71 / 77
お返しします!
夜会のお時間です。
しおりを挟む
夜会は王宮で行われることになっていたので、王宮へ向かった。
馬車は私とお母様で1台、お父様とレン様で一台だ。本当はお母様とお父様、私とレン様でとの案もあったけど、私はまだ婚約中の身で変な言いがかりのネタをトーマスに渡すのは避けたかった。
お父様は最後まで「エリザと乗りたい」と騒いでいたけど…
夜会会場につくとトーマスがこちらに向かってくるかと思ったが意外にも来なかった。
もしかしたら私がきていることに気づいていない?
まだ、小屋に捕まったままだと思っているか…
確かにありそうだ。
「シア、すぐ夜会会場に行きたいところだけど、トーマスはまだ君が捕まったままだと思っているんじゃないかと思うんだ。詰めが甘そうだしね。だから少し様子を見たい。こちらにある、休憩室で待っていてくれるかい?」
レン様も同じ考えだったようだ。私は頷き休憩室へ向かった。
休憩室は夜会などのダンスで疲れた人が一次的に休めるようになっている場所だ。化粧直しなどもできるようになっている。
まだ夜会が始まったばかりと言うこともあり休憩室には誰も人がいなかった。
休憩室も紅茶やお菓子などが置いてあった比較的くつろげる空間となっているので、私はディーダに紅茶を入れてもらいながらゆっくりすることにした。
ゆっくりしていると夜会が始まったのだろう。音楽が鳴り始めた。
「ディーダ。それにしても暇ね。」
「そうですね。私も早く綺麗なお嬢様を皆様にお見せしたいと思っいます。」
ディーダと2人でしばらく待っているとルーシーとルイス様が入ってきた。
「シア!!」
ルーシーが私を見つけて駆け寄ってくる。
「ルーシー、ルイス様ごきげんよう。お二人は一緒に来られたんですか?」
ルーシーが顔を赤くしながら、
「えぇ。まだ婚約はしていないのだけど、お父様が一緒に行っていいと仰ったの。」
照れている姿がとても可愛い。ドレスについては似たような色を合わせてきたそうだ。本当は一緒に作りたかったけれどそんな時間がなかったらしい。確かに色々急に動いから仕方ないと思う。
「ルイス様、こんな素敵なルーシーを話さないでくださいね。他の男がほっておきませんよ。」
小さい声で「わかってるよ。」と帰ってきた。
ルイス様は3人のお姉様がいるって言っていたし、ルーシーの方が結婚したら強そうだなと思う。でもこの2人がずっと幸せにいてくれたら嬉しいなと感じた。
しばらく3人で話していると今回お願いした証人のメンバーと、生徒会の皆が休憩室に入ってきた。
こんなに集まって平気なのか不安だったが、ここの休憩室は貸切にしてあるらしい。そして他にも用意していたそうだ。
「だから誰も入ってこなかったのね!」
最後にレン様が休憩室に入ってきた。
「シア。待たせたね。最後の舞台は整ったよ。悲劇のヒロインたちの悲劇の物語。本当の悪役令嬢はあなたですよ。を開幕しようか。」
思わずレン様の考えた作戦名に笑ってしまう。少し緊張していたのもあり緊張がほぐれたようで良かった。
馬車は私とお母様で1台、お父様とレン様で一台だ。本当はお母様とお父様、私とレン様でとの案もあったけど、私はまだ婚約中の身で変な言いがかりのネタをトーマスに渡すのは避けたかった。
お父様は最後まで「エリザと乗りたい」と騒いでいたけど…
夜会会場につくとトーマスがこちらに向かってくるかと思ったが意外にも来なかった。
もしかしたら私がきていることに気づいていない?
