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第一章 うつろの気
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年が明けて、翌・天文十七年(一五四八年)正月、信秀は、親族や主だった家臣を古渡城に集めて盛大な新年会を開いた。
銘々が自慢の土産を持って信秀の元を訪れ、恭しく挨拶を述べる。すると、信秀の方ではさらに高価な代物を用意していて、お礼に気前良くそれを手渡してやる。
かつて公家衆までもが褒めそやした豪華絢爛な古渡の城館。そこで行われる新年会は、弾正忠家の威光を示す証として、もはや名物となっていた。
しかし、その渦中に信長の姿はない。広間の賑わいが届かないほど離れた一室で、彼は、寝転がって一人の童と将棋を指していた。
「竹千代と言ったか。キサマはいくつになるのか」
「五歳になりました」
「織田の暮らしはどうだ」
「悪くのうございます」
「どう、悪くないのだ」
「皆、親切にしてくださいます」
「親切にしてもらえれば、悪くないか」
「人質の身なれば」
松平竹千代は三河・岡崎城主・松平広忠の嫡男として生まれたが、当時の松平家は、東・遠江から今川義元に、西・尾張から織田信秀にその所領を脅かされるという窮地にあった。
先年、いよいよ織田信秀の手によって岡崎城が一挙に攻め落とされると、広忠は、降伏の証として嫡男の竹千代を織田へ人質に出した。松平家の諸城は信秀が今川領へ侵攻するための橋頭保になるかと思えた。ところが、である。ほどなくして、広忠は、織田への降伏を反故にし、今川へ臣従する意向を示した。尾張に留め置かれている竹千代は、いわば見殺しにされた形である。
「閉じ込められて窮屈だったろう。だが、今日は出られたな」
「はい。「めでたい日だから」と信秀さまが、」
「アハハ。それは違う。キサマの父が、織田を見限って今川についたからだ。知っていよう。キサマは見捨てられて人質の価値を半ば失ったのだ」
「、聞き及んでいます」
「恨んでいるか、父を」
「いいえ」
「では、織田を恨んでいるな」
「いいえ」
「それでは、誰も恨んでいないのか」
「はい。乱世のならいです」
「それは殊勝な心掛けだな」
盤上の戦局は、信長がすこし優勢というところだったが、当の信長本人には、これがどうも奇妙に感じられた。
信長は、自分が、さして将棋が上手くないことを知っている。定石というのをよく知らないから、気を抜くとすぐに悪くなるのだ。それなのに、この対局はどうだろう? そういったことが少しも起こらない。竹千代の世話をしているのは熱田を牛耳る土豪・加藤家の順盛という男だったが、信長は彼から、「竹千代の坊主はたいそう将棋を好む」と聞いて遊びにやってきたのだ。しかし、指してみるとまるで手ごたえがない。こういったニオイを嗅ぎ取ることについて、信長は病的に長けていた。
「なるほど。これも、殊勝な心掛けの一つというわけか」
相手の思惑が分かってしまうと、それに乗るのはつまらない。信長はちょっと考えてから、しずかに、わざと悪手を指した。作為と悪意の籠った一手である。しかし、竹千代はこれを咎めるような手を指さない。考えた通りであった。こうなると、信長は退けない。少しずつ、しかし確実に、自分が劣勢になるように悪手をちりばめていく。竹千代の利発そうな両の目が、次第にどろどろ泳ぎ出した。
どこかの局面で居直ってしまえば何も苦しむ必要はなかった竹千代だが、既にその機を逸していた。棋譜はもはや対局の体をなしていない。盤に、大粒の涙が落ちて染み入る。
「申し訳ございません」
「そういう真似は相手を選べ。キサマ、将棋はオレよりうまいが勝負は下手だな」
およそ十も歳が離れた童を泣かせても、信長はまったく心を痛めない。俯いたままの竹千代に尚も語り掛ける。
「なぜ、オレがキサマを責めるか、分かるまい。なぜ、オレ以外の家中の大人たちがキサマに親切にするか、分かるまい。奴らは哀れんでいるのさ。父親に見捨てられ、敵の家中にあって人質の価値を失い、いつ首が飛ぶかしれないにも関わらず一所懸命にオベッカを使う、殊勝な童をだ」
松平竹千代は、「納得する」ということに関して誰よりも秀でていた。理を解し、腑に落とす才覚である。政争の都合で母と生き別れとなったときも、織田の人質となったときも、父に半ば見殺しとされたいまも、取り乱すことがなかった。すべては、乱世のならいである。自分だけが不幸なわけではないのだから、誰が悪いということではない。周囲の人間は、その振る舞いを見て、口々に「立派だ」と褒めそやした。いつ消えるかもしれない幼い命に、あえて辛辣な現実を叩きつける者などいなかった。織田信長を除いては。
「キサマが何を目指して生きているのかサッパリ分からんのだ。父親や今川が憎ければ織田に降って奴らと戦え。反対に、織田が憎ければ、今日この日はまたとない好機、キサマは懐剣の一つでも呑んでここへ来るべきだった。キサマは何も望んでいないのだ。望むものがないというのは、つまり、生きていないということさ。だから、キサマは死がすぐそこまで迫ってきていても、心が動じない。だが、それを指して「肝が据わっている」などというのは、いかにも大人連中の好むくさい理屈じゃないか」
物心ついて間もない童に放つような言葉ではない。むしろ、自分に言い聞かせているようである。
「オレは違う。清洲を滅ぼして尾張を、斎藤を滅ぼして美濃を、そうして松平・今川を滅ぼして三河を支配するのだ。そう言うと「織田信秀にすら成せないことが、うつけの世継ぎにできるものか」と皆、笑うんだがね。しかし、ともかくやると決めているんだ。……戦で負ければいまのキサマのように泣くかもしれん。命の危機がいよいよ迫れば腰を抜かすこともあるだろうが、からだより先に心が死ぬことは決してない」
竹千代に突き立てられた信長の言葉は、その熱量は、例えば、明日にでも竹千代の首が刎ねられてしまえば、まるで無駄である。しかし、信長はそういうことを考えない。多くの人間が対人関係で無意識に抱くであろう損得計算を、この男はしなかった。
『いま、ここにオレがいて、キサマがいる』
それだけが、織田信長の対話の流儀だった。
信長の口から紡がれた言葉のすべては、当然、竹千代には分からない。しかし、不思議と嫌な風はない。目の前の男が、「大うつけ」と呼ばれていることも知っている。しかし、不思議と力強い。
竹千代は涙を拭い、顔を上げた。
「もう一度、信長さまときちんと勝負がしとうございます」
その時、ちょうど、どこからか信長を呼ぶしわがれ声が聞こえてきた。声は徐々にこちらへ近づいてくる。
「うるさいのが来たな。勝負はつぎにお預けだ。だが、そのときは、盤上で済むとは限らんのだぜ」
アア、そうか。この人は、わたしが思わず目を背けてきたものと、ずっと戦っているのかもしれない。竹千代は簡単にそう解した。そして、それで十分だった。
「はい。乱世のならいです」
「それは殊勝な心掛けだな」
信長はニヤリと笑ってその場を後にした。
この松平竹千代こそ、後の、織田信長の最大の同盟者にして、江戸幕府初代征夷大将軍となる徳川家康である。およそ十二年後、永禄三年(一五六〇年)より、この二人の運命は再び数奇に絡み合い、やがて歴史を大きく動かすうねりとなるが、それはまだ誰も、信長でさえも知らないこと。
銘々が自慢の土産を持って信秀の元を訪れ、恭しく挨拶を述べる。すると、信秀の方ではさらに高価な代物を用意していて、お礼に気前良くそれを手渡してやる。
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しかし、その渦中に信長の姿はない。広間の賑わいが届かないほど離れた一室で、彼は、寝転がって一人の童と将棋を指していた。
「竹千代と言ったか。キサマはいくつになるのか」
「五歳になりました」
「織田の暮らしはどうだ」
「悪くのうございます」
「どう、悪くないのだ」
「皆、親切にしてくださいます」
「親切にしてもらえれば、悪くないか」
「人質の身なれば」
松平竹千代は三河・岡崎城主・松平広忠の嫡男として生まれたが、当時の松平家は、東・遠江から今川義元に、西・尾張から織田信秀にその所領を脅かされるという窮地にあった。
先年、いよいよ織田信秀の手によって岡崎城が一挙に攻め落とされると、広忠は、降伏の証として嫡男の竹千代を織田へ人質に出した。松平家の諸城は信秀が今川領へ侵攻するための橋頭保になるかと思えた。ところが、である。ほどなくして、広忠は、織田への降伏を反故にし、今川へ臣従する意向を示した。尾張に留め置かれている竹千代は、いわば見殺しにされた形である。
「閉じ込められて窮屈だったろう。だが、今日は出られたな」
「はい。「めでたい日だから」と信秀さまが、」
「アハハ。それは違う。キサマの父が、織田を見限って今川についたからだ。知っていよう。キサマは見捨てられて人質の価値を半ば失ったのだ」
「、聞き及んでいます」
「恨んでいるか、父を」
「いいえ」
「では、織田を恨んでいるな」
「いいえ」
「それでは、誰も恨んでいないのか」
「はい。乱世のならいです」
「それは殊勝な心掛けだな」
盤上の戦局は、信長がすこし優勢というところだったが、当の信長本人には、これがどうも奇妙に感じられた。
信長は、自分が、さして将棋が上手くないことを知っている。定石というのをよく知らないから、気を抜くとすぐに悪くなるのだ。それなのに、この対局はどうだろう? そういったことが少しも起こらない。竹千代の世話をしているのは熱田を牛耳る土豪・加藤家の順盛という男だったが、信長は彼から、「竹千代の坊主はたいそう将棋を好む」と聞いて遊びにやってきたのだ。しかし、指してみるとまるで手ごたえがない。こういったニオイを嗅ぎ取ることについて、信長は病的に長けていた。
