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第二章 台風の目
十
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守護・斯波義統の中間の一人に、簗田政綱という男がいた。その器量の良さと端正な顔立ちで主である義統の覚えめでたい若武者であった。
天文二十一年(一五五二年)夏、政綱は、坂井甚助の兵として萱津の戦いに赴いた。大膳はこの戦いで、主家である斯波からもいくらか兵を割かせた。敵の織田信長に、清洲衆と斯波が一体であることを喧伝する目的か、はたまた、斯波から人質をとる意味もあっただろうか、ともかく使えるものは何でも使おうという魂胆で、坂井大膳とはそういう男であった。
血しぶきにむせぶ草原のなかで、政綱は感じていた。
『信長軍は強い。これは、例え何度やっても勝つことはできないだろう』
大将だった坂井甚助を含め、この戦いで討死した清洲の兵の誰も彼もがそう思って死んだことだろう。
死の陰がひたひたと迫る中で、政綱は、朧気な一つの希望を夢想していた。
『もし、この戦いを生きて帰ることができたら、翻って織田信長に仕えてみたら、おもしろいだろうか?』
そして、天は、この男をついに生還させる。
秋・信長が清洲城下を焼き払った所為で、清洲城は貧窮していた。
戦うための兵糧どころか、生活のためにもまったく足りない。清洲衆のみならず、斯波家にしても同じことで、家中ではいよいよ「信長と和睦し、援助を乞うべきだ」という意見が大半を占めるようになっていた。とにかく目の前のひもじさから逃れたい。
しかし、坂井大膳はこれに応じない。彼の心のすべては、信長を倒すために捧げられていた。散々に守護の権威を利用してきた大膳だが、もう、この期に及んではそれも大した意義を持っていなかったからである。ただ、そういった志向が表面に現れてくると、当然、斯波の方でも不満がこみ上げてくる。肝心なときには役に立たないのでは、厄介な居候以上のものではない。
こうして、斯波・清洲衆の両者は、信長が手を下すまでもなく、瞬くまに 剣呑な関係に陥った。
政綱はこの様相を見てとり、いよいよ守護代・清洲織田氏に見切りをつける覚悟を決める。
『織田信長の方が強い。乱世で武衛さまの盾が必要なら、より頑丈なものを選ぶだけのことだ。私がこれから行うことは、忠義の行いだ』
兼ねてより思案していた信長への鞍替えをいよいよ実行に移そうというのだった。
『そうなると信長への土産が必要だな。単に「裏切りますので、使ってください」とだけ言っても信用されるはずはない。何か良い手はないか?』
その時、政綱は清洲衆の配下に若いひとかどの部将がいることを思い起こした。名を、那古野勝泰という。勝泰は若くして兵三〇〇を率いるほどの新進気鋭の武者で、信長への土産としても面目が立つことは間違いない。さらに、都合が良いことには、この勝泰の父は、かつてまだ今ほど清洲衆と弾正忠家が険悪でない頃、織田信秀の元で今川義元を相手に戦って名誉の討死を遂げたというではないか。勝泰と弾正忠家の妙な縁は、政綱にとって成功の吉兆に感じられた。
さて、政綱は得意の美貌を活かして勝泰と男色の関係になって近づき、およそ信頼を築いたと確信した頃、いよいよ本題を打ち明けた。
「確かにお前さんの言う通りかもしれないなあ。萱津で甚助殿が死んでからというもの、いよいよ、もう大膳殿を止める人がいなくなってしまった。この城の命数は決まったのだな」
「そうでしょう。そも、あなた様とて真に仰ぐべき主は坂井大膳ではなく武衛さまではありませんか。誠の忠義とは何か、織田信長殿に助力を乞い、武衛さまをこの窮状からお救いすることです」
「いいだろう。信長殿との連絡はお前に任せよう。「時が来たら兵を率いて味方する」と、伝えてくれ」
