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婚約破棄に向けて

クズの親はクズだった。、レンフォード視点。

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僕は急いで駆け寄り、手を振り上げている男の手を掴んだ。

「女性に手をあげるなんてよくないな。君は確かディーダだったよね。シアのメイドの…」

ディーダは頷く。確かこの男も以前シアもいるのを見かけた。
「こっちの男は…」騒ぎを聞きつけたのかクレイが来たので僕は男をクレイに渡した。

「ファルディです。パトリシアお嬢様の従者です。」シアの従者か。だから見たことがあったんだな。
少しディーダが落ち着くのを待って一体何があったのか聞いてみる。

「お嬢様が馬車乗り場に向かっていると聞きいたのでそちらに戻ろうと動き始めた時でした。」少し離れたところからシアを見守っていた2人はシアが馬車乗り場に戻ろうとしていたのをみて、急ぎで戻ろうとしていたそうだ。そしたら途中でファルデイが止まった。そこからは僕が見た通りらしい。

「シアは?」
そういえば馬車乗り場に行ったならシアもそちらに行ったということだろうか?
「レン。よく聞いてください。馬車乗り場を見てきましたが…シアはいませんでした…」

「え?いなかった?」
一体少しの間に何が起きたんだろう。ファルディの方を見ると悔しそうな顔をしながら目を逸らす。この顔は何か知っているのではないかと思って話しかけた。
「ファルディと言ったか?なぜそんな顔をしている?シアがどこ言ったか知っているな?」
シアがいなくなったことで思った以上に俺は怒っているみたいだ。言い方もキツくなっている気がする。
「早く言え。」ファルディを見下ろしながら聞く。すると小さい声で話出した。

「し、し、しししし仕方なかったんだ。」そう言って話出した。ファルディの家は騎士爵で、ハマー侯爵の意見は絶対聞かないといけない状態だった。それが嫌だったためファルディは家を出たそうだが、最近になって妹がいなくなったと連絡が来たそうだ。妹はまだ8歳だという。母と父も探したが見つからなかった。そんな時ハマー侯爵から親が呼び出されたらしい。
妹は預かっていると。無事返してほしければいうことを聞けということだった。
ワーグナー家の帳簿をジェード家に持っていく。持っていったらまずはシアに見せるように言われたそうだ。そして見せたら執務室のどこかに隠しておけということだった。

なぜ執務室に隠しておけと言ったのか…きっとない頭で色々考えたんだろう。帳簿が家から見つかればジェード伯爵がワーグナーけど繋がっていると進言できるとでも思ったのではないかと思う。
そしてシアは帳簿の流れを見て動き出すと踏んでいたんだ。

「どこまで行ってもクズはクズか…ファルディは明日の夜会で突き出すから連れて行って地下牢にでも入れておけ。」そう言って僕はハマー領を目指すことにした。

「レンはどちらに?」
「恐らくクズの親はクズだ。シアは連れて行かれたんだと考えるのが1番早い。ただこの王都にそのままいさせるってことはしないだろうからな。ハマー領のハマー家を目指してみるよ。」
そして二つクレイにお願いをする。一つはマーティンとルイスに話して2人には隣国につながる道を一度封鎖するように頼んでほしこと。そうすることで他の国に子供が売られるのは阻止できるはずだ。
二つ目はシアの家にこの状況を伝えてほしいこと。そして、ハマー家近辺に夫人がいないか調べて欲しいとを伝えた。これは一か八かだ。もしかしたら別の国に売られている可能性もある。
それも踏まえた探してほしいことを伝えてもらう。

それだけ伝えてハマー家に向かった。
シアに何もないことを祈りながら…
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