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婚約破棄に向けて
罠。レンフォード視点
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いつも通りシアを迎えにいくと、メイドから手紙もらった。シアかららしい。
手紙には一言、「急な予定が入ったので今日は貴族院を休みます。お迎えにきていただいたのに申し訳ございません。」と書いてあった。
シアが学院を休むなんて珍しい。いつもシアが座っているところに誰も座っていないと思うと、少し寂しく感じるが予定があるなら仕方ない。僕はそのまま学院に向かった。
学院につくと、生徒会室に向かう。明後日の夜会に向けて少し資料などを読み込んでおきたいからだ。自宅に持ち帰ることも考えたが、不思議と生徒会室の方が集中できる。
1人で黙々と資料を読んでいると誰かが生徒会室に向かって走ってくる音が聞こえた。
「珍しいな。何か急ぎのようか。」
扉を開けるとクレイが立っていた。クレイの息が上がるほど急いでくるのは珍しい。
「レン。このようなみっともない姿を見せてすみません。」水渡すと極々と飲み干す。
「実は…。」
クレイは朝いちで、バッハー侯爵から呼び出されたそうだ。
なんでも朝早くにシアの父、ジェード伯爵手紙が届いたらしい。ジェード伯爵とバッハー侯爵に関わりがあるのは知っている。元生徒会メンバーで、領地が隣り合っていること。そして、今後汽車を開通させるための共同事業を行っていると聞く。始めは事業の話かと思っていたが実際は違ったらしい。
「シアがワーグナー家の帳簿を手に入れたそうです。今日動きがありそうだから町に行ってくると1人で出てしまったみたいなんです。」勿論メイドと従者が後から付いていってるようだが…
「なんでこの時期に帳簿なんか出てきんだ…」
夜会が明後日にある状態で今帳簿を出して何か不正がバレる方が大変だろう。
「クレイ、何かきな臭いと思わないか。」
「そうですね。私もそう思います。取り敢えずシアの父君から、シアを頼むと言われていたんです。なので私はこれからシアを探しに行ってきます。」
クレイは顔色すら変えずに扉から出て行こうとするので僕は慌てて肩をつかむ。
「ク、ク、クレイさん?それは先に言うべきではないのかな?」
「すみません。そうでしたね。取り敢えずシアの状況を伝えておいた方がいいかと思いまして…私は町に出て様子をみてきます。」急足で生徒会室を出ていく。
クレイの姿を見て僕も後を追いかけた。
「クレイ、僕も一緒に行こう。1人より2人の方が安全だ。」
⟡.·*.··············································⟡.·*.
町につくといつもの雰囲気が全然違った。
活気がないのもそうだが子供や若い女性の姿が見えない。
「この状態であればシアを探すのが楽そうだが、いないな。」
周りを探しながら歩くが若い女が全然みつからない。
僕たちは手分けして探すことにして30分後にまたここに戻ってくる約束して別れた。
少し歩いていくと露天にある野菜屋さんが見えた。
他のお店が結構閉まっている中で空いているのは珍しい。
「すみません、今日若い子きませんでしたが?」
「おや、あまり見ない顔だね。若い子なら…1人見たよ。もうここにはいないけどね。今日はこの辺危ないからね。馬車乗り場に戻ったんだ。」
馬車乗り場の方を指す。
「ありがとう、助かったよ。」馬車の方に向かって歩いていくと、シアの姿は見えなかったが、シアとよくいるメイドの姿が見えた。
声をかけようとすると…勢いよく男が手を振り上げたところだった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
いつもお読みいただきありがとうございます。こんなにたくさんの方にお読みいただけると思っておらず、嬉しい限りです。
誠に勝手ながら明日の更新は朝と夜のみとなるかと思います。できればお昼に1話出したいところですが…。
短編と言いながら長くなっておりますがシアちゃんとレンフォードのお話最後までお付き合いいただけますと幸いです,
よろしくお願いいたします。
ゆずこしょう
手紙には一言、「急な予定が入ったので今日は貴族院を休みます。お迎えにきていただいたのに申し訳ございません。」と書いてあった。
シアが学院を休むなんて珍しい。いつもシアが座っているところに誰も座っていないと思うと、少し寂しく感じるが予定があるなら仕方ない。僕はそのまま学院に向かった。
学院につくと、生徒会室に向かう。明後日の夜会に向けて少し資料などを読み込んでおきたいからだ。自宅に持ち帰ることも考えたが、不思議と生徒会室の方が集中できる。
1人で黙々と資料を読んでいると誰かが生徒会室に向かって走ってくる音が聞こえた。
「珍しいな。何か急ぎのようか。」
扉を開けるとクレイが立っていた。クレイの息が上がるほど急いでくるのは珍しい。
「レン。このようなみっともない姿を見せてすみません。」水渡すと極々と飲み干す。
「実は…。」
クレイは朝いちで、バッハー侯爵から呼び出されたそうだ。
なんでも朝早くにシアの父、ジェード伯爵手紙が届いたらしい。ジェード伯爵とバッハー侯爵に関わりがあるのは知っている。元生徒会メンバーで、領地が隣り合っていること。そして、今後汽車を開通させるための共同事業を行っていると聞く。始めは事業の話かと思っていたが実際は違ったらしい。
「シアがワーグナー家の帳簿を手に入れたそうです。今日動きがありそうだから町に行ってくると1人で出てしまったみたいなんです。」勿論メイドと従者が後から付いていってるようだが…
「なんでこの時期に帳簿なんか出てきんだ…」
夜会が明後日にある状態で今帳簿を出して何か不正がバレる方が大変だろう。
「クレイ、何かきな臭いと思わないか。」
「そうですね。私もそう思います。取り敢えずシアの父君から、シアを頼むと言われていたんです。なので私はこれからシアを探しに行ってきます。」
クレイは顔色すら変えずに扉から出て行こうとするので僕は慌てて肩をつかむ。
「ク、ク、クレイさん?それは先に言うべきではないのかな?」
「すみません。そうでしたね。取り敢えずシアの状況を伝えておいた方がいいかと思いまして…私は町に出て様子をみてきます。」急足で生徒会室を出ていく。
クレイの姿を見て僕も後を追いかけた。
「クレイ、僕も一緒に行こう。1人より2人の方が安全だ。」
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町につくといつもの雰囲気が全然違った。
活気がないのもそうだが子供や若い女性の姿が見えない。
「この状態であればシアを探すのが楽そうだが、いないな。」
周りを探しながら歩くが若い女が全然みつからない。
僕たちは手分けして探すことにして30分後にまたここに戻ってくる約束して別れた。
少し歩いていくと露天にある野菜屋さんが見えた。
他のお店が結構閉まっている中で空いているのは珍しい。
「すみません、今日若い子きませんでしたが?」
「おや、あまり見ない顔だね。若い子なら…1人見たよ。もうここにはいないけどね。今日はこの辺危ないからね。馬車乗り場に戻ったんだ。」
馬車乗り場の方を指す。
「ありがとう、助かったよ。」馬車の方に向かって歩いていくと、シアの姿は見えなかったが、シアとよくいるメイドの姿が見えた。
声をかけようとすると…勢いよく男が手を振り上げたところだった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
いつもお読みいただきありがとうございます。こんなにたくさんの方にお読みいただけると思っておらず、嬉しい限りです。
誠に勝手ながら明日の更新は朝と夜のみとなるかと思います。できればお昼に1話出したいところですが…。
短編と言いながら長くなっておりますがシアちゃんとレンフォードのお話最後までお付き合いいただけますと幸いです,
よろしくお願いいたします。
ゆずこしょう
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