こうして政綱は勝泰の協力を取り付けて、さっそく信長に接見するため那古野へ出向いた。「さて、どう会うのが良いか?」と 町を練り歩きながら、もう一思案と意気込んでいたが、その必要は早々になくなった。
「信長さまなら今日は熱田の方で鷹狩りだがね。何で知ってるかって、アンタここいらの人じゃないのか。あの格好でどこへでも行くもんだから、だいたい見当がつくが」
町民から話を聞いて「これは好機」と急行する。
織田信長を目の当たりにした政綱は、いよいよ発奮した。遠くからでもそれが本人だと分かる派手なヒョウ柄の半袴を履いていた。
『なるほど、「うつけ」と言われるのは無理もない。もし、非礼があればその場で首がとぶかもしれない。イヤ、非礼などなくとも、清洲の人間だというだけで問答無用にやられてしまうかもしれないな。しかし、そんなことはもうどうでもいい。このままでは、清洲城は終わるのだ。ここで自分が死ぬとしても、それが早いか、遅いか、だ』
「―と、覚悟して参った次第でございます。必ずや信長さまのお役に立って見せます」
「アッハッハ。オレと会ったこともないのに、もうそこまで手筈を整えたのか。ほんとうなら大した働きだな。仮に嘘だとしても愉快な嘘だよ、キサマ」
信長は警戒するどころかこの上なく機嫌をよくした。
「だが、オレは良くとも、オレの家来がまだキサマを承知しないようだ。見ろ、この長秀などいまにもキサマを斬り殺さんという勢いだぜ」
信長の傍らに侍る若い侍が、太刀に手をかけて自分を睨みつけていた。政綱は、自分よりもずっと幼いこの侍の殺気に腰を抜かしそうだった。こんな兵隊が何十人といるのだとしたら、それは負けるはずだ。
「長秀、手を離せ。こいつが言っていることは十中八九ほんとうだろうさ」
「いいえ、十中八九ではこころもとない。私共は殿の命を預かる身、万に一つも嘘では困るのです。この簗田殿が坂井大膳の命を受けた刺客だということも、あり得ない話ではない」
長秀は政綱から目を離さず、口だけを人形のように動かして話した。
確かに長秀の言うことには理がある。事実、大膳はいよいよ手段を選ばず信長を葬る情熱に燃えている。政綱が信長への鞍替えを思いついたように、大膳の方でも信長に対抗する知恵を振り絞っていることだろう。思惑は人それぞれではあるが、彼ら一人ひとりの心に変革を迫る効果が、あの戦いには確かにあったのだ。
「長秀殿、と仰ったかな。では、私はどうすればよろしいか」
「そうですね、簗田殿、こういうのはいかがでしょう。私の丹羽一族は、元々、武衛家にお仕えする家柄でありました。今も武衛さまの家臣のなかには、私の父や祖父の代に親交のあった者が幾名かおられます。彼らにも、こちら側へ寝返るように言っていただきたい。これが見事できれば、貴殿を信用できるというものです」
「なるほど、承知しました。ご期待に応えて見せましょう」
「決まりだな。政綱よ、早ければ早いほど良いということを忘れるな。それとだな、奴らを調略するにあたって、こうつけ加えて話してみよ。『清洲衆は弾正忠家を成敗するために、どうやら今川と手を組むつもりらしい。大膳のところの間者が鳴海城へ向かうのを見た者がいる』とね」
そのような事実は、いや、少なくとも証拠はなかった。だがしかし、信長には、坂井大膳という男が結局は必ずそうしてくるだろう、という確信があったのだ。また、斯波義統とて本心から大膳の言いなりであるはずがない。むしろ、もはや煙たがっているに違いないのだ。であれば、背中を押してやる。『政綱がそう考えたように、清洲衆を見限るきっかけを斯波義統本人にも作ってやろう』というのが、信長の考えだった。
「渡りに舟だな」
信長は、斯波がいずれ清洲衆を見限ることにアタリをつけてはいた。だが、なまじ清洲城という一所に暮らしているものだから、大膳らの目を逃れて上手く連絡する手段だけがないと思っていたところ、向こうから勘のいい奴がわざわざやってきたというわけだ。簗田政綱という男は、信長にとって実に痒いところに手が届く逸材となった。