まだ、小屋に捕まったままだと思っているか…
確かにありそうだ。
「シア、すぐ夜会会場に行きたいところだけど、トーマスはまだ君が捕まったままだと思っているんじゃないかと思うんだ。詰めが甘そうだしね。だから少し様子を見たい。こちらにある、休憩室で待っていてくれるかい?」
レン様も同じ考えだったようだ。私は頷き休憩室へ向かった。
休憩室は夜会などのダンスで疲れた人が一次的に休めるようになっている場所だ。化粧直しなどもできるようになっている。
まだ夜会が始まったばかりと言うこともあり休憩室には誰も人がいなかった。
休憩室も紅茶やお菓子などが置いてあった比較的くつろげる空間となっているので、私はディーダに紅茶を入れてもらいながらゆっくりすることにした。
ゆっくりしていると夜会が始まったのだろう。音楽が鳴り始めた。
「ディーダ。それにしても暇ね。」
「そうですね。私も早く綺麗なお嬢様を皆様にお見せしたいと思っいます。」
ディーダと2人でしばらく待っているとルーシーとルイス様が入ってきた。
「シア!!」
ルーシーが私を見つけて駆け寄ってくる。
「ルーシー、ルイス様ごきげんよう。お二人は一緒に来られたんですか?」
ルーシーが顔を赤くしながら、
「えぇ。まだ婚約はしていないのだけど、お父様が一緒に行っていいと仰ったの。」
照れている姿がとても可愛い。ドレスについては似たような色を合わせてきたそうだ。本当は一緒に作りたかったけれどそんな時間がなかったらしい。確かに色々急に動いから仕方ないと思う。
「ルイス様、こんな素敵なルーシーを話さないでくださいね。他の男がほっておきませんよ。」
小さい声で「わかってるよ。」と帰ってきた。
ルイス様は3人のお姉様がいるって言っていたし、ルーシーの方が結婚したら強そうだなと思う。でもこの2人がずっと幸せにいてくれたら嬉しいなと感じた。
しばらく3人で話していると今回お願いした証人のメンバーと、生徒会の皆が休憩室に入ってきた。
こんなに集まって平気なのか不安だったが、ここの休憩室は貸切にしてあるらしい。そして他にも用意していたそうだ。
「だから誰も入ってこなかったのね!」
最後にレン様が休憩室に入ってきた。
「シア。待たせたね。最後の舞台は整ったよ。悲劇のヒロインたちの悲劇の物語。本当の悪役令嬢はあなたですよ。を開幕しようか。」
思わずレン様の考えた作戦名に笑ってしまう。少し緊張していたのもあり緊張がほぐれたようで良かった。
1,891
お気に入りに追加
4,691
あなたにおすすめの小説
【完結】冷遇された私が皇后になれたわけ~もう貴方達には尽くしません~
なか
恋愛
「ごめん、待たせた」
––––死んだと聞いていた彼が、私にそう告げる。
その日を境に、私の人生は変わった。
私を虐げていた人達が消えて……彼が新たな道を示してくれたから。
◇◇◇
イベルトス伯爵家令嬢であるラシェルは、六歳の頃に光の魔力を持つ事が発覚した。
帝国の皇帝はいずれ彼女に皇族の子供を産ませるために、婚約者を決める。
相手は九つも歳の離れた皇子––クロヴィス。
彼はラシェルが家族に虐げられている事実を知り、匿うために傍に置く事を受け入れた。
だが彼自身も皇帝の御子でありながら、冷遇に近い扱いを受けていたのだ。
孤独同士の二人は、互いに支え合って月日を過ごす。
しかし、ラシェルが十歳の頃にクロヴィスは隣国との戦争を止めるため、皇子の立場でありながら戦へ向かう。
「必ず帰ってくる」と言っていたが。
それから五年……彼は帰ってこなかった。
クロヴィスが居ない五年の月日、ラシェルは虐げられていた。
待ち続け、耐えていた彼女の元に……死んだはずの彼が現れるまで––
◇◇◇◇
4話からお話が好転していきます!
設定ゆるめです。
読んでくださると、嬉しいです。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化進行中!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、ガソリン補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
婚約破棄? そもそも君は一体誰だ?
歩芽川ゆい
恋愛
「グラングスト公爵家のフェルメッツァ嬢、あなたとモルビド王子の婚約は、破棄されます!」
コンエネルジーア王国の、王城で主催のデビュタント前の令息・令嬢を集めた舞踏会。
プレデビュタント的な意味合いも持つこの舞踏会には、それぞれの両親も壁際に集まって、子供たちを見守りながら社交をしていた。そんな中で、いきなり会場のど真ん中で大きな女性の声が響き渡った。
思わず会場はシンと静まるし、生演奏を奏でていた弦楽隊も、演奏を続けていいものか迷って極小な音量での演奏になってしまった。
声の主をと見れば、ひとりの令嬢が、モルビド王子と呼ばれた令息と腕を組んで、令嬢にあるまじきことに、向かいの令嬢に指を突き付けて、口を大きく逆三角形に笑みを浮かべていた。
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
結婚式の夜、突然豹変した夫に白い結婚を言い渡されました
鳴宮野々花
恋愛
オールディス侯爵家の娘ティファナは、王太子の婚約者となるべく厳しい教育を耐え抜いてきたが、残念ながら王太子は別の令嬢との婚約が決まってしまった。
その後ティファナは、ヘイワード公爵家のラウルと婚約する。
しかし幼い頃からの顔見知りであるにも関わらず、馬が合わずになかなか親しくなれない二人。いつまでもよそよそしいラウルではあったが、それでもティファナは努力し、どうにかラウルとの距離を縮めていった。
ようやく婚約者らしくなれたと思ったものの、結婚式当日のラウルの様子がおかしい。ティファナに対して突然冷たい態度をとるそっけない彼に疑問を抱きつつも、式は滞りなく終了。しかしその夜、初夜を迎えるはずの寝室で、ラウルはティファナを冷たい目で睨みつけ、こう言った。「この結婚は白い結婚だ。私が君と寝室を共にすることはない。互いの両親が他界するまでの辛抱だと思って、この表面上の結婚生活を乗り切るつもりでいる。時が来れば、離縁しよう」
一体なぜラウルが豹変してしまったのか分からず、悩み続けるティファナ。そんなティファナを心配するそぶりを見せる義妹のサリア。やがてティファナはサリアから衝撃的な事実を知らされることになる──────
※※腹立つ登場人物だらけになっております。溺愛ハッピーエンドを迎えますが、それまでがドロドロ愛憎劇風です。心に優しい物語では決してありませんので、苦手な方はご遠慮ください。
※※不貞行為の描写があります※※
※この作品はカクヨム、小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる