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婚約破棄に向けて
トーマスは元々性格が歪んでいるようです。
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次の日早速私はお昼休みに食堂へ向かった。もちろんディーダと一緒だ。
ドロシーはマーティン様がまさかの肩透かしだったこともあるのか、また別の人に声をかけているのかわからないけど私の前に顔を出すことがない。
ディーダと2人で何を食べるか考えているとルーシーに声をかけられた。
「シア、ごきげんよう。今日は食堂なのね?」
「ルーシー、ごきげんよう。そうなの。今日は食堂で食べようかと思って。いつもここにくると何にするか迷うわね。」2人で話しながら何を食べるか考える。
「シアがもしよければだけど、お昼一緒にどうかしら?1人だったから、もしシアも1人だったらと思ったのだけど…。」
私も1人で食事だったのでとてもありがたい。
「ありがとう。私も1人だったから一緒に食べてくれたら嬉しいわ。」
ディーダに頼んで席を確保してもらう。私はクリームパスタ、ルーシーはドリアを持って席についた。
席につくと2人で他愛のない話をしながらお昼ご飯を食べる。
「ルーシーは最近何かいいことあった?」
最近、ドロシーやトーマスの話ばかりなので何かいいことなかったか聞いてみる。
「そうね。私の片思いなのだけど、その方と最近お話しする機会が増えてとても嬉しいんですの。」
嬉しそうに話すルーシー。恋愛はいかんせんあの婚約者がいたので夢のまた夢だと思っていた。
「それはいいわね。私もこの婚約破棄が成立したら恋愛できるかしら。ルーシーのお話を聞いていたらいつか恋をしてみたいなと思うわ。」
「えぇ。できますわ!私もお相手の方に少しでも好きになってもらえるよう頑張っているところです。ただ、お相手には好きな方がいるみたいなので、もしかしたら叶わぬ恋の可能性もあるかもしれませんが…できる限り頑張ってみようと思っていますの。」
恋の話をするルーシーはとても綺麗で、応援したくなった。
それにしても最近似たような話聞いた気がするんだけど…どこで聞いたんだったかしら。また今度考えようと思い、その後もルーシーの話を聞きながら昼食を終えた。
はずだった…。
「昼食も食べ終わりましたし、教室に戻りますか。」
「えぇ、そうね。また一緒にご飯食べましょう」
ルーシーとまた一緒に食べる約束をして席を立とうとしたところ、
「やめてください!!」と言う声が食堂中に響き渡った。しかも聞いたことのある声だ…急いで声のあった方に近づいていくと、そこにはトーマスとまさかのミーナ。そしてハスラー様が倒れていた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ミーナ視点
午前中の授業が終わり、教室でシアと別れてから私とハスラーで食堂に昼食を食べにきていた。
私とハスラーは幼馴染で、領地が近かったこともありよく行き来して遊んでいた。お父様たち同士が仲良いと言うこともある。そしていつの間にか婚約していた感じだ。お互い好きだったこともあり、この婚約を嫌だと思ったことは一度もない。今もほとんど喧嘩することなく過ごしている。
食堂につき、今日の昼食を選んでいるとハスラーが混んできたから先に席を取ってくるといってこの場を離れた。
私もそれに返事をし、2人分の昼食を頼もうとしていたときだった。
急に後ろから腕を引っ張られた。
ハスラーかなと思い後ろを振り返ると全く違う人が私の腕を掴んでいる。間違いかなと思い、
「すみません。痛いので離していただけませんか。腕を掴む方、間違えていると思います。」と一言伝えた。
「うるさいな。いいからこっちに来い。」
そう言って私を引っ張っていく。私は少し怖くなったが他の人もいるし迷惑をかけたくなかったので、仕方なくついていった。
ついていくと、そこにはハスラーが殴られた状態で倒れていた。私は思わずハスラーに近寄っていく。
「ハスラー、大丈夫?何があったの?起きれる?」
ハスラーからは呻き声しか聞こえない。
「あなたたちハスラーに何したんですか!?」そういいながら振り返るとそこにいたのはトーマス先輩とその仲間たちだった。
仲間の1人が「そっちが先にトーマスさんにぶつかってきたんだよ。」と言い出す。恐らくぶつかったと言うより、ぶつかってしまったんだろう。食堂でしかも1番混む時間帯だ。気をつけていてもぶつかる可能性が高い。
「これだけ人がここにいるんです。あなたたちも知っていますよね?ぶつかる気がなくてもぶつかってしまう可能性が高いと思いますが…」
そしたら、トーマスが口を開いた。
「そもそも君さ俺より爵位下だよね?なんでそんな態度取れるわけ?あー、確か君、パトリシアとよく一緒にいるね。まさか勘違いしちゃった?俺は侯爵家で、君は子爵家だったかな?普通だったら道を開けるのが当たり前でしょ?」
ちょっと言っている意味がわからなかった。そもそも爵位が高いからなんだと言うのだ。あくまでも、爵位を持っているのは当主であり、子供じゃない。ましてやここは貴族院だ。誰もが対等に勉強できる場所である。
