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176 閑話 冒険するよ。ファリカちゃん! (5)

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176 閑話 冒険するよ。ファリカちゃん! (5)

ブーーーーーン!

瞬間移動で今度は、水の祠に来ました。

「ねえ。水の精霊さん、ここはどこなの?」

「ファリカちゃん、ここはね、オッドリアの海の中よ!」

「あれれれ?でも息が出来て、まわりに水がないよ?」

「そうね。祠の場所は、海の中にある洞窟にあったのだけれども、水の量が減ったのかしら?洞窟の中の水が少なくなっているわね」

「水がなくなっているから呼吸が出来るの?」

「いいえ、ちがうわ。この祠の周辺は、私達水の精霊と一緒にいると呼吸が出来る様になっているのよ。
ですから、水があったとしても、お外と同じように動けるし呼吸も出来るのよ」

「え!すごいですね。その考えで行くと土の精霊さんの祠が土の中にあっても不思議じゃないよね?」

「いやいやいや、さすがに土の祠が地中にあると身動きが出来なくなるし、呼吸も出来ないし、魔素などの魔法に必要なものも取り入れることができなくなるのじゃ。
精霊は、水の中でも魔素などを取り入れることができるのじゃよ」
土の精霊さんが教えてくれました。

「水の中には、魔法や、召喚などに必要な魔素が陸と同じようにあるのよ!
ですから、水中でも水の精霊達は陸と変わらず活動できるのよ。
あら?そういえば火の祠はどうして炎の中にないのかしら?」

「水の精霊よ。それは、祠が炎の中にあるとすぐに燃えてしまうからさ」
火の精霊さんがバタバタして応えてくれました。
(ふ~ん。なるほどいろいろな事があるのですね。
でも、火の祠が炎の中にあると燃えてしまうのかぁ)
私は水の祠を見ました。どうやら焦げたような跡があります。

「ねぇ水の精霊さん」
「なぁに?」
「祠の上のところが焦げたような跡があるよ」

じぃぃぃぃぃっ

「あら、本当ね」

水の精霊さんはまじまじと祠を見ました。
「これは、祠が水からでてしまったことによって、何かしらの原因で火がついたのかしら?」
「う~ん」
私は頭を少し横に倒して、じぃーっと祠を見つめました。
(どうして燃えたのかわからないですけれど、とりあえず直すのが先だよね)
「水の精霊さん。水属性魔法では、回復魔法が使えるけど、水の精霊さんもつかえるのかな?」
「あら、ファリカちゃんは博識ね。回復の魔法は使えるわよ」

「じゃ、祠に回復魔法をかけてみてください」
「はいはい。ではいくわよ」
ピカピカ
辺り一面光りに包まれました。

祠が直っていました。

「あら?祠が直りましたね。さすがファリカちゃんね。ファリカちゃんの考えで祠が直ったわ」

「先ずは祠が直って良かったですね。
でも、このまま祠がこの場所だと水の外になるので、同じ事の繰り返しになっちゃいますね」

「「「「そうだね」」」」

私は、考えました。
私は、考えました。

私は、考えました。


チーン! 思いつきました。

「祠を水の中に移動しましょう」

「「「「ええええ!!!!祠を移動する!!!!!」」」」

「だって、ここの祠の水の量を増やすより、移動した方が、いろんな意味でいいと思うの。このままここだと、水がまた減ってしまうかも知れないですし」

「ファリカちゃんの言う通りね。
私いい場所思いつきましたよ」
風の精霊さんはパタパタ飛びながら私の顔と水の精霊さんの顔を見ます。

「私達風の祠のある大森林の横にある、聖なる湖に水の祠を遷宮(この場では、祠を移動すること)すればいいと思いますわ」

「あの聖なる祠ね。うふふ。エリーゼに近くなるわね。いい案ね。
でも、遷宮していいのか、ちょっと最上位精霊様に伺って来ますのでしばらく待っててね」
そう言って水の精霊は祠の中に入って行きました。



みんなで会話して水の精霊さんの帰りを待っていました。

「OK!許可が出たわよ。
風の精霊ちゃん、良い場所を教えて」
帰って来た水の精霊さんは軽い感じです。

「うふふ。これで私達は近い場所にいられるわね。土の精霊の祠だけが少し遠くになるのね。まあそんな事はどうでもいいけれど、移動するわよ」

ブーーーーーン!

風の精霊さんは、大森林から流れる川と聖なる湖が合流する所に連れてきてくれました。

「「風の精霊さん、ありがとう」」
私と水の精霊さんが頭を下げました。

「土の精霊さん。ここの場所の水中に穴を掘って洞窟は作って欲しいな」
私は、土の精霊さんにお願いしました。

「ほ ほ ほ おやすいご用だ!」
ピカピカ
目の前が明るくなり、あっという間に水中に洞穴が出来ました。
その洞穴は、とても神秘的なできあがりで、とてもいい仕事をしてくれました。
私は、土の精霊さんに親指を立てて
「グッドジョブ!」
しました。

そして私は水の精霊さん達といっしょに祠を遷宮しました。

「水の祠さん水の恵みをありがとう」

パラパ パッパッパッパー

頭の中で音が鳴りました。

ファリカはレベルが上がった。
水の精霊ととても仲良くなった。
水中でも魔素を回復することができるようになった。
水中の生き物達と仲良くなることが出来るようになった。
(強い魔物はまだ、仲良く出来ません)
水の精霊の加護をもらった。

「ん?」
私はキョロキョロとまわりを見ました。
再び、淡々とした女性の声が頭の中で聞こえたのです。

そうしていると

「ファリカちゃんこれからもよろしくね」
とてもグラマーで美人さんに声をかけられました。
「水の精霊さんの偉い方ですか?」

「うふふふ。私は、水の精霊のちょっと偉いウンディーネよ。よろしくね」
ウィディーネさんは私にパッチとウィンクしました。

美人さんのウィンクは強烈です。
私は、大きくなったら容姿はウンディーネさんを目指そうと思いました。

「こちらこそよろしくお願いします。
私は、ファリカ=ベルティンブルグです。
今後、お見知りおきください」
私は、スカートの端をちょんとつまんで挨拶しました。

「あら~可愛い♡」
ウンディーネさんは私の頭を撫で撫でしてくれました。

「ファリカちゃん。
そのスライムちゃん達も水の精霊の加護を与えたわよ。
ですから、スピードを速くする加護は水に関する乗り物も有効になりましたよ」

「え?よくわからないけれども、シルバーとグラウがより優秀になったのですね?」

「うふふ。そうよ」

「おねえちゃん。ありがとう」

「どういたしまして。ファリカちゃんにおねえちゃんと呼ばれると胸がキュンとするわね」

「えへへ。おねえちゃん」

ズッキューン
ウンディーネさんは胸に手を当てて真っ赤な顔をしています。

「どうしたの? おねえちゃん?」

ズッキューン

ウンディーネさんは再び胸に手を当てて真っ赤な顔をしました。
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