上 下
33 / 77
婚約破棄に向けて

ワーグナー家の調査報告とパトリシアの成長。ルイス視点

しおりを挟む
「レン、調べて来たよ。」
生徒会室に入るなりレンに話しかける。
「ありがとう。マーティンたちがくるのを待ってから話そうか。」

マーティンたちがきてからみんなでソファに座る。

「それでルイス、どうだったんだ?」マーティンが早く教えてくれといいながら話しかけて来たので僕は話し始めた。

「ドロシーの家は思ったより色々あったよ。」
まず、家族仲はよくない。母親は何度もドロシーのことを宥めていたそうだ。それでも改善されずお茶会でも男漁りをする始末。婚約者を作るのに必死だったのかもしれないけど。段々母親は何も言わなくなっていった。と、いうかドロシーの行動が原因かわからないけど体調が悪くて寝込んでるみたいだよ。母親が宥めても良くならなかったのはもう一つあった。それが父親だ。父親はハマー家と懇意にしている。そしてドロシーは何度かハマー家に父親と一緒に出入りしている。
ハマー家とドロシーの父親の関係について調べてみたら、2人は商家のときから懇意にしていたそうだ。

「そしてもう一つ意外なことがわかった。このワーグナー家だけど、父親は入婿だったんだ。」準男爵ということもありワーグナー家に領地などはない。あくまで準男爵はいままでに功績を上げたものや、役職についているものがもらえるものだ。ただ、ワーグナー家は父親が病気になってしまった。父親を助けるために色々回っていていきついたのが、ドロシーの父親だった。

今まで知った内容を話す。

「私も調べましたので説明させてください。」そう言って生徒会室に現れたのはシアだった。

「私こう見えて調べるのが苦手なわけではないんです。」それはみんなが知っている。なぜなら、いつもテストの時は10位以内に入っていることを知っているからだ。ちなみに運動神経もそれなりにいい。ダンスも踊りやすいと評判があるのも知っていた。まぁ、美人だからという理由だけでここまでファンがつくことはない。

「ワーグナー家は元々、ドロシーの父親に借金がありました。それはドロシーから見ればお祖父様にあたる方を助けるためには膨大なお金が必要だったからです。」

そう、僕が調べたことと全く一緒だ。お金が必要だったけど、家にそこまでの資金は無かったそうだ。そこで目をつけたのが爵位だった。
ただ爵位だけを上げることはできないため、「母親と結婚をしたそうです。」

「まだ、ハマー家については調べている途中なのですが、可能性として思い浮かんだのは、ドロシーの父親は、ハマー家も乗っ取ろうとしているのではないかと思っています。そこで、ドロシーがトーマスに近寄っていくように仕向けたのではないでしょうか。これはあくまでも想像ですが。」
僕も同じ内容を考えていた。

「シアは流石だね!僕も似たようなことを考えていたよ。ただ、そこを証言してくれる人が見つからなかった。もしいるとしたらドロシーの母親なんだけど、どこまで話してくれるか…。」

「そこは私に任せてください。うまく引き込んでみたいと思います。」

そう言ってシアは生徒会室をさって行った。
「なんか前より、少し自信がついたのかな?」
「きっと自分でできることがわかって少し自信になって来たんだろう!」
レンは笑いながら話した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。 ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。 しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。 もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが… そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。 “側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ” 死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。 向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。 深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは… ※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。 他サイトでも同時投稿しています。 どうぞよろしくお願いしますm(__)m

〖完結〗ご存知ないようですが、父ではなく私が侯爵です。

藍川みいな
恋愛
タイトル変更しました。 「モニカ、すまない。俺は、本物の愛を知ってしまったんだ! だから、君とは結婚出来ない!」 十七歳の誕生日、七年間婚約をしていたルーファス様に婚約を破棄されてしまった。本物の愛の相手とは、義姉のサンドラ。サンドラは、私の全てを奪っていった。 父は私を見ようともせず、義母には理不尽に殴られる。 食事は日が経って固くなったパン一つ。そんな生活が、三年間続いていた。 父はただの侯爵代理だということを、義母もサンドラも気付いていない。あと一年で、私は正式な侯爵となる。 その時、あなた達は後悔することになる。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