「よく見ると君かわいいし、もしよかったら今夜一緒に遊ばない?」そう言ってトーマス先輩が近づいて来る。私は助けを呼ぶ意味を込めて大きな声で
「やめてください!」と叫んだ。
ドロシーはマーティン様がまさかの肩透かしだったこともあるのか、また別の人に声をかけているのかわからないけど私の前に顔を出すことがない。
ディーダと2人で何を食べるか考えているとルーシーに声をかけられた。
「シア、ごきげんよう。今日は食堂なのね?」
「ルーシー、ごきげんよう。そうなの。今日は食堂で食べようかと思って。いつもここにくると何にするか迷うわね。」2人で話しながら何を食べるか考える。
「シアがもしよければだけど、お昼一緒にどうかしら?1人だったから、もしシアも1人だったらと思ったのだけど…。」
私も1人で食事だったのでとてもありがたい。
「ありがとう。私も1人だったから一緒に食べてくれたら嬉しいわ。」
ディーダに頼んで席を確保してもらう。私はクリームパスタ、ルーシーはドリアを持って席についた。
席につくと2人で他愛のない話をしながらお昼ご飯を食べる。
「ルーシーは最近何かいいことあった?」
最近、ドロシーやトーマスの話ばかりなので何かいいことなかったか聞いてみる。
「そうね。私の片思いなのだけど、その方と最近お話しする機会が増えてとても嬉しいんですの。」
嬉しそうに話すルーシー。恋愛はいかんせんあの婚約者がいたので夢のまた夢だと思っていた。
「それはいいわね。私もこの婚約破棄が成立したら恋愛できるかしら。ルーシーのお話を聞いていたらいつか恋をしてみたいなと思うわ。」
「えぇ。できますわ!私もお相手の方に少しでも好きになってもらえるよう頑張っているところです。ただ、お相手には好きな方がいるみたいなので、もしかしたら叶わぬ恋の可能性もあるかもしれませんが…できる限り頑張ってみようと思っていますの。」
恋の話をするルーシーはとても綺麗で、応援したくなった。
それにしても最近似たような話聞いた気がするんだけど…どこで聞いたんだったかしら。また今度考えようと思い、その後もルーシーの話を聞きながら昼食を終えた。
はずだった…。
「昼食も食べ終わりましたし、教室に戻りますか。」
「えぇ、そうね。また一緒にご飯食べましょう」
ルーシーとまた一緒に食べる約束をして席を立とうとしたところ、
「やめてください!!」と言う声が食堂中に響き渡った。しかも聞いたことのある声だ…急いで声のあった方に近づいていくと、そこにはトーマスとまさかのミーナ。そしてハスラー様が倒れていた。
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ミーナ視点
午前中の授業が終わり、教室でシアと別れてから私とハスラーで食堂に昼食を食べにきていた。
私とハスラーは幼馴染で、領地が近かったこともありよく行き来して遊んでいた。お父様たち同士が仲良いと言うこともある。そしていつの間にか婚約していた感じだ。お互い好きだったこともあり、この婚約を嫌だと思ったことは一度もない。今もほとんど喧嘩することなく過ごしている。
食堂につき、今日の昼食を選んでいるとハスラーが混んできたから先に席を取ってくるといってこの場を離れた。
私もそれに返事をし、2人分の昼食を頼もうとしていたときだった。
急に後ろから腕を引っ張られた。
ハスラーかなと思い後ろを振り返ると全く違う人が私の腕を掴んでいる。間違いかなと思い、
「すみません。痛いので離していただけませんか。腕を掴む方、間違えていると思います。」と一言伝えた。
「うるさいな。いいからこっちに来い。」
そう言って私を引っ張っていく。私は少し怖くなったが他の人もいるし迷惑をかけたくなかったので、仕方なくついていった。
ついていくと、そこにはハスラーが殴られた状態で倒れていた。私は思わずハスラーに近寄っていく。
「ハスラー、大丈夫?何があったの?起きれる?」
ハスラーからは呻き声しか聞こえない。
「あなたたちハスラーに何したんですか!?」そういいながら振り返るとそこにいたのはトーマス先輩とその仲間たちだった。
仲間の1人が「そっちが先にトーマスさんにぶつかってきたんだよ。」と言い出す。恐らくぶつかったと言うより、ぶつかってしまったんだろう。食堂でしかも1番混む時間帯だ。気をつけていてもぶつかる可能性が高い。
「これだけ人がここにいるんです。あなたたちも知っていますよね?ぶつかる気がなくてもぶつかってしまう可能性が高いと思いますが…」
そしたら、トーマスが口を開いた。
「そもそも君さ俺より爵位下だよね?なんでそんな態度取れるわけ?あー、確か君、パトリシアとよく一緒にいるね。まさか勘違いしちゃった?俺は侯爵家で、君は子爵家だったかな?普通だったら道を開けるのが当たり前でしょ?」
ちょっと言っている意味がわからなかった。そもそも爵位が高いからなんだと言うのだ。あくまでも、爵位を持っているのは当主であり、子供じゃない。ましてやここは貴族院だ。誰もが対等に勉強できる場所である。
「よく見ると君かわいいし、もしよかったら今夜一緒に遊ばない?」そう言ってトーマス先輩が近づいて来る。私は助けを呼ぶ意味を込めて大きな声で
「やめてください!」と叫んだ。
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