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婚約破棄に向けて

集合。

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生徒会室につくと、生徒会の4人のほかに、ルーシーとナタリーが集まっていた。
「お待たせいたしました。遅くなってしまい申し訳ございません。」
一礼して生徒会室に入る。私がいない間に、ルーシーがある程度のお話をしてくれていたようだ。
「先ほど、ミーナの婚約者であるハスラー様も無事目を覚まされました。」
そう伝えると皆安堵した表情を浮かべる。
「ルーシー色々説明してくれてありがとう。とても助かったわ。」

「いえ、今回のことも含めて私からも説明させてちょうだい。」
そういえばルーシーはなぜかレン様が来ることを知っていたようだった。
「まず、私とレンフォードの関係からね。私たち従兄妹なの。」
「それは何となく気づいていました!お顔立ちも似ているので、血縁の方なのかなと...。」
ルーシーとあったころにすごい似ている人がいるなと思ってよく見たらレン様に似ていたからずっと血縁関係があるんだろうなとは思っていた。そう伝えると、レン様とルーシーは似た顔で笑った。
「それなら話が早いわ!」今日の出来事をルーシーが話していく。なんでも昨日レン様から今日は食堂で昼食を食べてほしいといわれたそうだ。もしかしたら今日トーマスが何かしら問題を起こすかもしれないとも考えていたらしい。ただ、ルーシーでは太刀打ちができないため、昼食が食べ終わったらあとからレン様達も食堂に来るという算段だったそうだ。

「そうだったんですね...色々動いていただいてありがとうございます!本当に助かりました。」
ルーシーと昼食を食べるのは楽しかったんだけど、ちょっとだけレン様に言われたことで一緒に食べてもらえたと思うと少し悲しくなった。

「シア。これだけは覚えておいてほしいのだけど、私はレンに言われたからって好きでもない人と一緒に昼食を食べるのは嫌だわ!今回は友人のシアのことだったし、シアと昼食を食べたかったからお願いに乗ったのよ!」そういって私の手を握りながら目を見て話してくれるルーシー。私、そんなに顔に出ていたかしら...ルーシーの言葉がすごくうれしくて思わず笑顔になった。

「ルーシー。ありがとう。私もルーシーとまた昼食食べたいと思っているの。だからまたいろいろお話きかせてね!恋愛のお話とか...私応援しているわ!」最後のほうは小さくルーシーにだけ聞こえるように伝える。

ルーシーは少し顔を赤くしながらうなずいていた。とてもかわいかった。

「さて、二人の話もある程度落ち着いたし、今回のことと今後について話そうとおもっていたんだけどね、お昼休憩中なだけだから午後からみんな授業があるだろう。だからまた放課後集まってくれると助かる。」

そう言って一度解散になった。

⟡.·*.··············································⟡.·*.

放課後になり、マーティン様と一緒に生徒会室に向かう。同じクラスなのでどうしても一緒に行動することが多くなってしまうのだ。
「シア。お昼は大変だったね。本当に何事もなくてよかったよ!」
「マーティン様。ありがとうございます。私も以前ドロシーの件でご迷惑をおかけしました。ナタリー様とても素敵な方ですね。二人のこと応援しています!」
少し顔を赤くしながらありがとうと返してくれた。ルーシーもそうだけど恋愛すると心が動いてとても素敵なのだなと思った。

生徒会室につくとみんな集まっていて私たちが一番最後だった。
皆座っているので私も席に着く。なぜか空いているのがいつもレン様の隣なのでレン様の隣に座った。
「さて、昼の続きから話していこうか。まず皆何か報告はあるかい?」
レン様が皆に何かないか聞いてきたので、私はお昼に会ったことを伝えた。
「今回のお昼の被害者、ミーナの婚約者ハスラー様が証人になってくれるそうです。」ミーナに相談をするのはダメと言われていたが、ハスラー様のことは言われていなかったのできっとお父様も許してくれるだろう。

「それなら、初めのほうは見れていませんでしたが、途中からすべて見ておりましたので、私も証人として入りましょう。」そう言ってルーシーが手を挙げてくれる。二人から証言が取れれば言葉に重みが出るだろう。私はルーシーにありがとうと伝えた。

「シア。これで証人は結構集まったね。これで当日の話はうまく進むだろう。あとはワーグナー家とハマー家についてだけど...」

「実はワーグナー夫人なんですが、見つからないんです。お母様たちにもこちらについて確認したのですが、お茶会などにも参加されていないとのことでした。もう一度こちらについては再度お母さまたちにも確認してみたいと思います。そして、ハマー家についてですが...明日から本格的に調べていこうと思っているところです。」そう伝えるとクレイン様が話し始める。
「ハマー家ですが、私のほうでも調べていますがかなり危ないことをしていそうです。なかなか尻尾をつかませてくれないのでかなり時間がかかっていますが、調べる時は細心の注意をしてください。あと、なるべく一人で行動しないようにしてくださいね。できれば送り迎えをしてくれる方がいるといいのですが...」ちらりとレン様のほうを見るクレイン様。なんでレン様をみるのでしょうか…

「わかりました!クレイン様も十分注意してくださいませ。私はファルディもいますしディーダもいますので大丈夫ですわ。」
「ま、ま、待ってくれ。送り迎えなら僕がしよう。ドロシーたちに見つかると面倒くさいから朝は少し早めの時間、夜は少し遅めの時間になってしまうけどいいかい?」
「でも、レン様お忙しいのではございませんか?」
「大丈夫だよ!とりあえず今日の帰りから一緒に帰ろうか。」せっかくレン様が大丈夫と言ってくれているので私はお言葉に甘えて送り迎えをお願いすることにした。


⟡.·*.··············································⟡.·*.


「レンはまだ自分の気持ちに気付いていないんですか?」
「気づいていないみたいだよ...気にはなっているくらいらしい...」
「二人がくっつくのは時間がかかりそうですわね...」
ため息をつきながら他の人たちがそんな会話をしていたことをこの二人は知らない。

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