「なるほど。これも、殊勝な心掛けの一つというわけか」
相手の思惑が分かってしまうと、それに乗るのはつまらない。信長はちょっと考えてから、しずかに、わざと悪手を指した。作為と悪意の籠った一手である。しかし、竹千代はこれを咎めるような手を指さない。考えた通りであった。こうなると、信長は退けない。少しずつ、しかし確実に、自分が劣勢になるように悪手をちりばめていく。竹千代の利発そうな両の目が、次第にどろどろ泳ぎ出した。
どこかの局面で居直ってしまえば何も苦しむ必要はなかった竹千代だが、既にその機を逸していた。棋譜はもはや対局の体をなしていない。盤に、大粒の涙が落ちて染み入る。
「申し訳ございません」
「そういう真似は相手を選べ。キサマ、将棋はオレよりうまいが勝負は下手だな」
およそ十も歳が離れた童を泣かせても、信長はまったく心を痛めない。俯いたままの竹千代に尚も語り掛ける。
「なぜ、オレがキサマを責めるか、分かるまい。なぜ、オレ以外の家中の大人たちがキサマに親切にするか、分かるまい。奴らは哀れんでいるのさ。父親に見捨てられ、敵の家中にあって人質の価値を失い、いつ首が飛ぶかしれないにも関わらず一所懸命にオベッカを使う、殊勝な童をだ」
松平竹千代は、「納得する」ということに関して誰よりも秀でていた。理を解し、腑に落とす才覚である。政争の都合で母と生き別れとなったときも、織田の人質となったときも、父に半ば見殺しとされたいまも、取り乱すことがなかった。すべては、乱世のならいである。自分だけが不幸なわけではないのだから、誰が悪いということではない。周囲の人間は、その振る舞いを見て、口々に「立派だ」と褒めそやした。いつ消えるかもしれない幼い命に、あえて辛辣な現実を叩きつける者などいなかった。織田信長を除いては。
「キサマが何を目指して生きているのかサッパリ分からんのだ。父親や今川が憎ければ織田に降って奴らと戦え。反対に、織田が憎ければ、今日この日はまたとない好機、キサマは懐剣の一つでも呑んでここへ来るべきだった。キサマは何も望んでいないのだ。望むものがないというのは、つまり、生きていないということさ。だから、キサマは死がすぐそこまで迫ってきていても、心が動じない。だが、それを指して「肝が据わっている」などというのは、いかにも大人連中の好むくさい理屈じゃないか」
物心ついて間もない童に放つような言葉ではない。むしろ、自分に言い聞かせているようである。
「オレは違う。清洲を滅ぼして尾張を、斎藤を滅ぼして美濃を、そうして松平・今川を滅ぼして三河を支配するのだ。そう言うと「織田信秀にすら成せないことが、うつけの世継ぎにできるものか」と皆、笑うんだがね。しかし、ともかくやると決めているんだ。……戦で負ければいまのキサマのように泣くかもしれん。命の危機がいよいよ迫れば腰を抜かすこともあるだろうが、からだより先に心が死ぬことは決してない」
竹千代に突き立てられた信長の言葉は、その熱量は、例えば、明日にでも竹千代の首が刎ねられてしまえば、まるで無駄である。しかし、信長はそういうことを考えない。多くの人間が対人関係で無意識に抱くであろう損得計算を、この男はしなかった。
『いま、ここにオレがいて、キサマがいる』
それだけが、織田信長の対話の流儀だった。
信長の口から紡がれた言葉のすべては、当然、竹千代には分からない。しかし、不思議と嫌な風はない。目の前の男が、「大うつけ」と呼ばれていることも知っている。しかし、不思議と力強い。
竹千代は涙を拭い、顔を上げた。
「もう一度、信長さまときちんと勝負がしとうございます」
その時、ちょうど、どこからか信長を呼ぶしわがれ声が聞こえてきた。声は徐々にこちらへ近づいてくる。
「うるさいのが来たな。勝負はつぎにお預けだ。だが、そのときは、盤上で済むとは限らんのだぜ」
アア、そうか。この人は、わたしが思わず目を背けてきたものと、ずっと戦っているのかもしれない。竹千代は簡単にそう解した。そして、それで十分だった。
「はい。乱世のならいです」
「それは殊勝な心掛けだな」
信長はニヤリと笑ってその場を後にした。
この松平竹千代こそ、後の、織田信長の最大の同盟者にして、江戸幕府初代征夷大将軍となる徳川家康である。およそ十二年後、永禄三年(一五六〇年)より、この二人の運命は再び数奇に絡み合い、やがて歴史を大きく動かすうねりとなるが、それはまだ誰も、信長でさえも知らないこと。
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