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婚約破棄に向けて

休日②

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レンフォード視点
僕は2人の間に割って入る。
「皆さんが迷惑していますよ。みたところあなたが元凶のようですが…。またお会いしましたね?トーマス・ハマー殿。」
ニコリと笑いながら圧をかける。

「で、で、で…大変失礼いたしました!」
僕の顔を見たらトーマスはそそくさと逃げて行った。
「怪我はないですか?」
女性は目をうっとりとさせながら
「あ、あ、ありがとうございましたぁ。助かりましたぁ。」と言ってきた。
やっぱりこうなるんだな…と思いながら僕は
「あちらにいる女性があなたを助けたいと言ったので助けたまでです。では。」
いつもより少し低い声で伝える。関わってくるなよの意味をこめてだ。女性はそれに怯んだのかぺこりとお辞儀だけして戻って行った。
シアのところに戻ると、「何もなくてよかったです。ありがとうございます!」と近寄ってきた。その姿が小動物みたいで可愛かった。

シアはこれからドレスを見に行くということだったので、マーティンのもとに2人で戻りみんなで行かないか提案したところ、「人が多い方が早く決まりそうなので是非」というので、3人でまわることになった。マーティンのところに戻り、そのことを伝えると

「俺ちょっと用事できたからさー。せっかくだし2人で回ってきなよー。」
そういってマーティンがそそくさと帰って行った。

「レン様、どうされますか?」
首を傾げなら聞いてくるシア。なかなか2人になれるチャンスもないし、2人になると急激に早くなる鼓動の意味を僕は知りたかったので2人で回ることにした。

「シア、だからね。念のため従者とメイドを連れて歩こう!そしたら何かあってもきちんと周りからも証言が取りやすい。」
今は色々あるから、念には念を入れておくことが大切だ。幸い2人ともそこまで貴族のような格好をしていないことに安心した。

「そうですね!そしたら、ディーダとファルディにお願いしましょう!」
そう言って2人を呼びに行くシア。まだ近くにいてくれて助かった。

「まずはドレスからだね!」
2人で話しながらドレス屋さんに向かう。ドレス屋さんではもちろんスーツなども作ることができるため僕も新しいものをすこし見ようかなと色々見て回ることにした。

「シアはどんなのにするのか決まっているのかい?」

「そうですね…。少し大人っぽい感じがいいかなと思っています。私ももう17になりますし。後は淡色系がいいかなと思っているんですが…どんなのがいいか迷っているんです。」ドレスを見るのが楽しいのか笑顔で色々答えてくれる。その言葉を聞いて淡色系なら少し青みがかった白など似合いそうだなと思ってそのことを伝えた。シアはいつも濃い青系が多いということだったのでいつもと違う感じになりそうと喜んでくれる。

店員さんが生地を持ちながら
「青みがかった白だとこちらの色だとどうでしょうか?形はベルラインなども可愛いと思うんですが今回は少し形を変えて胸下あたりからスカートに切り替わるエンパイアラインなども素敵かと思います。デコルテ部分をレースにすることでそこまで露出が多くなく、上品な仕上がりになるかと…」
色々と案を出してくれる。絵を描きながら説明してくれるのでとてもわかりやすい。

「シアならこのドレス着こなせそうだね!とてもいいと思う。アクセサリーは淡いピンクなんてどう?」

「たしかに水色と淡いピンクなら素敵な感じになりそうですね!こちらでお願いいたします!」
シアが店員さんに伝えるとアクセサリー屋さんには店員さんから教えてくれるとのことだった。この二店舗は兄妹で出しているお店なんだそうだ。今回はアクセサリーもデザインもしてくれるということ。出来上がったらシアの自宅に持ってきてくれるということで話がまとまった。

「レン様。お時間いただきありがとうございました。おかげで早く決まりました。もしこの後お暇でしたらお茶でもいかがですか?元々はお茶を飲みに町に出てきたんです」

「是非お供させてもらおうかな。」

まだ時間的にも早いし、何か予定があるわけではないのでシアと一緒に移動した。

⟡.·*.··············································⟡.·*.

ディーダ視点

急遽、レンフォード殿下も一緒にドレスを見ることになったため、ファルディを馬車から呼び寄せて4人で回ることになった。

レンフォード殿下はお嬢様を見る時とても優しい目をしている。ただご本人はそのことに気がついていない気がする。

お嬢様はお嬢様でそう言った出来事に鈍感なので全然気がついていなさそうだ。
ドレスを見ていると次々とどんなものにするか決まってくる。

お嬢様はたしかに寒色系がよく似合う。いつも青系が多いので青みがかった白はいつもと少し印象が変わってとてもいいと思った。アクセサリーは淡いピンク。しかもこの話は殿下が始めたことだ。

「レンフォード殿下は気づいているんでしょうか。自分の色を相手につけて欲しいという気持ちに…」
レンフォード殿下の目の色も淡いピンク色をしているため、側から見たらお嬢様を好きな気持ちが一目瞭然だ。
でも、みたところレンフォード殿下もそう言ったことに疎い気がする。
「恐らく、少しでも気持ちに気づいていただきたいからマーティン様はお帰りになったでしょう。」
私はため息をつきながら、この2人がお互いの気持ちに気づくにはまだ時間がかかりそうだなと思った。




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