さて、政綱が戻って話をしてみると、斯波の家臣らはこの期に及んで信長に敵対する気など毛頭ないから、彼らから信長の元へ同心する旨の文が届くのには、時間はかからなかった。
天文二十一年(一五五二年)夏、政綱は、坂井甚助の兵として萱津の戦いに赴いた。大膳はこの戦いで、主家である斯波からもいくらか兵を割かせた。敵の織田信長に、清洲衆と斯波が一体であることを喧伝する目的か、はたまた、斯波から人質をとる意味もあっただろうか、ともかく使えるものは何でも使おうという魂胆で、坂井大膳とはそういう男であった。
血しぶきにむせぶ草原のなかで、政綱は感じていた。
『信長軍は強い。これは、例え何度やっても勝つことはできないだろう』
大将だった坂井甚助を含め、この戦いで討死した清洲の兵の誰も彼もがそう思って死んだことだろう。
死の陰がひたひたと迫る中で、政綱は、朧気な一つの希望を夢想していた。
『もし、この戦いを生きて帰ることができたら、翻って織田信長に仕えてみたら、おもしろいだろうか?』
そして、天は、この男をついに生還させる。
秋・信長が清洲城下を焼き払った所為で、清洲城は貧窮していた。
戦うための兵糧どころか、生活のためにもまったく足りない。清洲衆のみならず、斯波家にしても同じことで、家中ではいよいよ「信長と和睦し、援助を乞うべきだ」という意見が大半を占めるようになっていた。とにかく目の前のひもじさから逃れたい。
しかし、坂井大膳はこれに応じない。彼の心のすべては、信長を倒すために捧げられていた。散々に守護の権威を利用してきた大膳だが、もう、この期に及んではそれも大した意義を持っていなかったからである。ただ、そういった志向が表面に現れてくると、当然、斯波の方でも不満がこみ上げてくる。肝心なときには役に立たないのでは、厄介な居候以上のものではない。
こうして、斯波・清洲衆の両者は、信長が手を下すまでもなく、瞬くまに 剣呑な関係に陥った。
政綱はこの様相を見てとり、いよいよ守護代・清洲織田氏に見切りをつける覚悟を決める。
『織田信長の方が強い。乱世で武衛さまの盾が必要なら、より頑丈なものを選ぶだけのことだ。私がこれから行うことは、忠義の行いだ』
兼ねてより思案していた信長への鞍替えをいよいよ実行に移そうというのだった。
『そうなると信長への土産が必要だな。単に「裏切りますので、使ってください」とだけ言っても信用されるはずはない。何か良い手はないか?』
その時、政綱は清洲衆の配下に若いひとかどの部将がいることを思い起こした。名を、那古野勝泰という。勝泰は若くして兵三〇〇を率いるほどの新進気鋭の武者で、信長への土産としても面目が立つことは間違いない。さらに、都合が良いことには、この勝泰の父は、かつてまだ今ほど清洲衆と弾正忠家が険悪でない頃、織田信秀の元で今川義元を相手に戦って名誉の討死を遂げたというではないか。勝泰と弾正忠家の妙な縁は、政綱にとって成功の吉兆に感じられた。
さて、政綱は得意の美貌を活かして勝泰と男色の関係になって近づき、およそ信頼を築いたと確信した頃、いよいよ本題を打ち明けた。
「確かにお前さんの言う通りかもしれないなあ。萱津で甚助殿が死んでからというもの、いよいよ、もう大膳殿を止める人がいなくなってしまった。この城の命数は決まったのだな」
「そうでしょう。そも、あなた様とて真に仰ぐべき主は坂井大膳ではなく武衛さまではありませんか。誠の忠義とは何か、織田信長殿に助力を乞い、武衛さまをこの窮状からお救いすることです」
「いいだろう。信長殿との連絡はお前に任せよう。「時が来たら兵を率いて味方する」と、伝えてくれ」
こうして政綱は勝泰の協力を取り付けて、さっそく信長に接見するため那古野へ出向いた。「さて、どう会うのが良いか?」と 町を練り歩きながら、もう一思案と意気込んでいたが、その必要は早々になくなった。
「信長さまなら今日は熱田の方で鷹狩りだがね。何で知ってるかって、アンタここいらの人じゃないのか。あの格好でどこへでも行くもんだから、だいたい見当がつくが」
