。
その目は、娘を見る目ではなかった。
「惨めね、お姉さま……」
シルビアは歪んだ笑みを浮かべて、私の方を見ていた。
そうして私は、妹に婚約者を奪われ、屋敷から追放された。
途方もなく歩いていたが、そんな私に、ある人物が声を掛けてきた。
一方、私を虐げてきた人たちは、破滅へのカウントダウンがすでに始まっていることに、まだ気づいてはいなかった……。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結・全7話】「困った兄ね。」で済まない事態に陥ります。私は切っても良いと思うけど?
BBやっこ
恋愛
<執筆、投稿済み>完結
妹は、兄を憂う。流れる噂は、兄のもの。婚約者がいながら、他の女の噂が流れる。
嘘とばかりには言えない。まず噂される時点でやってしまっている。
その噂を知る義姉になる同級生とお茶をし、兄について話した。
近づいてくる女への警戒を怠る。その手管に嵌った軽率さ。何より婚約者を蔑ろにする行為が許せない。
ざまあみろは、金銭目当てに婚約者のいる男へ近づく女の方へ
兄と義姉よ、幸せに。
【本編完結】番って便利な言葉ね
朝山みどり
恋愛
番だと言われて異世界に召喚されたわたしは、番との永遠の愛に胸躍らせたが、番は迎えに来なかった。
召喚者が持つ能力もなく。番の家も冷たかった。
しかし、能力があることが分かり、わたしは一人で生きて行こうと思った・・・・
本編完結しましたが、ときおり番外編をあげます。
ぜひ読んで下さい。
「第17回恋愛小説大賞」 で奨励賞をいただきました。 ありがとうございます
短編から長編へ変更しました。
62話で完結しました。
今さら跡継ぎと持ち上げたって遅いです。完全に心を閉ざします
匿名希望ショタ
恋愛
血筋&魔法至上主義の公爵家に生まれた魔法を使えない女の子は落ちこぼれとして小さい窓しかない薄暗く汚い地下室に閉じ込められていた。当然ネズミも出て食事でさえ最低限の量を一日一食しか貰えない。そして兄弟達や使用人達が私をストレスのはけ口にしにやってくる。
その環境で女の子の心は崩壊していた。心を完全に閉ざし無表情で短い返事だけするただの人形に成り果ててしまったのだった。
そんな時兄弟達や両親が立て続けに流行病で亡くなり跡継ぎとなった。その瞬間周りの態度が180度変わったのだ。
でも私は完全に心を閉ざします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる