織田信長 -尾州払暁-

藪から犬

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第四章 蛟竜雲雨

十六

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 永禄三年(一五六〇年)五月十九日早暁・卯の刻、大高城より織田方の付城に向けて二隊が出撃した。世にいう桶狭間おけはざまの戦いの火蓋はここに切って落とされたのである。
 海岸沿いの鷲津砦を朝比奈泰朝・井伊直盛の連合隊二〇〇〇が攻める。守り手は三〇〇に満たない小勢だった。砦方に勝ち目はない。城将・織田秀敏、飯尾定宗らは、貝殻が蓋を閉じたかのように城に籠って防御に徹した。端から小山ごと包囲され蟻一匹が這い出る隙間もない。正光寺砦や氷上砦のように撤退することすらままならない状況だったが、――
「時間稼ぎにしかならぬというのに、なかなかどうしてしぶといものですなあ」
 彼らは一向に降伏の素振りを見せなかった。
「城に火を放て。山ごと焼いしまっても一向に構わぬ。燻り出してやるのだ」
 痺れを切らした泰朝は火刑を用いて、砦の城門・柵を悉く焼き尽くそうと試みた。元より大高城を包囲するためだけに織田方が築いた砦なのだ。落とした後には破却するだけで、今川方には何の利用価値もない要塞であるから、きれいにとっておくべき理由もない。しかし、順に火の手が回ってもなお、鷲津砦は頑迷だった。黒煙を上げながらなお、城門は一向に開かない。
「強情にもほどがある。蒸し焼きにされたいらしい」
「だが、これでは信長が後詰に現れたとしても、その頃には、城兵の息はありますまい。焼け死にたいのならば、殺してやりましょう」
 貝なら焼けば開くものだが、鷲津砦はいつまで経っても門を開かなかった。熱に耐えかねた門は、やがて焼け墨と化して崩れ落ちた。窯の中を覗き見たかのような火勢で、兵は近づけない。というより、この中に生きた人間などがあろうはずはなかった。泰朝も、直盛も、もはや砦が音を立てて焼け落ちていくのを見ているばかりだった。
「やれやれ。イヤに時間ばかりがかかる退屈な城攻めだったが、こちらの人死にないのが幸いでしたかな、直盛殿」
「そうですな。少ししたら、丸根砦攻めの加勢に参りましょうか」
「アア、いや、松平の坊主はお館さまの秘蔵っ子だ。ご本人もずいぶん気の強い性分です。加勢などしては妙な角が立つでしょうから、――今はここで待ちましょう」

――

 一方、元康が務める丸根砦攻めは、鷲津砦とはまったく異なる攻防を繰り広げていた。
「たかだか一〇〇〇の兵力差など、我らにとって物の数ではない。打って出るぞ。三河の青二才に一泡吹かせてやれ」
 佐久間盛重率いる丸根砦守備隊は三〇〇にも満たない兵で打って出た。牛のように突っ込んでくる盛重隊は、義元が評した通りの鉄砲玉だった。鬼のような形相で松平隊を一人でも道ずれにせんと槍を振るって迫りくる。
「何という無謀――織田の武者はこんな奴ばかりだッ」
 それも大将の盛重だけではない。一兵卒に至るまでが、まるで自分が一騎当千の兵だと信じているかのような戦いぶりだった。
「気狂いどもとまともに打合うな。退け。鉄砲の射程外へ退けば恐れるに足らぬッ」
 盛重は砦に残しておいた鉄砲隊の斉射によって敵方の足を止めさせ、その隙を突き、自ら指揮する槍隊を敵方に突撃させた。これにより松平勢の先鋒は出鼻を挫かれたたが、引き換えに、元康はすぐに敵の狙いに気づくことができた。
『砦から離れてしまえば、ただの白兵戦に、純粋な兵力差が物を言う戦場に変わる』
 そう考えて兵を退かせたし、兵たちも元康の采配を理解していた。
 ところが、佐久間盛重という猛者は、そういった敵のを、見逃さない。
「思ったほどの兵数はおらんな。今ぞ。仕切り直しをさせてやることはない。大将首を狙って突っ込めい。敵を殺すか、自分が死ぬか、今この時よりもはやそれだけよッ」
 砦から引き離されて射撃の援護の及ばない位置まで誘き出されながら、しかし、突撃した。
 安堵の隙を見せた松平勢の先鋒はバタバタとなぎ倒され丘陵を転がっていく。だが、大将の元康だけはその戦の鬼を前にしても焦る様子がなかった。何故か。
「今だッ、横槍を入れよッ――佐久間大学盛重の首を獲れ」
 細い狼煙が二筋上がる。次の瞬間、丘陵の影に腰を落として隠れていた松平勢の精鋭が左右から盛重隊に飛び掛かった。鉄砲隊を砦に残し、さらに数を減らしていた盛重隊はすでに二桁という兵数だろう、兵と兵とが一対一サシで向かい合うようなまともな戦にはならなかった。誰かが、盛重の首筋を一突きにして、叫んだ。大将首は鮮血を振りまいて、華麗に討ち取られたが、しかし、盛重隊の抵抗が止まない。大将の討死の事実を知りながら、また、ある者は、草原のうえに、二、三人の敵兵から抑えつけられながらも、なお、獣のように呻き、近くの敵兵の手首を噛み破ってこれを殺した。その時、元康は目を疑った。雑兵の手に掲げられている盛重の首、その両の目が動いたような気がした。
 丸根砦は、鷲津砦よりも早く落ちた。しかし、終わってみればどうだろう、松平勢の被害は甚大というほかなかった。敵兵をほとんと打ち尽くし、首級は三〇〇に届こうとしている。だが、一五〇〇居たはずの味方の兵も、一〇〇〇近くにまで減らされてしまっていた。
『もし、同数でぶつかっていたら、我々は負けていたのではないか?』
 元康はその戦場の亡者の熱気を振り払うように、何杯もの水を飲んだ。ところが、冴えていく脳は、落ち着くどころか、冷たい問いの刃を彼に突き立てるのみだった。
――勝ちとは、一体何なのだ? これだけの凄惨極まる戦いを、どうして「勝ち戦」と呼ばねばならぬのだろう?――
 自らを包んで轟く勝ち鬨が元康の耳に遠く聞こえていた。