町民から話を聞いて「これは好機」と急行する。
織田信長を目の当たりにした政綱は、いよいよ発奮した。遠くからでもそれが本人だと分かる派手なヒョウ柄の半袴を履いていた。
『なるほど、「うつけ」と言われるのは無理もない。もし、非礼があればその場で首がとぶかもしれない。イヤ、非礼などなくとも、清洲の人間だというだけで問答無用にやられてしまうかもしれないな。しかし、そんなことはもうどうでもいい。このままでは、清洲城は終わるのだ。ここで自分が死ぬとしても、それが早いか、遅いか、だ』
「―と、覚悟して参った次第でございます。必ずや信長さまのお役に立って見せます」
「アッハッハ。オレと会ったこともないのに、もうそこまで手筈を整えたのか。ほんとうなら大した働きだな。仮に嘘だとしても愉快な嘘だよ、キサマ」
信長は警戒するどころかこの上なく機嫌をよくした。
「だが、オレは良くとも、オレの家来がまだキサマを承知しないようだ。見ろ、この長秀などいまにもキサマを斬り殺さんという勢いだぜ」
信長の傍らに侍る若い侍が、太刀に手をかけて自分を睨みつけていた。政綱は、自分よりもずっと幼いこの侍の殺気に腰を抜かしそうだった。こんな兵隊が何十人といるのだとしたら、それは負けるはずだ。
「長秀、手を離せ。こいつが言っていることは十中八九ほんとうだろうさ」
「いいえ、十中八九ではこころもとない。私共は殿の命を預かる身、万に一つも嘘では困るのです。この簗田殿が坂井大膳の命を受けた刺客だということも、あり得ない話ではない」
長秀は政綱から目を離さず、口だけを人形のように動かして話した。
確かに長秀の言うことには理がある。事実、大膳はいよいよ手段を選ばず信長を葬る情熱に燃えている。政綱が信長への鞍替えを思いついたように、大膳の方でも信長に対抗する知恵を振り絞っていることだろう。思惑は人それぞれではあるが、彼ら一人ひとりの心に変革を迫る効果が、あの戦いには確かにあったのだ。
「長秀殿、と仰ったかな。では、私はどうすればよろしいか」
「そうですね、簗田殿、こういうのはいかがでしょう。私の丹羽一族は、元々、武衛家にお仕えする家柄でありました。今も武衛さまの家臣のなかには、私の父や祖父の代に親交のあった者が幾名かおられます。彼らにも、こちら側へ寝返るように言っていただきたい。これが見事できれば、貴殿を信用できるというものです」
「なるほど、承知しました。ご期待に応えて見せましょう」
「決まりだな。政綱よ、早ければ早いほど良いということを忘れるな。それとだな、奴らを調略するにあたって、こうつけ加えて話してみよ。『清洲衆は弾正忠家を成敗するために、どうやら今川と手を組むつもりらしい。大膳のところの間者が鳴海城へ向かうのを見た者がいる』とね」
そのような事実は、いや、少なくとも証拠はなかった。だがしかし、信長には、坂井大膳という男が結局は必ずそうしてくるだろう、という確信があったのだ。また、斯波義統とて本心から大膳の言いなりであるはずがない。むしろ、もはや煙たがっているに違いないのだ。であれば、背中を押してやる。『政綱がそう考えたように、清洲衆を見限るきっかけを斯波義統本人にも作ってやろう』というのが、信長の考えだった。
「渡りに舟だな」
信長は、斯波がいずれ清洲衆を見限ることにアタリをつけてはいた。だが、なまじ清洲城という一所に暮らしているものだから、大膳らの目を逃れて上手く連絡する手段だけがないと思っていたところ、向こうから勘のいい奴がわざわざやってきたというわけだ。簗田政綱という男は、信長にとって実に痒いところに手が届く逸材となった。
さて、政綱が戻って話をしてみると、斯波の家臣らはこの期に及んで信長に敵対する気など毛頭ないから、彼らから信長の元へ同心する旨の文が届くのには、時間はかからなかった。
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