【完結】妹が欲しがるならなんでもあげて令嬢生活を満喫します。それが婚約者の王子でもいいですよ。だって…

西東友一
恋愛
私の妹は昔から私の物をなんでも欲しがった。 最初は私もムカつきました。 でも、この頃私は、なんでもあげるんです。 だって・・・ね

完結/クラスメイトの私物を盗んだ疑いをかけられた私は王太子に婚約破棄され国外追放を命ぜられる〜ピンチを救ってくれたのは隣国の皇太子殿下でした

まほりろ
恋愛
【完結】 「リリー・ナウマン! なぜクラスメイトの私物が貴様の鞄から出て来た!」 教室で行われる断罪劇、私は無実を主張したが誰も耳を貸してくれない。 「貴様のような盗人を王太子である俺の婚約者にしておくわけにはいかない! 貴様との婚約を破棄し、国外追放を命ずる! 今すぐ荷物をまとめて教室からいや、この国から出ていけ!!」 クラスメイトたちが「泥棒令嬢」「ろくでなし」「いい気味」と囁く。 誰も私の味方になってくれない、先生でさえも。 「アリバイがないだけで公爵家の令嬢を裁判にもかけず国外追放にするの? この国の法律ってどうなっているのかな?」 クラスメイトの私物を盗んだ疑いをかけられた私を救って下さったのは隣国の皇太子殿下でした。 アホ王太子とあばずれ伯爵令嬢に冤罪を着せられたヒロインが、ショタ美少年の皇太子に助けてられ溺愛される話です。 完結、全10話、約7500文字。 「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」 他サイトにも掲載してます。 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

【完結】私と婚約破棄して恋人と結婚する? ならば即刻我が家から出ていって頂きます

水月 潮
恋愛
ソフィア・リシャール侯爵令嬢にはビクター・ダリオ子爵令息という婚約者がいる。 ビクターは両親が亡くなっており、ダリオ子爵家は早々にビクターの叔父に乗っ取られていた。 ソフィアの母とビクターの母は友人で、彼女が生前書いた”ビクターのことを託す”手紙が届き、亡き友人の願いによりソフィアの母はビクターを引き取り、ソフィアの婚約者にすることにした。 しかし、ソフィアとビクターの結婚式の三ヶ月前、ビクターはブリジット・サルー男爵令嬢をリシャール侯爵邸に連れてきて、彼女と結婚するからソフィアと婚約破棄すると告げる。 ※設定は緩いです。物語としてお楽しみ頂けたらと思います。 *HOTランキング1位到達(2021.8.17) ありがとうございます(*≧∀≦*)

妹は私から奪った気でいますが、墓穴を掘っただけでした。私は溺愛されました。どっちがバカかなぁ~?

百谷シカ
恋愛
「お姉様はバカよ! 女なら愛される努力をしなくちゃ♪」 妹のアラベラが私を高らかに嘲笑った。 私はカーニー伯爵令嬢ヒラリー・コンシダイン。 「殿方に口答えするなんて言語道断! ただ可愛く笑っていればいいの!!」 ぶりっ子の妹は、実はこんな女。 私は口答えを理由に婚約を破棄されて、妹が私の元婚約者と結婚する。 「本当は悔しいくせに! 素直に泣いたらぁ~?」 「いえ。そんなくだらない理由で乗り換える殿方なんて願い下げよ」 「はあっ!? そういうところが淑女失格なのよ? バーカ」 淑女失格の烙印を捺された私は、寄宿学校へとぶち込まれた。 そこで出会った哲学の教授アルジャノン・クロフト氏。 彼は婚約者に裏切られ学問一筋の人生を選んだドウェイン伯爵その人だった。 「ヒラリー……君こそが人生の答えだ!!」 「えっ?」 で、惚れられてしまったのですが。 その頃、既に転落し始めていた妹の噂が届く。 あー、ほら。言わんこっちゃない。

今、目の前で娘が婚約破棄されていますが、夫が盛大にブチ切れているようです

シアノ
恋愛
「アンナレーナ・エリアルト公爵令嬢、僕は君との婚約を破棄する!」  卒業パーティーで王太子ソルタンからそう告げられたのは──わたくしの娘!?  娘のアンナレーナはとてもいい子で、婚約破棄されるような非などないはずだ。  しかし、ソルタンの意味ありげな視線が、何故かわたくしに向けられていて……。  婚約破棄されている令嬢のお母様視点。  サクッと読める短編です。細かいことは気にしない人向け。  過激なざまぁ描写はありません。因果応報レベルです。

婚約破棄?喜んで!復縁?致しません!浮気相手とお幸せに〜バカ王子から解放された公爵令嬢、幼馴染みと偽装婚約中〜

浅大藍未
恋愛
「アンリース。君との婚約を破棄する」 あろうことか私の十六歳の誕生日パーティーで、私の婚約者は私ではない女性の肩を抱いてそう言った。 「かしこまりました殿下。謹んで、お受け致します」 政略結婚のため婚約していたにすぎない王子のことなんて、これっぽちも好きじゃない。 そちらから申し出てくれるなんて、有り難き幸せ。 かと、思っていたら 「アンリース。君と結婚してあげるよ」 婚約破棄をした翌日。元婚約者はそう言いながら大きな花束を渡してきた。

処理中です...