――

 義元は鷲津・丸根の両砦の攻防を眼下に見下ろしていた。
 それぞれの経過は対称的でありなながらも、取り立てて複雑な様相はなく、漆山の山頂からでもその全容を理解することは容易かった。
「佐久間盛重と言ったか、やはり織田はキチガイばかりのようだ。松平勢には少々酷な戦をさせたが、それもまた、いずれ、元康が歩む道に立ちふさがる類のものだろう。松平勢は砦攻めの後、本隊こちらへ合流させようかとも考えてはいたが、しかし、それ以前に、これでは――」
 義元は、どうにも据わりが悪い心地がしてきていた。
 鷲津砦は四方から火の手が上がりその命数が決まった。丸根砦は守将・佐久間盛重が捨て身の突撃を敢行し、これも、これも時間の問題だった。喧騒は聞こえども、遠目にも優勢は見間違えようがなかった。つまり、
――このままでは、砦を、。なぜ、信長は現れない?――
 何も困る必要はなかった。むしろ、常の戦においてこれほど明確な勝利はなかった。後詰軍など、本来は来なければ良い。城攻めでは敵の後詰の到来をあらゆる手を使って妨害することさえあるのだから。けれども、今日に限っては義元の想定とあまりにかけ離れていた。義元は、砦を救いにやってきた信長軍と雌雄を決するつもりでいたのだ。未だ尾張一国すら十分にまとめきれていない織田信長という若造を相手に、三カ国を跨いで一万余の軍勢を率いて遠征に来たのは、その来るべき決戦において、完璧な勝利を掴み取るためであった。なるほど、大高城への付城の排除が目的だとは表向きは言える。しかし、内実は、信長との決戦がなければおかしい。義元は、そう考えていた。いや、信長という男の性質を
 義元は三河国で名の知れた古強者たちを数名呼び寄せて、あえて曖昧に訊ねる。
「どう思う」
「どう、と申されましても、お味方はいずれも大優勢。直に砦は落ちましょう――」
「そんなことはわかっている。このまま、信長の後詰軍が現れないことがあると思うか」
 この義元の質問は彼らをキョトンとさせた。
「その、――「現れないことが」と仰られますが、この段に至っては、信長はでしょう。清洲城での静観を決めたのだ、と誰の目にもそう映ります――」
「静観?それなら、何故、わざわざ砦の兵を殺すのか。端から戦う気がなければ、配下も戦わずして退かせれば良かろう?」
「それは、信長めの判断が鈍重で、はじめは戦おうとしていたところ、土壇場で怖気づいたからではないか、と拙者などは考えるものですが、……一体にお館さまは何をそのように、案じていらっしゃるので?」
 誰から何を聞いても、義元は一向に腑に落ちなかった。けれども、同時に、自分が妙な矛盾に囚われていることにも思い至った。もし、信長がなら、その行動と家臣たちの推定とはピタリと一致する。
――信長自らが後詰に出て来るだろうというのは、決戦に逸る自らの気持ちがそうさせているだけなのかもしれない――
 義元は深く息を吐いて、鳴海方面の街道を睨みつけた。
 鷲津砦からは黒煙が天へとまっすぐに伸び、雲の中に吸い込まれ続けている。鷲津砦の陥落を確信するが早いか、背後からは丸根砦からやってきた元康の伝令が大層うれしそうな声を上げて報告した。
「申し上げます。丸根砦城将・佐久間信盛を討ち取り、砦を接収いたしました。御首級みしるしはこちらに」
 盛重の顔などは義元は知らないが、歯を食いしばるあまり唇から血を流しているその形相で「アア、あの砦の大将に違いない」と一目で判じた。つい一刻ほど前にあれほど暴れ回っていた者の首を手に取っているという不可思議が、義元をより一層現実から突き放した。
 いつの間にか、卯の刻を回った。丸根砦・鷲津砦は滞りなく今川軍の手に落ちた。
 信長は、救援に現れなかったのである。
 再び軍議を開かれたが、釈然としない思いを抱えているのはほとんど義元だけだった。重苦しい沈黙がひたすらに時間を暴食していた。『我らが主は何を考えておられるのだろうか』、そういった思いが暗黙のうちに折り重なって
のことか、ついに、意気軒高な意見を彼らに言わせるに至った。
「信長は臆病風に吹かれたようですな。余勢を駆り、鳴海を囲む中島、善照寺、丹下の砦を攻めましょう」
「信長は清洲に籠城、結構ではないですか。我らはいまだ無傷の兵、鳴海城の岡部さまをお救いしたく存じまする」
 挙って進撃を勧める家臣たちの眼が、義元には酒に溺れた者のように見えた。上がり続ける士気のなかに、義元はただ一人大将の自分だけが取り残されたかのような孤独に襲われる。気付けば空に薄い雲が広がり、山頂は、薄暗く、そして、肌寒い場所となっていた。家臣たちの言が間違っているなど頭ごなしに言うつもりはない。事実、信長の後詰軍を迎撃するために着陣したこの漆山に居続ける意味はもうなくなっているのだ。だが、どこへ動けば良いというのだろう? 義元は、ありとあらゆる経験を身体から絞り出すように動員するが、即座に決断することはできなかった。彼らが薦めるように、大高城に続いて鳴海城の封鎖解除へと乗り出すことは何らおかしくない。本体七〇〇〇、服部党の水軍数百、松平勢は今日は動けないとしても、井伊・朝比奈の残存勢力とて一〇〇〇以上は残っている。これだけの軍勢を動員して、敵の砦一つも落とす戦火すら上げられないということはあり得ない。信長に来る気がないのなら、尚のことだ。
 義元は瞬きすら惜しみ、未だ鳴海を遠望していた。中島、善照寺、丹下の砦にも、未だこれといった動きは見られない。その奥の熱田は見通せないが、静かなものだろう。大高城の北西の海岸には服部党の船団が十数隻付けられ、中から人が溢れて城への兵糧をたんまりと運んでいる。それは、戦の只中とは思えない穏やかな漁師たちの営みであるかのようにさえ映った。
 不意に、義元は打刀を握りしめる自らの手に汗がつたうのを感じた。宗三左文字そうざさもんじ・甲相駿三国同盟が結ばれた折、信玄から義元へと贈られた名刀だった。その武田信玄、それから相模の北条氏康との三国同盟があればこそ、義元は、大軍を率いて尾張にまで遠征することが出来たと言えよう。駿府の北と東、その背中は彼らにすっかり預けてられていた。
――背中?――
 それが、一つの些末事を思い起こすきっかけとなる。
「刈谷城の水野信近はどうした、誰か連絡を受けているか」
「ハ――?、刈谷の、水野、ですか」
「水軍にて服部党に合流すると返事を寄越したのだろう。彼奴はどうした、と聞いている」
 水野の水軍など、見張るかす海原のどこにも居はしなかった。
「それでは、善照寺砦、氷上砦を退いた水野信元、佐治為景はどこで何をしている?」
 義元は一度気になったことは解消されなければ気が済まない性分だった。
「それが、砦を撤退された後の、信元殿、為景殿は、しばし身を隠すとのことで――」
「ここへは、来ぬというか」
「ハイ。何でも、使者の言うことには、砦での撤退が織田方に怪しまれており、これ以上は上手く動けぬという話で、――」
 問えば問うほどに増えて行く不安要素が義元を激昂させる。
「もう良い――」
『これがすべて偶然だと思うか?』
 そう家臣に訊ねようと思い立ち、そして、思い留まった。
『偶然でなければ、何だと言うのですか』
 そう返される他ないと知っていたからだ。
――もし、水野兄弟の二人ともが、今川に寝返った振りをしながら、その実、織田方に留まっているのだとしたら?――
 義元がその先に、朧気な不安の正体の答えに、自らアタリをつけたとき、それを裏付けるかのような注進がもたらされる。
「申し上げます。刈谷へ向かわんとする織田の間者を捕らえました」
 手渡された密書は信長から信近へと宛てられたものだった。
――来た。信長は砦二つを見殺し、我らをこの大高へと誘い込んだ。戦勝に酔わせ、さらに深く、鳴海にまで深入りさせようとしたのだろう。そして、自らは危険な戦場に立つことなく、刈谷衆を使って背後を攪乱。我らの退路を断ち、この一万余の大軍勢を敵地で路頭に迷わせようという算段だ。もし、これがすべて信長の思い通りに進んだなら、駿府への撤退にも犠牲が出よう――
 義元は危機に冴えていた。
 思い返せば、いくら無傷の軍隊とはいえ、疲労の色は大分濃くなってきていた。駿河から尾張に至るまでの長い行軍、重たい兵糧の運搬を行い、加えて、昨夜は大高城の規模に収容しきれない雑兵たちには野営を強いた。さらには、満潮に合わせた作戦遂行のために削られた睡眠、いつ現れることだろうかと今の今まで緩めることができなかった全兵の緊張。事実、義元でさえからだに鉛を感じざるを得なかった。
 戦場で義元を取り巻いていたあらゆる不自然の糸は手繰り寄せられ、一つの推察の束となった。
「丸根の元康にはこう伝えよ。『大高へ退き、戦死者を弔い、後命あるまで待機せよ』とな。また、大高の城番を松平勢とする代わりに、長照を氷上砦へ向かわせ、海路を掌握させておくといい。また、鷲津の泰朝は砦に残り、鳴海街道を監視、直盛は手勢を率いて本隊こちらへ合流させよ」
「お館さま、一体何を――」
――強者ほど、思慮深く動かなければなりませぬ――
 義元は鳴海への進撃を踏みとどまった。この優勢はまやかしだと気がついた。すでに兵は疲労していた。兵糧を運び、夜を明かし、山を登ったが、七〇〇〇の大軍は無傷だが、だと考えた。彼らの心は空高く舞い上がっていたが、裏腹に、その身体は直に地に伏すことを義元は見逃さなかった。
 大号令が鳴り響く。ここにすべてが腑に落ち、胸がすくような思いを得て、義元は思わず不似合いな叫びをあげる。
「聞けッ。我らは今日、大高城を囲む織田方の砦を悉く陥落せしめ、城将・鵜殿長照の救援を成し遂げた。戦火は十二分である。これより駿府へ帰還する。皆の者、苦労をかけた。急ぎ、陣をはらえ。これより駿府へ帰還するッ」
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